そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

それでも生きる子供たち

2007年09月08日 | 人間/社会派ドラマ


2005年 イタリア/フランス 130分
■原題「ALL THE INVISIBLE CHILDREN/LES ENFANTS INVISIBLES」
2007.9.8 サロンシネマ2

  『タンザ』
・監督 メディ・カレフ   ルワンダ
・出演 ビラ・アダマ(タンザ)   ハノウラ・カボレ
・物語 
「マシンガンを握りしめる少年兵の、
             それでも無垢な瞳」

正義の名の下に、銃を持ち歩く少年たち。タンザはいつも黄色のスニーカーを履いていた。ある村を襲うことになり、夜中に時限爆弾を持って忍び込んだ。タンザは、黄色の建物に入った。そこには、子どもたちの絵がはってあり、黒板には英語の文字が書かれていた。そこは、タンザが憧れていた学校だった。タンザは、机に伏せ、涙を流した。

 『ブルー・ジプシー』
・監督 エミール・クストリッツァ   セルビア/モンテヌグロ
・出演 ウロス・ミロヴェノヴィッチ(マルヤン)
・物語 「盗みでしか生きられない親と子の、どこか滑稽な叙情詩」
窃盗の罪で少年院に入っているマルヤン。退所する最後の日、仲間達とサッカーを楽しんだ。そして、家族が迎えにきた。退所してすぐに、父親はマルヤンをビンで殴り、盗みを強要した。盗みを見つかったマルヤンは畑の中を逃げた。追いつめられたマルヤンは長い農具を使って、棒高跳びのように塀を越えた。その越えて入ったところは元いた少年院だった。

 『アメリカのイエスの子ら』
・監督 スパイク・リー   アメリカ
・出演 ロージー・ベレス(ブランカ)  ハンナ・ホドソン  アンドレ・ロヨ
・物語 「HIVの両親と娘の、愛情と苦悩、そして再出発」
ブランカの両親は彼女に愛情をいっぱい注いでいた。しかし、苦悩から逃れるために、麻薬の常習だった。ある日、ブランカは、友人達から両親はエイズだとからかわれる。そしてブランカ自身もエイズであるからと、彼女を避け始める。悲しみを背負い家に帰ったブランカは、それが真実であることを知る。家族三人で再び力強く生きていくことを決心する。ブランカは、同じような子どもが集まるサークルに初めて参加した。

 『ビルーとジョアン』
・監督 カティア・ルンド ブラジル
・出演 フランシスコ・アナウェイク・デ・フレルタス(ビルー)
     ベラ・フェルナンデス(ジョアン)
・物語 「廃品を拾って自活する兄妹、今日も宝探しがはじまる」
スラムに住む少年ルビーとジョアンの兄妹は、空き缶や段ボールなどを集め、それらを売って小銭を稼いでいた。ある日リヤカーを借りることができた。たくさんの段ボールなどを積んで廃品回収業者のところに急いだ。しかし、リヤカーのタイヤがパンクしてしまう。土曜は11時まで。あと50分。二人は間に合うのだろうか。

 『ジョナサン』
・監督 ジョーダン・スコット  リドリー・スコット    イギリス
・出演 デヴィッド・シューリス(ジョナサン)
     ケリー・マクドナルド  ジョーダン・クラーク  ジャック・トンプソン
     ジョシュア・ライト
・物語 「地球上で消えない紛争、彼らは生きるために助け合う」
ジョナサンは写真家で、撮影した写真を前にして悪夢に悩まされていた。彼は戦場に入り込み、苦しんでいる子ども達を撮影してきたのだ。この子ども達に、自分は何もできなことで苦しんでいた。ある日、森の中で子どもの声がした。追いかけるうち、ジョナサンも子どもの姿になっていた。三人がたどり着いたところは戦場だった。爆撃が止んだあと、周りからたくさんの子ども達が現れた。一緒に後をついていくと、そこにはたくさんの子どもたちが助け合って生活していた。

 『チロ』
・監督 ステファノ・ヴィネルッソ  イタリア
・出演 ダニエル・ヴィコリト(チロ)
     エマヌエーレ・ヴィコリト  マリア・グラッツィア・クチノッタ
・物語 「大人たちと互角に渡り合う、窃盗も辞さない子供たちの夢と現実」
少年チロは、窃盗団の一味だった。ある日、自動車の窓を割り、男がつけていた腕時計を奪った。それを遊園地を経営しているボスに売りにいく。対等の立場で交渉し、腕時計を売ったあと、「おまけを」と言って、遊園地の乗り物に乗る。

