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サタン道

フリマ命!の中年オバハン愚痴日記。

死にたくなる時

2017-10-15 07:15:00 | Weblog
訪問介護の仕事をして5年目になりました。



どんな仕事でも人間関係でも 相性ってありますよね。



ヘルパーをしていても それを感じることが多く、仲良くなった利用者さんは わたくしを娘のように可愛がってくださいます。





今日は 最近起きた訪問介護での出来事を書きます。






90代の女性のお宅に通いはじめ、その方(Yさん)は腰の痛みでほどんど歩けない生活。



トイレに行くにも歩行器を使って移動し、食事中も2〜3回横になって休まないと起きていられない状態です。





もう3年は担当していますが、ゆるやかに体力が落ちており、以前より食事量も減りました。




Yさんは江戸っ子気質で わりとズバスバ言うほうなので、同じくズバズバなわたくしと気が合い、ノーストレス。



50歳近くも先輩の方に なんでも言えるなんて なんてラッキーなんだろうと感謝しながら楽しく働いています。




とにかく思ったことを すぐに伝えてくれるYさん、最近 愚痴をこぼすことが多くなってきていました。



常にある腰の痛み、トイレに着くまでに少しもらしてしまう、リハビリに行かなきゃだけど ホントは行きたいくない。。等。






毎回言うので ご家族の場合なら「またか、ハイハイ」となるのでしょうが、ヘルパーは聞くのも仕事ですし、他人だと不思議と落ち着けるものですね。




この仕事を初めてから 同じことを繰り返し話す利用者さんが とてつもなく多いので すっかり慣れました。(笑)




最初は「また同じこと言ってる。。」って思ったのですが、今では

「何度も何度も伝えたいほど その方にとっては大事なことなのだ」

と、理解し、ご本人が「しっかり伝えた、言い切れた」と落ち着くまで 何度でも聞くようにしています。





Yさんは とても話すのが好きな方で、わたくしが行くと掃除をしていようが ずぅ〜〜〜〜〜っとしゃべっています。(可愛い)




昔 裏千家の先生だったこともあり、わたくしが茶道をたしなむことを知ると ノンストップで茶道話。(笑)



食後には お抹茶をたててお出ししています。



そんな感じで どんどん仲良くなり「○○さん(わたくしの名前)だから言うけど。。」と打ち明け話もしてくださるように。







ほぼ寝たきりではあるものの、元気いっぱいのYさんだったので、当日もいつものように「こんにちは〜!」と挨拶して入室したところ、その日のYさんは違いました。





わたくしがベットに近づくなり、泣き出してしまったのです。




ビックリして事情を聞くと、

「昨日死のうと思ったが 死にきれなかった」

と言い、さらに大泣き。




理由については伏せますが、普通の状態の人なら「なんだ、そんなことか」と思えるような内容です。





でも今までも何年も24時間 腰の痛みに耐えてきたストレス、タイミング悪く色んな事が重なってしまった結果、

「もういやだ。死にたい。」

となってしまったのでしょう。




こんな状態では掃除どころではないので この日は とにかくYさんに寄り添い、話を聞いて すべて吐き出してもらいました。



ただ、こちらも「死にたい」と告白されて 危機感を感じたので 仕事中の娘さんに連絡したところ、娘さんには 以前からそうゆうことが何度もあるので大丈夫だ、と言われました。




とにかく落ち着いていただかないと仕事できないので 時間をかけて話していただき、落ち着いてきたところで

「どこの馬の骨だかもわからないわたくしに、打ち明けてくれてありがとうございます」

と感謝の気持ちを伝えました。





こんな重い話、他人に言うには かなり勇気のいることです。




ご家族の場合はやりあってしまい、よけいにヒートアップしてしまうこともあるもの。







他人のほうが話やすいこともあるのかもしれませんね。






わたくしを信用して すべてをさらけ出してくれたことは 本当に嬉しかったので 何度もお礼を言いました。





打ち明け話の最中にYさんが言った言葉は 今でも忘れられません。




「死にたい死にたい、って思っているうちは まだ余裕があるものなのね。

 本当に死のうと思ったけど、いざやろうとしたら怖かった。

 やっぱり死にたくない、って思ったの。」




これは、本当に死のうとした人からしか出ない言葉だと思いました。








それを聞いたわたくしも「この人は本当に死のうとしたのだ」と肌で感じ、実は本当に怖かった。。






思いとどまってくれたこと、こんなわたくしに打ち明けてくれたこと、とても嬉しかったです。。





とにかく気持ちをぶちまけて頂き、落ち着いてきたところで お茶の話など現実に戻れるような話をふって 

「もう大丈夫。落ち着いた。」

とYさんから聞けたところで退出しました。




その後 ご家族や事務所に報告。



ヘルパーは「いつもと違う様子や事故があったら すぐ報告すること」と言われているのです。






その後Yさんは いつもの調子に戻り、次に訪問した時にはケロリとしていました。(笑)







それにしても今回のことは わたくしにも衝撃でした。




Yさんの前では冷静に対処できたと思いますが、内心はドキドキでございました。。(涙)



そんな告白されたの初めてでしたから。






「人は極限まで追い込まれるとこうなるのだ」を体感した出来事でした。









誰だって死ぬのは怖いもの。









今回は 上手くできたと自分では思っていますが、一歩間違えば どう転んでいたかわかりません。



自分の言葉や行動で 他人の人生を狂わせることもあるのだ、と考えさせられました。。






ヘルパーを初めて まさかこんなことが起ころうとは思いもよりませんでしたが、いい経験になりました。




仕事のことだけでなく、家族や友達とのあり方についても考え、精進してゆきたいと思います。







@今回のブログを読んでくださった方の中には ご気分を悪くされた方もいらっしゃるかもしれません。

 父の入院もあり、最近「死」について考えることが多くあって このような内容になりましたこと、心よりお詫び申し上げます。