“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

解散風

2014年11月14日 15時19分18秒 | 臼蔵の呟き

<北海道新聞>

仏教用語に、風になぞらえた「八風(はっぷう)」という言葉がある。人間の修行を妨げる四順(しじゅん)(利益、名誉、称賛、楽しみ)、四違(しい)(衰え、不名誉、中傷、苦しみ)を指す。修行の身でなくても思い当たることばかりだ。さて、国会で吹き荒れる解散風はどれに当てはまるのか▼衆院の解散は首相の専権事項である。政界では有無についてのうそは暗黙の了解という。安倍晋三首相は「タイミングは決めていない」と述べていたが、月内にも解散との報道も出ている▼思い出されるのは、安倍首相の大叔父で、首相として戦後最長の在任記録をつくった佐藤栄作氏の言葉である。<内閣改造をするほど総理の権力は下がり、(衆院を)解散するほど上がる>▼安倍首相は、先の内閣改造で起用した2人の女性閣僚を、「政治とカネ」の問題などで失った。この失敗を大叔父の言葉にならって、解散で取り返そうとしているようにも映る▼確かに不評の消費税再増税を先送りし、野党の準備が整わないまま選挙になだれ込めれば、有利なのかもしれない。が、解散はアベノミクスの行き詰まりや閣僚不祥事を隠すためとの批判も根強い。リセットしたところで、上昇気流に乗れるかどうかは疑わしい▼「八風」に「不動」を付けた格言がある。風に流されて、大局を見失うなという教えだ。求められるのは、国会の嵐を“コップ”の外から冷静に見つめる目だろう。


日銀の追加金融緩和は間違いだ

2014年11月14日 14時00分00秒 | 臼蔵の呟き

エコノミストの中でも正反対の見解が論じられています。実体経済に身をおき、日々生活している国民から見れば、加藤出氏の見方は正しいと思います。国債、国の借金を中央銀行が肩代わりするような政策が正しいはずがありません。また、歴史の教訓、戦時資金の調達を国債に負わせ、ハイパーインフレで国民生活を窮乏のどん底に落とした旧日本軍、旧天皇制政府のでたらめな財政政策の教訓として、中央銀行の独立確保、国債の日銀購入を禁じたことを見れば明らかです。

<毎日新聞論点>日銀の追加金融緩和

 日銀が10月末、電撃的な追加金融緩和に踏み切った。市場に驚きが広がり、急激な株高と円安が進行した。4月の消費増税後、日本経済が停滞し、アベノミクスが正念場を迎える中、追加緩和は景気をてこ入れできるのか。

□「成長なし」現実勅旨を 加藤出・東短栄サーチ社長チーフエコノミスト

日銀の追加緩和は株式市場や為替市場にとってはサプライズとなり、株高と円安を演出することには成功した。しかし、金融緩和はあくまで「痛み止め」に過ぎない。それだけで経済成長は実現できないという現実を、政府・日銀は直視すべきだ。

 日銀が現在採用している金融政策は、人々の期待に働きかける効果に重きを置いている。「物価上昇率を2%にする」という日銀の説明を皆が信じれば、企業や消費者は物価上昇を前提に行動するようになり、おのずと物価は上がっていく−−というものだ。半面、「期待」をつなぎ留めるには、実際には政策効果が薄れていても「うまくいっている」と強弁し続けるしかない。今回も黒田東彦総裁は追加緩和直前まで「物価は想定通り上昇する」と国会などで明言しており、市場との対話や国民への説明責任という面でも課題を残した。

 ◇借金穴埋め懸念

 金融政策で時間を稼いでいる間に、政府による財政政策や成長戦略で経済成長を促すのがアベノミクスの狙いだ。だが、経済が十分に浮上する前に昨年春に打った大規模金融緩和という「痛み止め」の効果が薄れ、再び薬に手を出したというのが、今回の追加緩和だ。しかし、新たな痛み止めは二番煎じに過ぎず、最初に打った薬ほどの効果は期待できない。むしろ投薬を重ねたことで、追加緩和の弊害はより大きくなった。

 最大の問題は、日銀が大量の国債を買い支えることで、政府の借金が増え続ける危険性を実感しづらくしていることだ。黒田総裁は追加緩和に「消費再増税を予定通り実施してほしい」という政府へのメッセージを込めたはずだ。だが、追加緩和で痛みが薄らぎ、財政再建を多少遅らせても大丈夫だという緩みが生じる余地が拡大した。「増税を促す」という狙いが裏目に出る恐れがある。

