この鉋は高幡不動骨董市で鉋刃だけで買った物だ。 安かったが銘の部分が読めない程腐食が進んでいた。 しかし裏刃が付いて居てそこに東源氏と刻印が在ったのでやっと判る状況だった。何度か研ぎ直して試し削りしているが 今一納得出来ない。 今回は刃先を見ながら、裏のダレが出ない様に慎重に研ぎ直した。 今までは裏錆が取れて無かったのだろうと思う。 今回は少し丁寧に研ぎ直した積もりだ。 削って見ると今までよりましな削りが出来た。 まだ台の調整は不完全な様だが以前より大分ましだ。 研ぐ時に刃先の先端部分を良く見て納得するまで研ぐ事が大切なんだと理解した。 何時もそうしている積もりだが研ぎにムラが有るのは、気分にムラが有るからだろうか。 この東源氏も切れる鉋だろうと思う。
最近は新しい鉋をなるべく買わず、以前購入した鉋の手入れや修理に時間を使う様にしている。 あらたに古鉋を買っても仕舞う場所が物理的に限界だからだ。 この鉋は一応刃を研ぎ直して下端を均して削れる状態にある。 だが台頭側上端を見ると刃を抜く時に強く槌打たれた為か材が裂けて飛んでしまっている。 これは見た所もみっとも無いので 修理する事にした。 このまま使うと繊維がどんどん崩れて台が駄目になる可能性も有るからだ。 台上端先端部分約25ミリ 深さ13ミリ程度を段欠き状に切り取る。 ここに別の樫を貼り付ける。 接着はイエローボンドを使う。 接着後整形して最後に竹釘を打つ。 ネジの方が確実だが ネジだとその後鉋掛け出来ないので竹釘にしている。 完成するとこんな状態になる。 こう言う修理は普通はやらないだろう。 先端部分だけ色が違うので少し違和感有るが 着色すればある程度はごまかせる。 これでもう一度外観を仕上げ削りすれば 結構見栄えも良くなると思うが、 何となく古色も失われるので そこまではやらない。 その方が良いと思う。 所でこの鉋削って見るとまあまあ削れる鉋だった。