“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

社会保障制度を守れ

2014年12月02日 12時02分07秒 | 臼蔵の呟き

<信濃毎日社説>衆議院 社会保障 確かな展望を聞きたい

 濃い霧が立ちこめたかのように、先行きが一段と見えにくくなってしまった。消費税の増税と一緒に進められるはずの社会保障制度の改革である。

 増税延期を安倍晋三首相が表明し、「社会保障と税の一体改革」は事実上棚上げされた。増収分を前提にしていた社会保障の充実策は、財源の確保が難しくなる。

 最大の柱である子育て支援の新制度について安倍首相は、予定通り来年度から実施すると強調している。保育の受け皿を増やし、2017年度に待機児童をなくす目標も下ろさないという。

   <増税延期の影響で>

 新制度は、待機児童の解消以外にも子育て環境を改善する幅広い支援策が並ぶ。全体で1兆円余の財源が必要だ。そのうち7千億円を、消費税を10%に上げた増収分から充てるとしていた。不足する財源をどの程度確保できるのか、何にどれだけ配分するか、見通しは立っていない。

 年金制度では、受給額が少ない高齢者に月5千円を支給する「年金生活者支援給付金」の創設と、受給に必要な加入期間を25年から10年に短縮することが予定されていた。低年金、無年金の人たちを支える手だてだが、いずれも先送りされる可能性が高い。

 ほかにも、見通しが不透明になった施策は多岐にわたる。国民健康保険への財政支援拡充、低所得者の介護保険料軽減、在宅医療・介護の連携強化…。

 増税を延期するなら、同時に、社会保障の改革はどうするのか、道筋を明確に示す必要がある。それをせず衆院を解散した安倍政権は無責任のそしりを免れない。

   <安心が置き去りに>

 年金、医療など社会保障の給付費は、急速に進む高齢化に伴って膨らみ続けている。14年度は115兆円を超え、25年度には149兆円に達する見込みだ。国庫負担が増す中、借金を重ねて次世代へ負担を回してきた。国の債務残高は1千兆円を超える。

 その状況に歯止めをかけ、消費税の増税で社会保障の財源を確保しようと、民主、自民、公明3党が一体改革に合意したのは12年。増税する5%分の14兆円はすべて社会保障に充てる、とした。

 ただ、新規施策に使うのは2割(1%分)の2兆8千億円に限定された。財政再建に主眼が置かれ、残り8割は制度の維持と赤字財政の縮小に回すことになった。

 それでも追いつかないからと、負担増や給付の絞り込みが進む。介護保険では、利用料の自己負担を、一定の所得がある人は2割(現在は一律1割)に引き上げることが決まっている。

 介護度が比較的軽い「要支援」の人の訪問・通所介護は保険サービスから切り離され、市町村の事業に移る。特別養護老人ホームへの入所は原則「要介護3」以上の人に限られることになった。

 厳しい財政下で制度を維持するためだと言って、高齢者や家族の安心が置き去りにされていかないか。介護を社会で担うという理念が崩れかねない心配がある。

 年金も心もとない。とりわけ国民年金(基礎年金)が気がかりだ。厚生労働省が6月に公表した財政検証によると、今後30年で給付水準は3割ほど下がる。

 国民年金のみの高齢者は既に800万人を超え、平均受給額は月5万円ほどと少ない。高齢化が進み、給付水準が低下すると、多くの人が年金で生活できなくなり、制度が意味を失いかねない。

 保険料未納者も4割近くいる。非正規労働者の増加が主な要因だ。未納と別に、低所得で納付を免除される人も多い。将来、無年金や低年金になり、生活保護受給者が大幅に増える可能性がある。

   <厳しい現実踏まえ>

 経済構造が大きく変化して雇用が揺らぎ、格差や貧困が深刻化している。高齢化の一方、少子化で「支え手」は減っていく。雇用の安定化を図るとともに、社会保障制度の立て直しが欠かせない。

 自民党は公約で、自助・自立を第一に共助と公助を組み合わせて持続可能な制度を構築するとしている。だが、貧困世帯や単身高齢者の増加などで自助の基盤が崩れていないか。

 民主党がかねて掲げる年金制度の一元化や最低保障年金の創設は、財源の手当て、所得の把握をどうするかが不明確なままだ。ほかの各党の公約も総じて、改革の具体像や道筋が見えにくい。

 県内有権者を対象にした世論調査で、投票の際に最も重視する政策として「年金・医療など社会保障」を挙げた人は34・7%と最多だった。関心の高さは、将来への不安の裏返しでもある。