 日本の財政赤字は欧米に比べ突出している。日銀が大量のお金を刷って国の借金を穴埋めしている状況が強まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)のように今後、国債の買い入れを縮小して、金融緩和からの「出口」を探ろうとすれば、金利上昇などを通じた大きな摩擦は避けられない。緩和規模が拡大するほど摩擦は増し、「出口」は難しくなる。財政ファイナンス(中央銀行による国の借金の穴埋め)は政府・中央銀行にとって禁じ手だ。日本への信認が失われれば、資産の海外流出など日本経済が根幹から揺らぎかねない。日銀政策委員9人のうち4人が追加緩和に反対したのも、こうしたリスクを懸念したためだろう。

 日銀が追加緩和で打ち出した上場投資信託(ETF)の買い入れ規模の拡大も問題を抱えている。ETF購入は株価上昇に直結するため、効果が高いようにも見えるが、実態は中央銀行による株価操作に近い。日銀がETFの購入規模を減らせば、株価下落を招く。大量の株式を持つ日銀も損失の恐れを抱えることになり、やはり「出口」が極めて見えにくい政策と言わねばならない。

 日銀執行部はなぜ追加緩和を急いだのか。日銀が追加緩和と同時に発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2015年度の消費者物価指数の上昇率(生鮮食品、消費増税の影響を除く)見通しが1・7%にとどまり、15年春までに2%という日銀の公約実現が事実上、不可能なことが明らかになった。せめて強気の姿勢だけでも見せ続けなければ政策効果が失われてしまうとの危機感があったのではないか。

 ◇物価目標見直せ

 しかし、日銀は2%目標の早期実現という戦略を見直すべき局面にある。日銀の想定通り物価が上がれば、消費増税の影響も含めて3年間で物価が9%以上急騰することになる。企業業績の改善に伴う賃上げペースをはるかに上回るスピードであり、消費は大きな打撃を受ける。急激な物価上昇は経済にマイナスだ。

 成長戦略が具現化するには時間がかかる。日銀はもっと腰を据えて物価上昇を促し、その間に政府や民間が経済成長に向けた取り組みを強めるというアベノミクスの原点に立ち返るべきだ。サプライズ緩和という「奇襲」は何度も使える手ではない。

 ◇円安・株高、効果は高い−−嶋中雄二、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所長

 日銀は絶妙なタイミングで追加緩和に踏み切った。サプライズを伴ったため、急激な円安・株高が起こるなど初期効果が非常に高く、人々のデフレ脱却への期待をつなぎ留めることに成功した。原油価格の低迷長期化などの特殊要因がなければ、日銀が目指す2%の物価上昇率は2015年度に達成されるとみている。

 ◇賃金上昇も期待

 追加緩和の約2週間前に書いたリポートで、私は日銀に速やかに追加緩和すべきだと説いた。天候不順や消費増税の影響が重なり、日本経済が「ミニ景気後退」の様相を呈していることや、原油急落で消費者物価指数の上昇率縮小が続くことが予想され、日銀の物価目標達成が不確実になったことが理由だ。黒田東彦総裁は、13年4月から2年程度での目標達成を約束している以上、期限を延ばしたり目標水準を下げたりするのではなく、達成に努力している姿を示し、説明責任を果たすべきだと判断したのだろう。黒田総裁は否定しているが、政府に消費再増税を促す意図もあったとみている。

 私は昨年3月、資金供給量(マネタリーベース)をどのくらい増やせば物価上昇目標を達成できるか試算し、年35〜40%程度の伸び率に安定させればよいとの結論を得た。追加緩和により、15年末は、14年末の当初予定残高から最大35%の伸びになり、効果が十分期待できる。

 しかも効果は持続する。米連邦準備制度理事会(FRB)が10月末、資金を大量に供給する量的緩和策を終了し、今後は米金利の上昇が見込まれる。一方、日銀の追加緩和により、日本の金利は低落状態が続くと予想される。ドル買い・円売りが強まり、円安とそれを好感した株高の流れが当面続くだろう。

 株高は株式保有者の消費拡大を促し、企業の生産増加につながる。株高で恩恵を受けるのは株を持つ富裕層だけという指摘があるが、生産拡大や保有株の価格上昇で企業収益が押し上げられれば、そこで働く人の賃金が増える効果も期待できる。

 生産が増えれば設備投資や雇用も増える。低金利も設備投資を後押しする。新規求人数が増える中、人手不足を背景に賃金は上がり、さらに消費が増え、生産が拡大するという好循環が続くだろう。日銀は不動産投資信託なども買い増すので、不動産や住宅投資の拡大も見込める。

