■2003年 日本 101分
■2008.2.2 DVD
■監督 菅原浩志
■出演
小澤征悦(三輪元)
山本未來(七海先生=保健医)
菅谷梨沙子(星比加里)
中原ひとみ(比加里の叔母)
森公美子(保護者) 余貴美子(比加里の叔母)
樹木希林(校長先生) 役所広司(瀧口先生)
《story》
「ほたるが、舞いよる時
一番あいたい人に あえるんだよ」
念願の教師となって、山口県の小さな小学校に赴任した三輪元は、4年生のクラスを任された。元のクラスに、誰とも口をきかない比加里という少女がいた。比加里は、母をガンで亡くし、父は比加里に暴力をふるい、見かねた叔母が引き取ったのだった。元も、小さい頃に、父親が事業に失敗して多額の借金をし、母は苦しい生活に耐えられず家を出てしまったことを思い出す。捨て鉢になった元の世話をし心の支えとなったのは瀧口先生だった。ある時、課外授業で近くの川にいき、濁った川を見た子どもたちが、この川にほたるが飛んでいたらどんなにすばらしいかとつぶやく。その日から、元と子ども達のほたる飼育が始まった。比加里は次第にほたるに興味を持ち始め、ほたるが飛ぶとき死んだ母に会えることを信じ、懸命に世話をするのだった。比加里がクラスの友達とも打ち解けてきた矢先、ほたる飼育に大きな問題が立ちはだかる。保護者の学力が落ちることへの不安、学校側からつきつけられた責任問題、そして河川工事計画が持ち上がっていたのだった。子どもたちの署名運動などの懸命な声に、河川工事はほたるが飛ぶ季節まで延期された。子どもたちが育てたほたるの幼虫が放流された。6月、この川にほたるは舞うだろうか。
みんなの願いにしたいこと
学校の取り組みでないと実現できないこともある。子どもたちの純粋な発想と行動だからこそ、大人たちが援助し、達成できることもある。大人だけの発想なら、利権と建前だけで、何も進展しないことの方が多い。綺麗な水の川にしかいないほたるなら、私たちの身の回りの川にこそ、ほたるがいてほしいと思うもの。できるわけないよ、とあきらめないでやってみることが大事なんだよね。たとえうまくいかなくても、願いや夢に向けて、歩む姿が素敵なんだと思う。学校にもいろいろな事情があると思うけど、全校あげてみんなの願いに広げて進めてほしかったね。何よりも勉強になることだよ。勉強に打ち込むことも、ひとつの道かもしれないけど、みんなで願いに向けて活動するとき、人と人との心の交流があって、結びついて、感動が生まれるんだと思う。森林を増やしたいとか、車椅子を送りたいとか、ハガキを集めて体の不自由な人のために使いたいとか、みんなの願いに向けて動くとき心は一番輝くのだと思う。