 『桑桑(ソンソン)と子猫(シャオマオ)』
・監督 ジョン・ウー 中国
・出演 ザオ・ツークン チー・ルーイー  ジャン・ウェンリー ワン・ビン ヨウ・ヨン
・物語 「路上で働く孤児と愛に飢えた少女。それぞれの悲しみと希望。」
ソンソンは裕福な家庭の女の子。でも、両親は仲が悪く、父が家を出ていく。ソンソンは母が運転する車の窓から大好きだった人形を捨てる。その人形を拾った老人は、捨ててあるものを拾って生活をしていた。シャオマオは捨て子で、老人に拾われ育てられた。人形はシャオマオの大事な宝物になった。ある日、老人が事故で亡くなった。シャオマオは孤児を働かせているところに連れていかれる。そこで造花を作り、街で売る仕事をする。ある日、人形を抱いて花を売っていると、そこにソンソンを乗せた車が止まる。シャオマオは、「かわいい人形ね」というソンソンに花を渡す。

 何を期待していたのだろうか
大きな感動のないまま終わってしまった。何を期待していたのだろうか。切なくて涙があふれることを予想していた。でもそうじゃなかった。そうではなくて、そこに訴えたいことがにじみ出ていた。ものとして子どもを使う大人のずるさ。戦争の道具。親の身勝手さ。親の犠牲になる子ども。大人と互角に取引する少年が見せる無邪気さ。貧しくて苦しくても、助け合って生きる子どもたち。生まれた環境の違いにあって、それぞれの子どもの苦しみ。金持ちだから幸せだとか不幸だとかではなく、心がどこに向かっているかが幸せにつながる。貧しいから不幸だとは言えないのだ。
「子供」と漢字で書いている。私はこれを使わない。必ず「子ども」とする。「供」はそなえるという意味。「こどもをそなえる」・・・物として感じてしまう。

 公式サイト「それでも生きる子供たち」


四月の雪

2007年09月08日 | ラブロマンス/青春


2005年 韓国 106分
■原題「April Snow(Oechul)」
■2007.9.7 wowow
■監督 ホ・ジノ
■出演
   ペ・ヨンジュン(キム・インス)
   ソン・イェジン(ハン・ソヨン)
   イム・サンヒョ(カン・スジン)
   リュ・スンス(ユン・ギョンホ)
   キム・グァンイル(グァンイル)
   ユ・スンモク(医師)
   イ・ハンウィ(インスの先輩)

 《story》

「それは、はかない恋だった。
      どんなに舞い降りても積もることもない、四月の雪のように・・・」


照明監督の仕事をしていたインスは、妻の事故の知らせを受け病院にかけつける。意識不明の妻のそばには、同じく意識不明の男性が集中治療を受けていた。二人は不倫の旅行の最中に事故を起こしたのだ。病院の廊下の椅子には、相手の男性の妻であるソヨンがうなだれていた。インスとソヨンは、事故の説明を聞いたり、事故で死んだ相手の自宅を訪ねるうち、お互いのやりきれない気持ちを語り出す。そして、意識し始める。インスの妻が意識を取り戻す。ソヨンの夫は死亡する。離ればなれなになりながらも惹かれ会う二人。

 憤りと悲しみを抑えながらよりそう
いろいろ批判もあるけど、単純な私はそれなりに感動できた。ただあの濡れ場はいらない。体が求めているのではなく、心が寄り添い離れられなくなっていくところを強調してほしい。手をつなぐだけでいい、抱き合うだけでいい。
「復習してやる」・・・表面は冷静な雰囲気を出しながらも心の奥底には荒れ狂った憤りと悲しみがある。そばで看病するだけでも、それなりの悟りがいる。
「不倫しようか」・・・当てつけに、まさに復習心と欲望だけで、その道に行きかねない。でも、この二人はまさに神が巡り合わせたような自然な形に結びついた。
ラスト・・・二人はどこに行くのだろうか。私はハッピーエンドとしてとらえたのだけど、もしかしたら自殺をしに行くのではないかという感想もあった。あんな妻はもう放ってしまって、二人で幸せに暮らしなさいと言いたくなる。