アメリカによる政治的圧力を受けて、民主党政権が譲歩、後退しました。自公政権時代からアメリカ牛肉育成、生産、BSE検証の仕組みはなんら変更されていません。何を持って輸入規制緩和を判断し、行ったのでしょうか。TPP協定、交渉がいかに日本社会に有害かを立証するような輸入規制緩和措置です。
内橋克人さん、フランス人スーザン・ジョージさんがWTO的価値観の世界の前途の待つものとして、指摘しています。その指摘どおりの民主党政権の対応です。
「公共サービスを弱体化あせるか、もしくは破滅させる。小規模農業の従事者を破滅に追い込む。社会的既得権を脅かす。すでに定着している国際法を破る。すでに不利な状態に置かれている国々を、よりいっそう不利な状態におくことになる。」「文化を同質化する。環境を荒廃させる。実質賃金や労働基準を低下させる。市民を保護する政府の能力や、政府に保障を求める市民の能力を格段に低下させる。」以上の9点の指摘を行っています。
アメリカや、フランスなどの要求を受けれ、日本、日本人の食生活、食の安全性を守るのかが問われています。日本産牛肉はBSEに関する全頭検査を実施しています。安さと危険性を交換にする政治姿勢は無責任そのものです。なんらの科学的根拠を持たない政治判断です。また、審議会制度の問題点も繰り返し、証明される関係です。規制緩和ありきの審議、アメリカ、フランスなどの政治的な要求(圧力)を受けての判断など、科学者としての倫理観が問われています。原子力産業から資金提供受けて、原子力産業を擁護する知識人、科学者が原子力村と批判されていることとまったく同じ構図となっています。
<米国産牛肉、年明けにも輸入規制緩和:日経記事>
長年の日米貿易の懸案となっていた米国産牛肉問題が決着する見通しとなった。厚生労働省の審議会は6日、BSE(牛海綿状脳症)発生に伴う米国産牛肉の輸入規制を緩和する方針を了承した。年明けにも輸入規制を緩和する。環太平洋経済連携協定(TPP)など日本の今後の通商協議にも大きな追い風となりそうだ。 米国産牛肉はBSE感染牛が見つかった2003年12月に輸入が禁止された。05年12月に輸入を再開したものの、対象を月齢20カ月以下の牛肉に限る規制を導入。それまで日本の輸入牛肉市場でシェアを分け合っていたオーストラリア産に大きく水をあけられた。年明けに規制が緩和されれば、約9年ぶりの“市場開放”となる。 米国はかねて日本に牛肉市場の開放を要求。BSE発生に伴う規制にも、国際的な基準より厳しいとして緩和や撤廃を求めてきた。農林水産省によると、米国で出荷される牛肉の9割は、今回の規制緩和で日本に輸出できるようになる月齢30カ月以下という。
米国にとっては実質的な規制の撤廃となり、満足しているもようだ。米通商代表部(USTR)のカトラー代表補が10月中旬に来日した際も、外務、経済産業、国土交通の各省を訪ねる一方で、農水省は素通り。農水省幹部は「すでに牛肉問題は決着したとの認識なのだろう」と話す。
米牛肉問題が決着したことで、日本のTPP参加に向けた米国の関心は保険と自動車の2つに絞られる。保険分野では日本郵政傘下の「かんぽ生命」などの新規業務に米側は「強い懸念」を表明。米国では政治力が強い自動車業界は日本のTPP参加に反対の立場だ。
今回の輸入規制緩和は日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)構想にも追い風となる。日本はEU側にEPA交渉開始を提案しているが、フランスなどが日本側に牛肉や政府調達の市場開放を求めて難色を示してきた経緯がある。
EUは今月中に日本とEPA交渉を開始するかをめぐり閣僚理事会を開く。EPA交渉開始にはEU加盟国すべての同意が必要で、フランスは対日強硬派の代表格。仏産牛肉の輸入が解禁されることでフランスが態度を軟化すれば、交渉開始が決まるシナリオもゼロではない。
一方、すでに日本とのEPA交渉を始めているオーストラリアにも影響が出そうだ。オーストラリアは牛肉にかかっている38.5%という関税の引き下げを求めており、日本でのシェア低下を恐れて日本に一段と厳しい姿勢で交渉に臨む可能性がある。
日本は1991年以降、段階的に牛肉に対する関税を引き下げて自由化を進めてきた。ただ畜産農家の大規模化や高い品質への転換などを進めた結果、日本国内で流通している牛肉に占める国産の割合は安定的に40%程度を保つ。国内の農産物の競争力を高めつつ、TPPや他の経済連携を進める戦略的な農業政策が必要になる。
