そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ハチミツとクローバー

2007年09月23日 | ラブロマンス/青春

 
2006年 日本 116分
2006.8.1 サロンシネマ2
       2007.9.22  wowow 
■監督 高田雅博
■出演
   櫻井翔(竹本)  伊勢谷友介(森田)  
   蒼井優(花本はぐみ)  加瀬亮(真山)  
   関めぐみ(山田あゆ) 堺雅人(花田先生)

 《story》

「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」
「恋をした。それだけのことなのに 世界はまぶしい」

美術大学の学生たちの片思い物語。花本先生を囲む会で、竹本は恋に陥る。2階で大きな画板に絵筆を走らせていた花本先生の姪であるはぐみだった。彼女は4月に同じ大学に入ってきた。人見知りが激しく、一人で食事ができないので、竹本は先生から一緒に食事を付き合ってくれと頼まれる。一方真山はあこがれの先輩理花に恋し、密かにつけたり彼女に関わる物を集めたり・・・その真山が好きなあゆは、彼女も理花をつける真山をつけるのだった。そんなとき海外に出ていた森田が帰ってきた。森田が個展に向けて打ち込む姿を見つめるはぐみ。森田、竹本、真山、あゆ、はぐみは、ひょんな事から車で海を見に行くことになった。砂浜で青春を謳歌する仲間たち。しかし、そこで・・・・。

さわやかな青春物語。私は好きです。「ぼくは、はぐちゃんが好きだよ」「ありがと」これだけでこの映画は最高だと思いました。愛してるとかどうとかではなくていい。小学生の恋みたいかもしれないけど、好きな気持ちを素直に伝えて、それを素直に受け取り、ありがとうと微笑んで言える。それだけですばらしいと思う。竹本が初めてはぐちゃんと出会ったとき、これが恋の始まりだと思った瞬間、確かにそうだと感じた。あの「ニライカナイの手紙」「男たちの大和」の彼女だと思えない、見ている自分もハッと思わせる、そんな感じがした。コミックはどんなものなのか知らないけど、知らないで見る方がいいかもしれない。遠き青春時代を思い出せてくれた。切なすぎて、こんなにさわやかじゃなかったけど。今でもできるなら、こんなさわやかな恋がしたいものです。

      2007.9.22  wowow 

 無垢な青春
青春にもいくつかある。欲望の固まりの青春。だれにでもこんな気持ちはあると思うけど、本気でそれだけを求めているものは少ないと思う。あの青春時代は、先が見えない不安と純粋な愛を求めていたと思う。そんな愛を抱きたいと思っていたと。
はぐは海岸でキスをされ、その後何を悩んでいたんだろう。びっくりした自分。恋する自分。あってはならない事実。自分の心の中のもやもや、変化。そこに何があった?
真山や山田は、恋の心の奥底にひた走る。ある意味変態的な行為にも陥りながら。森田は何も考えないその場だけの人間。恋だの愛だの自分には似合わないと思いつつ、本能的にはぐにキスしてしまう。竹本は一番純粋かな。というより、心の中の愛を大事にする、まさに青春をそのままに走る。自転車で走る。古典的な純粋な青春を送っている。素直に自分の心を打ち明けるだけで満足かあ。そのあとのことを求めないのかあ。どろどろした人間関係とは無縁かあ。どんな恋も青春。どんな恋ももう一度してみたくなる青春。

 公式サイト「ハチミツとクローバー」 


エディット・ピアフ~愛の讃歌~

2007年09月23日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 フランス/イギリス/チェコ 140分
■原題「LA MOME/THE PASSIONATE LIFE OF EDITH PIAF/LA VIE EN ROSE」
2007.9.20 TOHOシネマズ緑井 試写会
■監督 オリヴィエ・ダアン
■出演
   マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ)
   シルヴィー・テステュー(モモーヌ=友人)
   パスカル・グレゴリー(ルイ・バリエ=マネージャー)
   エマニュエル・セニエ(ティティーヌ)
   ジャン=ポール・ルーヴ(ルイ・ガション=父)
   ジェラール・ドパルデュー
          (ルイ・ルプレ=クラブのオーナー)
   クロチルド・クロ(アネッタ)
   ジャン=ピエール・マルタンス
          (マルセル・セルダン=恋人)
   カトリーヌ・アレグレ(ルイーズ=祖母)   
   マルク・バルベ(レイモン・アッソ=作曲家)
   カロリーヌ・シロル(マレーネ・デートリッヒ)
   マノン・シュヴァリエ(5歳までのエディット・ピアフ)
   ポリーヌ・ビュルレ(10歳までのエディット・ピアフ)

  《story》

「そして、『愛』は歌い継がれる--」
「愛を生きた世界の歌姫 涙と喝采の物語」


1915年、エディット・ジョヴァンナ・ガションはパリのベルヴィルで誕生した。5歳のエディットは、路上で歌う母のそばでうずくまっていた。戦場からもどった父は、エディットを、娼婦館を経営する祖母の家に預けた。そこではティティーヌにかわいがられ、傷ついたエディットの心も癒されていった。聖テレーズに祈り、栄養失調で見えなくなっていた目が見えるようになり、生涯そのクロスを離すことはなかった。戦争が終わり、戻ってきた父に連れられ、サーカスの大道芸をしながらの生活。そこもけんかして飛び出し、路上で芸をして生活するようになる。ある時、娘にに芸をと言う声に、エディットは歌を歌い歓声を浴びる。20歳になったエディットは、路上で歌い小銭を稼ぐ生活をしていた。そこに偶然居合わせたクラブのオーナー、ルイ・ルブレに声をかけられる。彼女のステージは大成功。しかし、ルイの殺人事件で容疑をかけられ、罵声を浴びる。そんな彼女を救ったのは、作曲家のアッソだった。復帰のコンサートは大成功。その後、スターの道を昇りつめていった。アメリカのニューヨークでも公演を行い、ボクシングのマルセルと出会い恋に落ちる。2年間の愛・・・彼女の元に駆けつける飛行機が墜落。それは彼への愛を込めた新曲の「愛の賛歌」を披露するときだった。

 愛の賛歌は聴いたことがある
そんな程度の知識だった。ピアフなんて聞いたことないし、音楽の知識はまったくない。でも映画の良さは知識を与えてくれること。たまたま試写会に当たったことが彼女の存在を印象づけてくれた。この映画を見なければ、きっと知ることがなかった知識。たぶん、試写会でなければ見なかった映画だ。正直言って、愛の賛歌以外の歌は大きく心をふるわせるものではなかった。きっと彼女には人間としての魅力がいっぱいあったのだと思う。無垢なイメージ、それでいて自信に満ちている。歌うことが好きでたまらない。聞かせたい、聞いてほしいという気持ちが、観客をひきつけるのだろう。それに多くの人々が彼女を支えている。貧しくて不幸な少女時代に見えるけど、彼女の周りには、彼女の歌に惹かれ、彼女を支えようとする人であふれていた。そういう意味では、彼女は幸せだ。47歳と言えばまだ若い。でも、まるで老人のような姿で海岸で編み物をする姿は、労しくも無垢な少女のようにも見え、不思議な魅力のある人だ。この映画と出会えてよかった。

 公式サイト「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」