そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
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ICHI

2008年10月28日 | 歴史映画/時代劇

2008年 日本 120分
2008.10.25 ワイナーマイカルシネマ
■監督 曽利文彦
■出演
   綾瀬はるか(市)  中村獅童(万鬼)
   窪塚洋介(虎次)  柄本明(長兵衛)
   竹内力(伊蔵)  利重剛(喜八)
   佐田真由美(美津)  島綾佑(小太郎)
   杉本哲太(盲目の男)  横山めぐみ
   渡辺えり(お浜)  大沢たかお(十馬)  

 《story》

「愛が見えたら、きっと泣く」
「何切るかわかんないよ、見えないんだからさ」


三味線を弾きながら、旅を続ける盲目の女芸人、瞽女(ごぜ)の市。仲間とともに男に襲われているところに、侍がかけつける。ところが刀が抜けない。切りかかる男たちを市が切る。侍の名は藤平十馬。宿場町の賭場で市の手助けにより儲けた十馬と市を男達が囲む。そこでも、十馬は刀が抜けず、市が切る。男達は万鬼の手下。彼らに手を焼く白川組は、切ったのは十馬だと思いこみ、彼を用心棒に雇う。二人は反発しあいながらも少しずつ惹かれ合い、十馬がなぜ剣を抜けないか、その理由を知る。市はかつて自分に剣を教えてくれた人を捜していた。旅芸人の中に盲目の剣の使い手がいると聞くが人違い。万鬼の襲撃に十馬は刀を抜けず、市が立ちはだかる。万鬼が盲目の居合い切りを知っていると聞き、彼と戦うことを決意。しかし、市は切られ、投獄されてしまう。十馬は市を助け、再び万鬼との決戦に向かう。万鬼を前に刀を抜く十馬。刀を交えた後、二人とも倒れるが、立ち上がる万鬼。市は、万鬼に刀を向ける。

 綾瀬はるかの演技に

「白夜行」からのファンだ。ただ、あのときは消えてしまうような気がした。でも、「鹿男」を見て、はまり役だと思った。あの、ちょっとぼけた、無垢で一途な役がよく似合う。他に見ていないけど、これからある「ハッピーフライト」も、彼女の天真爛漫さが出て楽しそう。この「ICHI」は、そんな天然ボケの演技とちがう。でも、そんなにずれていない。むしろ、はまっているような気がする。映画館では釘付けとなった。映画館という場所がそうさせたのかもしれないけど。すぐにでも、もう一度見てもいいと思った。続編が見たいとも思った。

座頭市は子どもの頃から好きでよく見ていた。悪ぶっているけど、正義の味方というのが好きだった。しかもそんなにかっこよくなかった。転げ回って、いつも辛うじて相手をやっつける。この「ICHI」も多少そんなところを演出しようとしていたのかもしれない。十馬や万鬼に破れてしまうところは、スーパースターではなく、必死で戦っていることを表現している。

目が見えないということは、音で動くわけだから、ほんの少し目で動くより遅れるのだろうか。耳だけでなく、空気のうごきなど、体全体で感じて、反射的に動くのかもしれない。今見ているドラマ「悲しき恋歌」も目の見えないヒロインが出てくる。「山のあなた」も目の見えない按摩の話。「ふみ子の海」もそうだった。昔なら、目が見えないということは、生きていけないと言っても過言ではなかっただろう。人にだまされ、好きなようにもてあそばれ、まっとうには生きてはいけないだろう。現代はどうか、現代も同じかもしれない。目が見えないことをいいことに、お金をだまし取ったり、差別したり、そんな悪いことをする人が多くなっているような気がする。お年寄りから、「オレオレ詐欺」のようにお金をだまし取る人が増えているのだから悲しいよね。

 公式サイト「ICHI」