CINEMAとMOVIE?

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映画大好き、ごきげんな毎日・・・そして、やってきた猫の話

天童荒太・著「歓喜の仔」

2015-10-01 11:57:15 | 読書


≪あらすじ≫
暗い古いアパートの一室に暮らす、
植物状態の母親、17歳の誠、12歳の正二、そして幼稚園に通う6歳の香、
父親・信道は借金で一年前から失踪、

その筋の金融屋の取り立てに、ヤバい仕事をする長男と次男、
長男は朝早くから市場で働き、夜は中華屋で働き、
夜中は正二とふたりで薬のパケ作り、
正二は学校からは無視され続け、ただひたすら家に人が来ないことだけを目的とし、
寝たきりの母親の面倒を見ている、

香はあるときから、死んだ人が見えるようになり、
外国人の子どもたちが多くいる園で過ごしている、
何もかもに「くさい」と言う言葉がつながる
彼女にだけに父親が会いに来る・・

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

夜逃げしたにもかかわらず、借金の身代わり返済した金融屋に行政の不手際で居所をつかまれ、
追い詰められ、窓から転落した母親が入院し、
その後、好転しないまま退院、
薬の仕事をさせられながら、借金の返済を待つ兄弟、

誠に仕事をさせている組関係は裏切りもあるなかで、
彼の口の堅さは誰もが認めている、

福祉が入ることはそんなわけで避けている、
生活は労賃と差し引きで組が面倒を見ている、

・.・*・.・*・.・*・.・*・.・*

※ネタバレあります

父親のストーリーや、
母親のストーリーがつまびらかにされたり、

また兄弟には、
誠に好きな人ができたり、
正二に難民のルスランと出会って愛以上のものを見つけたり、
香はクラスメイトの遠く離れた刑務所に居る母親にところへ「群れ」で行ったり、

とそれぞれの物語が語られ、





で、最後ここは驚きでした、

香が見えていたお父さんは既に死んでいて、
そのお父さんを死なせたのは母親であって、
その現場を見た正二が押し入れの下を掘って埋めた、・・・と

だからなおさら人が来ることも嫌がったり、
引っ越しも出来なかったり、
香がお父さんが見えたり、
母のショックが大きくて病になったりと、

最後はつらいですね、

じゃあなんで「歓喜の子」だと?
誠は幸せに暮らしてた時、音楽が好きで、独唱とかしたり、
それが「歓喜の歌」
こどもたちが片寄せあって、でも強くて、愛情もあって、
スゴイよこの子たち、

天童荒太さん、骨太ですね、
誠が作った妄想の「外国の少年兵士リース」の話はちょっと飛ばし読みしてしまいましたが、

良かったですね、
最後まで読んで、
相変わらずとっても暗くて、キツくて、でも良かったです、
映像はダメですね
「家族狩り」「悼む人」も本では読めるけど、

「永遠の仔」が再び本を読みだすきっかけだったもんで、
天童さんのファンです、

しんどかったけど、やっぱり良かった












コメント
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