他国の政治制度を、論じることがあったとしても、その国の政治、制度は当事者である国民が、議論し、社会制度として作り上げない限り、制度は定着せず、安定した社会は築くことは出来ません。
テロに対しては武力攻撃、一国の軍事力を行使する異常な国アメリカにとってはインターネットを遮断するくらいは朝飯前なのかもしれません。北朝鮮内部における権力構造、独裁的な政治構造は、外部から見ても問題です。しかし、当事者である国民が、考え、行動し、国の未来を選択できるようにしなければなりません。それは平和的な手段、情報提供、協議によってしか可能とはなりません。
<韓国:中央日報>北朝鮮のインターネットを遮断すれば報復なのか
映画『インタビュー』を制作したソニーピクチャーズに対するハッキングに続き、北朝鮮のインターネットがダウンし、米国の報復措置なのかどうかに関心が集中した23日。米国務省の定例会見。やはり記者から北朝鮮関連の質問が多く出された。その中のひとつは次のようなものだ。
質問=「元当局者が北朝鮮にインターネットを提供することがはるかに強力な報復であり抑制のシグナルだと言ったがどう思うか」
ハーフ国務省副報道官=「われわれは多くのオプションがある。何が入っていて何が抜けているかは明らかにしない」
北朝鮮のインターネットがダウンしたことをめぐり、だれの作品なのかを突き詰めるのを見るとおかしなことこの上ない。米国務省の会見室で出た質問を直接的に変えてみよう。北朝鮮のインターネットをダウンさせるのが果たして報復なのか?
ニューヨークタイムズやワシントンポストなどが一斉に指摘した通り、北朝鮮のインターネットがダウンしたところで北朝鮮の一般住民に及ぼす影響は微小だ。ニューヨークタイムズによると、北朝鮮のIPアドレスは1024個にすぎないが、これはニューヨークの各ブロックに割り当てられたIPアドレスよりも少ない。外部世界との接触を極度に統制する北朝鮮でインターネットはごく少数のエリートと対南・対外宣伝部署、そして平壌(ピョンヤン)にあるハッカー養成所の美林大学でアクセスが可能だろう。なぜそうなのかは米国メディアより韓国の国民の方がよく知っている。外部世界は北朝鮮にとって「資本主義の遊び人風」であるためだ。それならインターネットを極度に遮断する北朝鮮でインターネットをダウンさせるのは報復ではない。北朝鮮はインターネットがなくても生きていける国だ。米国のインターネット専門家らが「米国政府がこうしたわかりきった攻撃をするわけがない」と主張する背景もここにある。
オバマ米大統領は17日にキューバとの国交正常化を発表し、「キューバが自国民にインターネット接続を拡大することにしたことに対し歓迎する」と明らかにした。オバマ大統領は、「私は情報の自由な流通を信じる。そこで米国とキューバの間のテレコミュニケーション連結を拡大するよう承認した」と強調した。
ジョンズホプキンス大学国際大学院のジョエル・ウィット研究員が明らかにした通り北朝鮮とキューバは「リンゴとオレンジぐらい」違う。国際社会に参加するスタイルも違う上に北朝鮮の核のために中身まで違う。だが、インターネットに関する限りキューバと北朝鮮に対する措置は違うはずがない。インターネットに象徴される外部世界と北朝鮮の接触を広げるのが北朝鮮のドアを開ける方法であり、統一に備え南北間の心理的格差を減らす道だ。北朝鮮は韓国と全世界を相手にサイバー戦を行っているが、視野を広げてみればインターネットには無限大の対北朝鮮サイバー戦士がいる。例えば韓国の「最高尊厳」を心置きなく批判する無数のコメントが北朝鮮住民の考えを揺さぶる「サイバーMD」(北朝鮮ミサイル防衛体系)だ。北朝鮮のインターネットを切断してみたところで得るものは特にない。
チェ・ビョンゴン(ワシントン特派員)