 日銀の金融緩和で物価が上昇しても「賃金は増えず、家計の負担が増す」という批判は根強い。確かに消費税率が5%から8%に上がった分、家計の負担は増しているが、来年の春闘では、足元の好調な企業収益が賃上げに反映されるはずだ。今は過渡期であり、賃金上昇は物価上昇に次第に追いつくだろう。

 追加緩和で円安が一段と進み、地方や中小企業を中心に輸入原材料の価格高騰を懸念する声も多い。しかし、原油価格は下落しており、円安でもガソリン価格は下がっている。もちろん企業の規模や業種、地域によってマイナス面はあり、負担の大きい中小企業などへの対策は必要だが、現状程度の円安はトータルでは日本経済にとってプラスといえる。

 ◇観光立国で成長

 政府は円安と共生する成長戦略を推進すべきだ。地方を潤す最大の可能性を秘めているのは観光立国だ。私たちの試算では、円安が10円進むと訪日外国人が39万人増える。ビザの緩和や消費税免除の対象商品拡大も追い風となって、全国各地に格安航空会社(LCC)や客船で外国人観光客が訪れており、地方の重要な景気刺激策となっている。円安が定着すれば海外移転した工場が国内回帰する可能性もある。

 野田佳彦前首相が衆院解散を宣言した12年11月14日と比べて、日経平均株価は倍近くになり、労働者1人当たりの現金給与総額の増減率もマイナスからプラスに転じた。アベノミクスは成功していると言える。金融政策の正常化が困難になるとの指摘もあるが、米国はリーマン・ショック後の大規模な金融緩和を3回縮小しても、一度も景気後退になっていない。日銀は上昇率2%の物価安定目標を達成するまで、大規模な金融緩和を続けるべきだ。


原発損失 料金上乗せ 自由化後の中間案、経産省提示

2014年11月14日 12時06分36秒 | 臼蔵の呟き

どこまでも国民を馬鹿にし、利益は電力会社、損失と事故による費用は利用者、国民と言う全く国民をバカにした計画には呆れるばかりです。

<東京新聞報道>原発損失 料金上乗せ 自由化後の中間案、経産省提示

 経済産業省は十三日、原子力政策について話し合う有識者会議「原子力小委員会」を開き、今後の方針をまとめた「中間整理案」を提示した。電力事業が自由化された後も国が原発事業による収益を保証し、損失が生じる場合は電気料金に上乗せできるようにするなど、原発優遇策の必要性を盛り込んだ。詳細は年明けから詰める。大事故が起きた場合の国と電力会社の責任をめぐる議論は進んでいないが、国民負担を増やす議論は着々と進んでいる。

 優遇策は八月に委員会に示された英国の制度を参考にした。国の認可制度の下、電力会社が原発などの発電費用を全て回収できるよう設定できる総括原価方式の撤廃後も、日本の政府と電力会社が原発の建設費や使用済み核燃料の処分など、全ての費用を基に電気の価格を決定、損失が生じたら電気料金に上乗せし回収して穴埋めできるようにする。

 さらに計画より早く原発を廃炉にする場合の費用負担も電気料金などに転嫁、原発を持つ電力会社が損をしないようにする。

 このほか「中間整理案」には、原発が廃炉になった場合の立地自治体への財政支援や、実現のめどが立たずに国民負担が増え続けている核燃料サイクル(再利用)計画、高速増殖炉「もんじゅ」の実用化を目指す方向なども盛り込んだ。

 電力自由化後、電気料金は二〇一八~二〇年をめどに総括原価方式が廃止され、小売り会社が自由に決められるようになる。経産省がモデルにした英国では、料金競争で火力発電が安くなり、高コストの原発は担い手がいなくなるため、優遇制度を導入した経緯がある。

 日本でも原発が割高だという民間の試算は多いが、政府は「原発は安い」という公式見解を変えておらず、優遇策の導入と矛盾する。

 また、国民負担を増やす議論が進む一方で、大事故が起きた場合の賠償責任の在り方など、原子力政策の責任をめぐる議論は進んでいない。

◆無責任体質そのまま

 経済産業省が示した原子力政策をめぐる中間整理案は、原発についての国や電力会社の無責任体質を放置したまま国民負担を増やし、原発を維持する姿勢を明確に打ち出した。さらに中間整理案は、国が「安い」と言い続けてきた原発が本当は高コストだと認める形にもなっている。

 政府は原発によって一キロワット時当たり最低八・九円で電気をつくることができるとして「ほかの電力と比べて安い」との主張は変えず、これを再稼働を進める根拠の一つにしてきた。本当に安いなら自由化後も電力会社が原発による発電に参入するはずで、優遇策が必要な理由が成り立たない。

