「カラセン ～卒業～」

こっ恥ずかしめの携帯小説風



卒業生　～近藤千恵の話～


「あーー！久しぶり～！卒業式以来じゃない？

　なんかすでにすっごい前って感じだよね～

　ま、でも４、５、６、７だから・・・　４ヶ月か。何気につい最近なんだね。

　え～全然覚えてるよ～、式のことは大して印象に無いけど。

　案の上というかミヨコとマチコは超泣いてて予想通りだったんだけどね、

　ヨリまで泣いててなんかそれ見たら私も急に泣けてきちゃって。

　ほら、あのコそういう時、泣きそうに無いじゃん、それでなんかもらい泣き？

　自分でも意外だった～。


　え？辛島先生？忘れるわけないじゃん、６、７・・まだ４ヶ月だよ。

　え～、印象に残ってること？そりゃ～やっぱ修学旅行かな。

　ほら、修学旅行のちょっと前にうわさが流れて結構あの時はみんな

　驚いたじゃん。あたしもそれまで辛島先生の話って引き込まれるなぁって

　思ってたから、不倫で前の学校クビとかって、あたし的にはなんかがっかり

　だったっていうかさ～

　え、今でも不倫とか浮気とかってホントありえないし、あたしは無理だけど。

　だから修学旅行の夜に部屋で恋愛系の話で盛り上がってる時に、辛島先生が

　部屋に入ってきて、ミヨコとかカミちゃんが先生の話聞きたいとかって

　騒ぎ出したときは、え、あたし嫌なんだけどって思ってた。

　っつか、普通先生なら早く寝ろ～とか注意するよね～

　辛島先生、うちらの話に入ってきちゃってたし。普通に。

　で、ちょうどそん時はカミちゃんがハンド部のニシ君に

　コクるって決意してたから作戦会議してたんだよね。そういえば。

　辛島先生、うちらの話をすごい楽しそうにニコニコして聞いてた。

　で、カミちゃんに「うまくいくといいね」って言ったんだけど、そん時

　うちらみんな、なんかカミちゃんとニシ君、うまくいくような気に

　なっちゃったんだよね。

　ま、結局ニシ君には実は彼女がいたっていうオチだったんだけど。

　辛島先生に後押ししてもらうとなんか大丈夫なんじゃないかって気になるから

　不思議だよね。

　で、そん時あたしは好きな人がいて、でもなんか何をどうしていいのか

　わかんなくて、そんであたしに話を振られた時に、あたしはそのこと

　話すの嫌だったから、辛島先生に振ってごまかしたんだ～

　先生の初恋ってどんなだったんですかぁ？って。

　そん時の辛島先生の話を聞いて、また先生が好きになっちゃったんだよね～

　相手のことを好きなのに、その相手と一緒に出来ることが何も無いっていう

　自分をかみしめるのが苦しかったとか言ってた。

　なんかそれがそん時のあたしにはすっごくよくわかって、もっと話を

　聞きたいって身を乗り出しちゃった。

　先生は、その恋の時は相手と手をつないでるだけで、普通の毎日がうれしい

　って気持ちになれたとも言ってた。

　でも、その恋が終わって、その後も人を好きになって、それもいつか終わって

　って繰り返してると慣れていくけど、逆に愛には臆病になっていく・・

　みたいなこと言ってて、まだあたしにはそういうのわかんないけど、

　いつかわかるのかな？

　ってか、あたし思いっきり詳しく覚えてるよね、自分でもびっくり。

　え、でもなんで辛島先生なの？

　あの先生どうかしたの？」


～続く～