伊達市の柿
柿の木
山口教授でなくても本当に情けないと思う話です。石原慎太郎、橋下大阪市長に共通すること。日本の政治経済状況が閉塞感に満ち満ちているときに、非常に乱暴で、抽象的な言動で、扇動する政治手法です。
慶応大学教授の金子勝教授が、2002年の政治状況を分析して語っています。「みな曖昧で、どこに行くかわからないときは破壊願望が強くなるんです。いまのようなじりじりした閉塞感があるときに、国民は何でも良いから、ぶっ壊してくれという願望が出てくる。病気の末期症状には良くあることで、症状が出ると耐えなければならないが、そのことに疲れてきちゃう。より強烈な破壊者を求めるようになる。それがヒトラー願望になる。今の小泉政権(当時)が受けているのはその前兆みたいなことです。「構造改革」「規制緩和」だというと、何かぶち壊してくれるような感じがするんですよ」
2002年の小泉政権、当時の政治状況を評しての金子教授の評価です。現在の閉塞感、政治状況、石原、橋下のような排外主義、右翼的な言動、暴力肯定論者、中国的視、弱者いじめなどは10年前とまったく同じです。また、小泉政権は郵政民営化を行い、めちゃめちゃにしました。小泉(竹中平蔵)政権、自公政権は、規制緩和を行い、非正規労働者が町にあふれさせ、低所得者を大量に作り出し、日本社会の中間層の没落、貧困層の急激な増加、貧困の連鎖を作り出しました。
<石原前東京都知事 山口二郎教授の考察>
石原慎太郎氏が知事を辞職し、新党を立ち上げると突然言い出して、政治メディアはしばし盛り上がっている。知事としては失政を繰り返し、差別主義者としてはすでに定評があるこの人物に、今更国政に出て何ができると、私などは、はなから懐疑的である。
東京都民は、この無責任な政治家の逃亡を許すのだろうか。バブル崩壊以後も東京一極集中は進み、地方が疲弊する中、東京は潤沢な税収に恵まれてきた。石原知事はあぶく銭を得た放蕩息子のごとく、銀行の設立、オリンピック招致活動などで散財を繰り返した。いわば都政は彼にとって、老いの無聊を慰めるおもちゃだったのだ。
さすがに4期目に入り、このおもちゃにも飽きてきた。ぐずぐずしていると、乱費の責任を問われるかもしれない。息子が自民党総裁になれなかったので、自民党に対する遠慮もない。かくして、このナルシスト老人は国政進出に踏み出したわけである。国政をおもちゃにされてはかなわない。
こんな人物がまかり通る日本という国を、本当に情けないと思う。
石原新党の登場で、日本政治には右の選択肢ばかりが増えていく。常識と良識を持った国民を代表する中道政党が、今こそ必要である。民主党にその気概を持てと言いたいところだが。
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