 さらに国民負担を増やす議論が進む一方、原子力政策をめぐる国と電力会社の無責任体質は変わっていない。

 国会は、原子力損害賠償法を二〇一二年八月までに見直し、あいまいになっている国と電力会社の責任をはっきりさせると決議。だが具体策についてはいまだに議論中だ。経産省は九州電力川内(せんだい)原発を再稼働するために鹿児島県に「万が一の事故の場合は国が責任を持って対処する」とする文書を渡したものの、宮沢洋一経産相は十一日の記者会見で「責任は一義的には事業者(電力会社)にあるというのが法律上の規定だ」とぼかした。

 原発を再稼働する場合に三十キロ圏内にある自治体の同意が必要かどうかも国と自治体、電力会社の思惑はばらばら。東京電力は国会で「必要」と答えたが、同意が必要な関係者を増やすと再稼働のハードルが上がるため、政府がこれを打ち消すという無責任な対応が続いている。

 原発再稼働のために国民負担を増やす議論は着実に進むが、だれが原発に対して責任を負うのかという根本的な議論は三年前から一歩も進んでいない。 


米中首脳会談 G2では仕切れない

2014年11月14日 05時43分04秒 | 臼蔵の呟き

政治経済の分野にアメリカ、中国の規模、影響力はぬきんでていることは確かです。だからといって、この二カ国が世界に君臨し、支配的な力を行使することが正しいのかと言えば、そうではありません。また、そのようなことを他国が望んでいるわけでもありません。スペイン、イギリス、アメリカが経済力を背景とした圧倒的な軍事力で、世界ににらみを利かせてきた時代は終了しようとしています。この歴史の進歩はある意味で当然であり、道理でもあるのだと思います。

紛争を話し合いで解決する国家関係を原則とする時代を作り上げることで、一国が世界に君臨し、支配的な力を誇示することは政治的な意味を持たなくなるはずです。現在は、国連がありその国連が紛争を話し合いで解決することを原則とし、機能するようにすることで、軍事力の行使を中止することが可能なはずです。経済力がある国家は、国連への拠出額を増やし、国際機関の役割と活動をより活発化することに貢献すべきです。中国、アメリカがそのような国になることで各国から尊敬されるならば大いに歓迎すべきことです。

<毎日新聞社説>米中首脳会談 G2では仕切れない

 北京で開かれた米中首脳会談は偶発的な軍事衝突を回避するための信頼醸成措置導入や温室効果ガスの排出量削減などで合意した。両大国が協力分野を増やし、摩擦を減らすことはアジア・太平洋地域の安定や繁栄にとって好ましいことだ。

 しかし、これに先立つアジア太平洋経済協力会議(APEC)では米主導の経済秩序に対抗する中国の動きが目立った。日米抜きで設立を進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に続き、インフラ整備を支援する独自の「シルクロード基金」の創設を打ち上げた。

 さらにホスト国としてアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の早期実現を盛り込んだ首脳宣言をまとめ上げたが、日米が主導し、北京で首脳会合が開かれた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に対抗する狙いが濃厚だった。

 世界第2位の経済大国になった中国が豊富な資金力を使って経済的な影響力を拡大しようとすること自体は理解できる。しかし、中国では法治が定着せず、商慣行も不透明だ。その振る舞いには懐疑的な目が向けられている。

 中国は昨年来、東シナ海で独自の防空識別圏を設定し、南シナ海ではベトナム沖での石油探査作業を強行するなど海洋進出の動きを強めている。これも既存の国際秩序や国際法に挑戦するような行動だ。

 習近平中国国家主席はオバマ米大統領に「新型大国関係」の構築を提唱している。対等な大国として渡り合いたいという自尊心も背景にあるのだろう。しかし、覇権を争うような姿勢は「新型」とは程遠い。米中だけで世界を仕切ろうとするG2論が通用しないことも自覚すべきだ。

 米国には中国が既存秩序を尊重しながら、国際社会に関わっていくように働きかける責任がある。中国の自尊心への配慮も必要だろうが、力を誇示するような動きにはノーを貫くべきだ。日本など同盟国もこれを支える必要がある。

 会談では西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱対策やイラク、シリアで活動する過激派組織「イスラム国」の脅威抑止での協力でも一致した。中国が温室効果ガスの削減に初めて言及したことを含め、「大国の責任」を積極的に果たそうというなら歓迎できる。

 習主席は関係が悪化していた日本の安倍晋三首相やベトナム、フィリピン首脳とも顔を合わせた。中国の挑発的な行動に国際社会からの批判が強まったことへの反省もあるのだろう。「APECブルー」と呼ばれた北京の青空と同様、ホスト国として見せた各国との協調姿勢を一過性のものにしてはならない。