乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ITX青春で昭陽湖へ

2014-07-20 | 韓国
 江華島と席毛島に行った翌日、海の次はやっぱ山の方かな、京春線が大改良されて便利になってるはずだから江原道の春川に行ってみるか、ということになりました。

 京春線はかつて清涼里から客車列車がのんびり出ていくイメージだったのが2010年からの複線電化など大規模な改良を経て今は通勤電車と全車指定の優等列車「ITX青春」が走っています。このITX青春は以前からの清涼里駅に加え竜山駅まで足を延ばす列車が多く、久しぶりのソウルで「浦島太郎化」していると「京春線に乗るのに竜山?」とちょっと意外な感じがするところです。
 ともあれ竜山駅で切符買ってホームに下りるとこれからレジャーとおぼしき乗客が多く、一方「韓国の高床ホームは通勤電車」という感覚があるとホームの雰囲気が不思議に思えてきます。


 優等列車ながら最近の通勤電車に似たやや地味めな顔のITX青春がやってきました。途中に2階建て車両を2両挟んだ8両編成です。考えてみれば韓国で通勤電車以外の在来線電車に乗るのは初めてなので目新しく、大都会の高床ホームに自転車がある様子(つまり車内持ち込み可)も面白く感じます。発車すると漢江北岸に沿った区間をとろとろと走りスピードはのらないものの車内販売がやって来て優等列車らしさが盛り上がり楽しくなってきました。


 清涼里を出ると徐々にスピードが上がるのですが高架やトンネルを多用し線形がよくなっているせいかあまりスピード感はありません。とは言え清涼里~春川はかつて無窮花号で速くても1時間40分台だったのがITX青春は1時間ですからすごい短縮ぶりです。


 春川では近郊の昭陽湖(ダム湖)に行って船に乗ろうと思い、そこへのバス(11・12・150番)が出る駅前の停留所を見るとバスが出た後にかなりの乗客が積み残されるのでびっくりしました。バスは春川市内各所を回ってから春川駅に来るので既に混んでいて乗客を受け切れなくなっているというわけです。さすが有名な行楽地と感心しつつもう午後1時になっていてあまり遅くなるのも困ります。待って乗っても今度は3~40分立ちっぱなしになりそうだし、と結局2人で乗るなら1人当たりは半額だしとあきらめタクシーにしました。駅前のタクシーの運転士さんをつかまえいくらくらいか聞くと15000ウォンでどう?とのことです。乗るとすっ飛ばし20分くらいで昭陽湖の船着場近くに到着しました。メーターを見ると17000ウォンを超えていたので15000ウォンというのは多少オマケということみたいですが、ということは大づかみで15000から20000ウォンの間くらいの距離と思えばよさそうです。


 でかいダムの昭陽湖はソウルを流れる漢江の上流にあたり、近所の清平寺に行く船が頻発しているほか上流の楊口に向かう航路(5~10月のみの季節運航・所要約1時間)もあります。楊口まで行くのも面白そうですが時間があまりないのであきらめ、乗ったのは清平寺行きの方です。だいぶ水位が下がっていてイマイチな景色を見ながら10分くらい乗りました。


 清平寺側の船着場は寺から結構離れているのでまずは遅めの昼食とします。韓国の山寺の門前と言えば精進っぽいということで山菜ビビンパとか山菜定食が似合う気がしますが、春川が初めての同行者がいるので一応そば粉を使ったご当地名物の冷麺「マッククス」も頼みました。隣の席のお客はやはり春川名物の辛く味付けした鶏料理「タッカルビ」を食べていたり、メニューを見るとコウライケツギョ・ヤマメ・マス・コイとダムの近くらしく淡水魚の刺身もあったりでさすが観光地の食堂という感じです。


 腹ごしらえを終えたら渓流に沿って清平寺に向かいます。水がキレイそうかもと期待していたらダム同様に水量が少なくなっていてあまりパッとしませんでした。とはいえ渓流の真上に食堂の席が設けられているのを見るとここで食べてもよかったかもと思ったりします。


 入場料を払ってさらに上がりお寺さんに着くとその辺に(たぶん)チョウセンシマリスがうろちょろしていました。日本だと外来種で増えちゃうと困りますがここでなら素直にカワイイと安心して見物できます。


 お寺とリスを見て納得したら結構いい時間になってきたので船着場に戻り帰途につかねばなりません。


 渡船のあとは始発なので今度はタクシーではなくバスで春川駅に向かうことにします。積み残しはないものの始発でも座席にありつくためには1本落とす必要がある程度には混んでいました。春川駅まで40分弱かかったので立ちっぱなしではつらいところです。


 春川駅に着いたら鈍行に使われるロングシートの通勤電車を見物しました。これも自転車持ち込み可能です。


 鈍行は遅くくたびれるので見るだけにし、往路と同じITX青春でソウルに戻ることにします。竜山駅に着くと優等列車ながらホームドアを通ってホームに降りることになるので新鮮でした。もし将来相鉄~東急~南北線と直通する座席指定の特急でもできたらこんな感じかな、などと空想してしまいます。


 というわけでITX青春のおかげでソウルから春川へより手軽に行けるようになっていることに感心しつつ、韓国の在来線もいよいよ電車の時代なのだなあとしみじみ思いました。

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