 世代を超えた支え合いの仕組みをどう再構築し、暮らしの安心を確かなものにしていくか。財源は消費税で確保するしかないのか。各党、候補者は目指す社会像を示し、厳しい現実を踏まえた改革の進め方をしっかり語るべきだ。


衆議選公示 憲法改正 正面から問え 沖縄に犠牲強要するのか

2014年12月02日 09時57分56秒 | 臼蔵の呟き

<琉球新報社説>衆議選公示 憲法改正 正面から問え 沖縄に犠牲強要するのか

 第47回衆院選が2日公示される。14日の投開票だ。
 2009年の政権交代、12年の政権奪還をわれわれは経験した。その成果と不首尾を総括すべきときだ。だが前2回に比べ有権者の関心が薄いと懸念されている。政治家が公約をほごにし、公約にないことを実行したことで、政治との距離が増したのではないか。
 公約を基に投票先を選び、政権党はその公約を守り、有権者が選択した未来を実現する。それで初めて国民は主権を実感するのだ。本来の主権者たる国民の手に政治を取り戻すため、候補者には公約の明示と実行の確約を求めたい。

 4年の猶予

 今回の選挙で真っ先に問われるべきは憲法改正の是非、なかんずく9条改正の是非である。
 この総選挙で自民党が勝利すれば、来秋の同党総裁選で安倍晋三首相が再選されるのは確実だ。総裁の任期は3年で、任期が切れるのは2018年秋だ。今から4年の猶予がある。安倍氏の宿願は祖父の岸信介氏もできなかった憲法改正と聞く。就任2年で集団的自衛権行使容認の解釈改憲を実行した首相のことだ。4年もあれば確実に憲法改正を実行するだろう。
 憲法改正は国の根幹の変更である。それなら最優先で争点にすべきだ。首相は、任期中に改憲を提起する可能性があるなら、その条項を具体的に明示し、国民の審判を仰ぐべきだ。あいまいなままで選挙を終え、「信を得た」として改憲に至るのは許されない。
 前回総選挙で自民党は憲法改正を掲げたとはいえ、公約に「集団的自衛権行使容認」の文字は無かった。解釈改憲もまた「国のかたち」を根底から変えるものだ。本来なら今夏の閣議決定の際に解散し、信を問うべきだった。
 とはいえ、その関連法案の整備はこれからで、来年の通常国会で審議されるはずだ。それならこの選挙でその是非を論ずべきだ。
 アベノミクスの成否について各党の見解は分かれる。確かに雇用総数は増えたが、増えたのは主に非正規だ。株価も上がったが、有価証券を持つ世帯は17%にすぎず、恩恵にあずかるのは一部だ。デフレ脱却は実現しつつあり、賃金も上昇した。だが物価上昇率は賃金上昇率を上回っており、実質所得はマイナスである。
 解雇しやすくする特区の新設や「残業代ゼロ法案」(日本型新裁量労働制)も取り沙汰されている。今後4年で上程されそうなこれらについても議論すべきだ。
 原発再稼働の問題も忘れてはならない。各党は堂々と論戦し、その是非を正面から問うてほしい。
 
 構造的差別
 
 各党に何より問いたいのは、沖縄に米軍基地の過重負担を押し付け、犠牲を強要する「構造的差別」を、今後も続けるか否かだ。
 今回の唐突な解散は女性閣僚起用の失敗が要因と評されるが、沖縄知事選での自民党敗北を覆い隠す趣も感じられる。だが沖縄の民意を正面から受け止めるべきだ。
 ことは米軍普天間飛行場の辺野古移設の是非にとどまらない。移設を容認した知事は現職としては前代未聞の大差で惨敗した。地元の市長も新知事も明確に反対を掲げて当選した。民主主義的手続きで示されたこの圧倒的民意を政府が無残に踏みにじるのなら、まさに「構造的差別」に他ならない。
 いや差別ではない、と言うかもしれない。だが例えば、この県に原発が既に数基あるからといって、知事も市長も明確に反対しているのに、政府が原発建設を強行できる所があるだろうか。
 問われているのは、日本が一地域を差別して恥じない国であるのか、民主主義を重んじる国であるのか、という根本なのである。
 自民党だけではない。知事選を経てもなお、辺野古移設を意味する「日米合意推進」を掲げる党が何と多いことか。各党は論戦を通じてその行き詰まりに気付き、日米関係の新しい地平を切り開く方向に早急に転じてもらいたい。

 

 


いよいよ総選挙 13日間の闘いです。

2014年12月02日 07時52分29秒 | 臼蔵の呟き

いよいよ、安倍政権に対する審判を下せる総選挙が公示されます。マスコミ以外は選挙といった雰囲気は全くありません。その意味では、選挙民としての関心がなかなかもてない弱点はあります。そんな悪条件を乗り越えて、安倍と自民党、公明党の悪政、暴走を止める選挙です。

