そよかぜから-映画

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アヒルと鴨のコインロッカー

2009年04月19日 | 人間/社会派ドラマ


2006年 日本 110分
■2009.3.20 DVD
■監督 中村義洋
■出演
   濱田岳(椎名)  瑛太(河崎/ドルジ)
   関めぐみ(琴美)  松田龍平(河崎)
   大塚寧々(麗子)

 《story》

「物語の裏に隠された切ない想いに泣く」
「神様、この話だけは、見ないでほしい」
「時におかしくて、切ない物語が交差する」


大学入学のため仙台に出てきた椎名。引っ越したアパートの隣に、ブータンからの留学生ドルジと椎名と同じボブディランの曲を口ずさむ河崎という男。河崎は、孤独なブータン人ドルジのために、広辞苑を本屋から盗むために力を貸せという。しかし、河崎が本屋から盗んできたものは広辞林だった。ふとしたことから知り合ったペットショップ女店長の麗子と河崎は知り合いだった。麗子は、本当の河崎はもうこの世にはいないという。そこには、琴美と河崎とドルジの隠された秘密があった。町を騒がせていたペット虐待事件を目撃した琴美とドルジ。犯人が琴美を襲う。琴美を守ろうとするドルジと河崎。しかし、琴美は犯人の車に轢かれ殺されてしまう。河崎は、病で病死。ドルジは、河崎になりすまし、少年院から出てきた彼らを待っていた。本屋にいた店員がその少年だった。家庭の事情で故郷に帰る椎名は、河崎に自首をすすめる。仙台駅のロッカーの中で鳴り響くボブディランの曲。

 本で読むとおもしろいんだろうなあ

自分の頭の中でつくるイメージだと、たくさんの感動を味わえる。でも、人の映像だと、自分のイメージとのギャップが生まれ、表現が制約され、押しつけられるような感覚に圧迫感を覚えてしまう。それはきっと、自分のイメージを越えた表現ではないときだ。この本を読んだわけではないけど、何だかそんな気がした。ブータン人の悲哀さがあまり伝わってこない。アヒルと鴨のちがいもわからない。なぜロッカーなのかも。最近、少年犯罪への批判めいた書物をよく目にする。人の命を奪っておきながら、反省もせずに世の中にもどってくる。命が軽く扱われているようで、無性に腹が立つ。未成年であれ、命を奪ったのなら、その重みに苦しまなければいけないと思う。それなくして更生はありえない。更生とは忘れることではなく、命の重みをしっかりと感じながらも、命のために生きること。復讐は命を奪うことと同じ。あんなやつ死んでしまえと思うけど、手を下す人は命を奪うこと。頭の悪い私は、よくわからなくなるけど、さまざまな立場の人の気持ちになって考えていく必要があることは確かだ。

 公式サイト「アヒルと鴨のコインロッカー」

 『天使のナイフ』薬丸 岳  これも少年犯罪を題材にした物語だった。おもしろかったけど、あまりに登場人物がつながりすぎていて変な感じした。欲張りすぎているのか、それとも「これでもか」とたたきつけるように考えさせようとしているのか。未成年の過ち。それは成人でも同じ。奪われる命の重みに代わりはない。誰もが、少年犯罪の犠牲者になりうる。そして、だれもが少年犯罪の身内にもなりうる。人の心の中身は見えない。だからといって、遠ざけるだけでは何も解決しない。自分なりの方法で近づかなければいけないのかも。それは、いつだれが被害者になるか、加害者になるかわからないことを自覚することなのだろう。



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