そよかぜから-映画

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アルゼンチンババア

2008年07月20日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 日本 112分
■2008.6.29 DVD
■監督 長尾直樹
■出演
   役所広司(涌井悟)  堀北真希(涌井みつこ)
   鈴木京香(アルゼンチンババア/ユリ)
   森下愛子(滝本早苗)  手塚理美(涌井良子)
   岸部一徳(白井順三)  きたろう(犬塚幸吉)
   田中直樹(向井守)  小林裕吉(滝本信一)

 《story》

「しあわせがじんわりと体中にしみわたる」
「大好きだった母が死んだ。
  その日に父が姿を消した。
  半年後、父はアルゼンチンババアの屋敷で見つかった。」


イルカの島で過ごした思い出を残し、母が死んだ。その日、父は行方不明になった。みつこは叔母の家で世話になり、父を待った。半年後、アルゼンチンババアの屋敷で父が見つかった。その屋敷は、広い草原の真ん中にあり、変わり者の老婆が一人で住んでいた。父は、その屋敷の屋上で曼陀羅を掘っていた。叔母や、近所の人々が屋敷に行ったが、父は帰ろうとしなかった。ユリは、母の死を受け入れられないでいるので、待ってほしいと言う。母のための墓石も放り出され、みつこは家を飛び出す。家にもどった父は、墓石を彫刻し、それを持ってイルカの島に行く。そこにはみつこがいた。母との別れをすませ、家に戻ったが、ユリのお腹の中には父の子どもが。ユリは高齢なため、赤ちゃんを産めば命に関わる。

 心は言うことを聞かぬ

逃げたくなる気持ちはわかる。うまいこと、逃げる自分を受け入れる人がいたからよかったものの、穴に落ちてだれも助けがこなければ、それまでだった。「死」は受け入れられない。どんな人の死をも、悲しみは渦巻く。ニュースを見ていても、ドラマや映画を見ていても、「死」の場面は顔を背けたくなる。自分の周りで実際の死が訪れたらどうなることだろうか。部屋に閉じこもって、一歩も出ないかもしれない。毅然とした態度で人と接することなんてできない。どんな死も私は拒否する。そして、極限の逃避は自分が死ぬこと。誰よりも先に自分が死ぬこと。それが、死の悲しみにおぼれない唯一の方法だ。

しかし、愛する者の死を受け入れられないで、不倫してしまうこと。それは許せないことだと思う反面、そうなってしまうことが自然でもあるような気がする。救いの道を求めているのだから。だれかが救いの手を差し伸べてくれたら、必死になってしがみついて、相手のことも考えず、自分の苦しみから逃れようとするにちがいない。「溺れる者は藁をもつかむ」

  公式サイト「アルゼンチンババア」


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