<東京新聞>集団的自衛権行使容認の是非、経済、原発が争点 告示

 第47回衆院選は2日公示され、14日の投開票に向けて12日間の選挙戦がスタートする。安倍晋三首相(自民党総裁)の経済政策「アベノミクス」に加え、集団的自衛権の行使容認や原発再稼働問題など「安倍政治」に対する審判となる。公示前勢力で半数を大きく上回った「1強」自民党に民主党や維新の党などの野党が対抗する。9党が候補者を擁立予定。全国295小選挙区と11ブロックの比例代表の計475議席を1180人超が争う。

 衆院選は自民党が政権を奪還した2012年12月以来。過去2回の衆院選では政権が交代した。首相は与党の過半数(238議席)獲得を勝敗ラインと設定する。


大学脅迫は許されない!

2014年12月02日 05時56分27秒 | 臼蔵の呟き

脅迫、暴力による思想信条の自由、大学の自治が脅かされる問題を放置してはならないと思います。そのことは当事者、当該の大学だけの問題ではないことも確かです。しかし、右翼による脅迫、暴力に当事者が断固として拒否し、反撃することなくして全国的な運動は存在しません。

安倍、自民党極右政権の犯罪的役割は、このような右翼による暴力、脅迫を野放しにし、民主的な運動、識者への攻撃を意図的に誘導している点です。それこそが彼らが願う狙いそのものです。そのような政治姿勢を感じ取り右翼的潮流が増長しつつある社会状況を批判し、包囲する必要があります。彼らは、自らの主張を科学的、論理的に組み立て、論証できないからこそ暴力、脅迫という手段に訴えるのでしょう。ナチスヒトラーがデマ、宣伝により、当時のドイツ共産党を弾圧し、自らの政敵を謀略により暗殺、弾圧することをこの日本で再現させてはなりません。

毎日新聞メディア時評 大学脅迫問題 問われるのは覚悟

  北星学園大学教授 阪井宏(ジャーナルリズム倫理)

 朝日の慰安婦報道にかかわった元記者が教壇に立つ大学が、相次いで脅迫を受けた。脅されたのは、帝塚山学院大学(大阪狭山市)と、私の勤める北星学園大学だ。両大学は今春以降、文書、電話、メールで脅迫を受けた。「辞めさせなければ、学生に痛い目に遭ってもらう」と学生への危害をほのめかす文書もあった。

 問題が表面化してから、各紙は社説でこの脅迫行為を非難した。「暴力は、許さない」(10月2日朝日)、「看過できない卑劣さ」(同3日毎日)、「言論封じを狙う卑劣な行為だ」(同3日読売)などの見出しが並んだ。

 帝塚山の元記者は自ら辞職した。北星は当初、脅しに屈しない姿勢を示した。全国から応援の声が寄せられた。市民団体「負けるな北星!の会(通称・マケルナ会)」が東京と札幌で生まれた。大学教員、ジャーナリスト、弁護士らが名を連ね、学生5000人足らずの私大がにわかに注目の的となった。しかし10月31日、学長が元記者の本年度での雇い止め方針を表明すると、空気が変わった。報道には弱腰の大学を嘆くかのようなニュアンスも漂う。

 毎日は今月8日、全国の弁護士380人が脅迫の容疑者を本人不詳のまま刑事告発するという動きを社会面準トップで取り上げた。地元紙はマケルナ会のシンポジウムを紹介し、「大学が間違った選択をしないよう応援する」との北大教授の発言を伝えた。

 ありがたい応援である。ただ、この事件は北星だけの頑張りで済む話ではない。あらゆる組織が、いつ何時、同様の脅迫によって活動を阻害されるかも分からない。ところがそんな事態の深刻さが報道からは伝わってこない。

 志ある大学教員に提案したい。自らが勤務する大学に、元記者を講師として招く授業をぜひ検討してほしい。マスコミ各社にもお願いしたい。多彩なカルチャー講座の一コマに、元記者を呼んではどうか。市民の方々にも問いたい。集会所の会議室を借り、元記者と語る手があるではないかと。

 自らのフィールドでテロと戦う。その決断は口で言うほどたやすくはない。単独ではきつい。しかし、大きなうねりとなれば話は別だ。元記者を招く動きが全国に広がれば、脅迫者は的を絞れない。

 この国の民主主義を人任せにしてはいけない。試されているのは我々一人ひとりの当事者意識と覚悟だろう。(北海道支社発行紙面を基に論評)