北海道で原発出前授業を行っている高校の先生がいます。その先生は偏向教育を行っているとして、道議会、道教育委員会、国会の文教委員会、自民党などから事情聴取を受けて、活動を妨害、威圧されることが起きています。教師が作成する授業計画書の提出も再三求められているようです。
教育の統制、反動化は国民が知らないところでどんどん進められていいます。そして、安倍、自民党政権の意向を受けた文部科学省の強圧的な指導監督で、教育の右傾化は戦争前のようになりつつあります。そのような中で、秘密保護法を使っての統制、弾圧が法的に行われれば、社会状況は戦前に回帰したかと思われるような状況になるでしょう。その彼らのどす黒い動きを告発し、彼らの野望を広範な国民に知らせ、進行を止めなければなりません。
そのことも今回の総選挙の焦点です。
<信濃毎日社説>秘密保護法 国民に無関係ではない
「情報漏えいの危険があるとして、身近な人がマークされる社会になりかねない」。特定秘密保護法の施行前夜、首相官邸前で開いた集会に参加した高校生が口にした不安だ。
秘密法は10日、施行された。特定秘密を扱う公務員らが漏らした場合や、相手の「管理を害して」秘密を取得した場合に最高で懲役10年が科される。取得が実行されなくても、話し合う(共謀)、そそのかす(教唆)、あおる(扇動)だけで最高懲役5年だ。報道に限らず、真実に迫ろうとする市民の活動は制約される。
一方で法の根拠を得た捜査機関の監視は強まる。行き過ぎがないかチェックするのは報道の責務だ。市民の目も大切になる。監視や捜査を主に担うのは公安と呼ばれる警察部門だ。戦前、国民の思想を取り締まった特高(特別高等警察)に代わる組織で、政党や政治・市民団体、労働組合などの情報を集めている。今は「警備課」を掲げる警察が多い。その活動は厚いベールに包まれているが、しばしば暴走ぶりが表に出てきた。
1986年、都内の共産党幹部宅の電話を盗聴していたことが発覚。2010年には都内のイスラム圏の大使館やモスク(礼拝所)に出入りする人を監視して金融機関への口座照会などを繰り返し、約千人の個人情報を集めていたことがインターネット上に流出した捜査資料で分かった。
最近でも、京都大との取り決めを無視してキャンパス内に入り、集会に紛れ込んでいたのが学生たちに見つかった。
公安警察は、秘密を扱って漏らす恐れがないか公務員らを身辺調査する「適性評価」にも関わる。行政機関は「公務所」などに照会して報告を求めるとの規定があり、政府は「公務所」に公安警察が含まれると国会答弁している。
調査対象は本人だけでない。その配偶者、父母、子供、兄弟姉妹、配偶者の父母にまで及ぶ。
安倍晋三首相は衆院解散を表明した直後のテレビ番組で「秘密保護法はテロリスト、スパイが相手で国民は全く基本的に関係ない」と言い切った。関係ないどころか、高校生が言うように「身近な人」が監視や調査の対象になる可能性はぐっと高まる。
自由にものが言えず、プライバシーも国家に把握される。今衆院選で問われるべき社会の姿だ。