そよかぜから-映画

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Life 天国で君に逢えたら

2007年08月25日 | 人間/社会派ドラマ

2007年 日本 119分
2007.8.23 TOHOシネマズ緑井 試写会 with h
■監督 新城毅彦
■出演
   大沢たかお(飯島夏樹)
   伊東美咲(飯島寛子)
   真矢みき(藤堂玲子)   袴田吉彦(篠田)
   川島海荷(小夏)  石丸謙二郎(武藤医師)
   哀川翔(藤堂)

 《story》

「最期の瞬間まで、パパはいつも微笑んでいた」

プロウインドサーファー飯島夏樹の半生。
1991年、飯島夏樹は妻の寛子とともに、世界中のウインドサーファー大会に出場するためにかけまわっていた。しかし、日本では敵なしだった夏樹は世界ではなかなか優勝することができず、お金のない生活が続いた。彼を支えていたのは妻の寛子と先輩の藤堂夫妻だった。オーストラリア大会、夏樹はここで勝たなければやめようと賭けていた。藤堂の「何も考えず、風と波を信じて、天然らしく戦え」という言葉で自分らしさを取り戻し、見事優勝を果たすことができた。
その後の大会も順調に良い成績を残した夏樹は、正式に寛子と結婚式をあげ、ハワイに住居を定めた。それから娘の小夏、息子3人の子だからに恵まれた。しかし、夏樹は、次第にレースの成績が上がらなくなり、家族を顧みなくなる。そんな父に不信感を抱き、小夏は家を飛び出す。夏樹は必死で小夏を探し、許しを請い手を差し出すが、その場で倒れてしまう。
夏樹の病名は肝臓ガン。一家は東京で夏樹を支える生活をするが、夏樹はますますひどくなる病状に、自分の殻に閉じこもってしまう。そんな父に、小夏は父への願いをこめて、ウインドサーファインを練習するのだった。夏樹は、寛子に連れられ、小夏の懸命にがんばる姿を見て、残された日々を強く生きることを誓う。

 人の強さと人の弱さ
がむしゃらに生きてきた夏樹だって弱さがあり、それを周囲の人が支えてきたんだ。そして夏樹自身、その身の回りの人にたくさんの戦う力、生きる力をもらって、前向きに生きてくることができた。あらためてそんな人と人とのつながりが、どれだけ人にエネルギーを与えているかがよくわかる。
レースの中でふっと見せる臆病風、でもそれはだれもが弱き人間であるということを教えてくれる。だれもが初めから英雄なんかじゃない。周囲の人から力をもらい、ハードルを越えながら生きてきたんだということ。そして夏樹の人柄に前向きさに、周囲の人は夏樹に目を向けて集まってくるし、自然に心で支え合う。サーファー仲間、藤堂夫妻、妻の寛子、そして娘の小夏。
世界を巡っていたどん底の時代。でも、いつもそばに寛子がいた。がんになり、死への恐怖に怯えた最悪の日々。でも、いつもそこには家族がいた。人は、人に生かされている。そして、地の底からはい出してきた人は、あらたな力を発揮する。「1リットル涙」の木藤亜也さんのように、人に何かを伝えるために思いを綴る。その言葉に励まされた人々が、夏樹たちを励ます。再び大きな大きな人のつながりを作った。そこに、生きる力は生まれ、感動が生まれた。病気になってしまったけど、こんな幸せな人生を送ることができた夏樹さんは、幸せな人だと思った。

  公式サイト「Life 天国で君に逢えたら」