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内橋克人さん、フランス人スーザン・ジョージさんがWTO的価値観の世界の前途の待つものとして、指摘しています。その指摘どおりの民主党政権の対応です。
「公共サービスを弱体化あせるか、もしくは破滅させる。小規模農業の従事者を破滅に追い込む。社会的既得権を脅かす。すでに定着している国際法を破る。すでに不利な状態に置かれている国々を、よりいっそう不利な状態におくことになる。」「文化を同質化する。環境を荒廃させる。実質賃金や労働基準を低下させる。市民を保護する政府の能力や、政府に保障を求める市民の能力を格段に低下させる。」以上の9点の指摘を行っています。
アメリカや、フランスなどの要求を受けれ、日本、日本人の食生活、食の安全性を守るのかが問われています。日本産牛肉はBSEに関する全頭検査を実施しています。安さと危険性を交換にする政治姿勢は無責任そのものです。なんらの科学的根拠を持たない政治判断です。また、審議会制度の問題点も繰り返し、証明される関係です。規制緩和ありきの審議、アメリカ、フランスなどの政治的な要求(圧力)を受けての判断など、科学者としての倫理観が問われています。原子力産業から資金提供受けて、原子力産業を擁護する知識人、科学者が原子力村と批判されていることとまったく同じ構図となっています。
<米国産牛肉、年明けにも輸入規制緩和:日経記事>
長年の日米貿易の懸案となっていた米国産牛肉問題が決着する見通しとなった。厚生労働省の審議会は6日、BSE(牛海綿状脳症)発生に伴う米国産牛肉の輸入規制を緩和する方針を了承した。年明けにも輸入規制を緩和する。環太平洋経済連携協定(TPP)など日本の今後の通商協議にも大きな追い風となりそうだ。 米国産牛肉はBSE感染牛が見つかった2003年12月に輸入が禁止された。05年12月に輸入を再開したものの、対象を月齢20カ月以下の牛肉に限る規制を導入。それまで日本の輸入牛肉市場でシェアを分け合っていたオーストラリア産に大きく水をあけられた。年明けに規制が緩和されれば、約9年ぶりの“市場開放”となる。 米国はかねて日本に牛肉市場の開放を要求。BSE発生に伴う規制にも、国際的な基準より厳しいとして緩和や撤廃を求めてきた。農林水産省によると、米国で出荷される牛肉の9割は、今回の規制緩和で日本に輸出できるようになる月齢30カ月以下という。
米国にとっては実質的な規制の撤廃となり、満足しているもようだ。米通商代表部(USTR)のカトラー代表補が10月中旬に来日した際も、外務、経済産業、国土交通の各省を訪ねる一方で、農水省は素通り。農水省幹部は「すでに牛肉問題は決着したとの認識なのだろう」と話す。
米牛肉問題が決着したことで、日本のTPP参加に向けた米国の関心は保険と自動車の2つに絞られる。保険分野では日本郵政傘下の「かんぽ生命」などの新規業務に米側は「強い懸念」を表明。米国では政治力が強い自動車業界は日本のTPP参加に反対の立場だ。
今回の輸入規制緩和は日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)構想にも追い風となる。日本はEU側にEPA交渉開始を提案しているが、フランスなどが日本側に牛肉や政府調達の市場開放を求めて難色を示してきた経緯がある。
EUは今月中に日本とEPA交渉を開始するかをめぐり閣僚理事会を開く。EPA交渉開始にはEU加盟国すべての同意が必要で、フランスは対日強硬派の代表格。仏産牛肉の輸入が解禁されることでフランスが態度を軟化すれば、交渉開始が決まるシナリオもゼロではない。
一方、すでに日本とのEPA交渉を始めているオーストラリアにも影響が出そうだ。オーストラリアは牛肉にかかっている38.5%という関税の引き下げを求めており、日本でのシェア低下を恐れて日本に一段と厳しい姿勢で交渉に臨む可能性がある。
日本は1991年以降、段階的に牛肉に対する関税を引き下げて自由化を進めてきた。ただ畜産農家の大規模化や高い品質への転換などを進めた結果、日本国内で流通している牛肉に占める国産の割合は安定的に40%程度を保つ。国内の農産物の競争力を高めつつ、TPPや他の経済連携を進める戦略的な農業政策が必要になる。
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