■2007年 日本 121分
■2007.8.20 サロンシネマ2
■監督 山下敦弘
■出演
夏帆(右田そよ) 岡田将生(大沢広海)
夏川結衣(右田以東子=そよの母)
佐藤浩市(右田一将=そよの父)
柳英里沙(田浦伊吹=中1、商店)
藤村聖子(山辺篤子=中1、散髪屋)
森下翔梧(右田浩太郎=そよの弟)
本間るい(田浦カツ代=小4)
宮澤砂耶(田浦早知子=小1)
斉藤暁(篤子の父=散髪屋)
廣末哲万(シゲちゃん=郵便局)
黒田大輔(松田先生=中学) 大内まり(美都子=大沢の母)
《story》
「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ
ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう」
山と川と海、そして田んぼが広がる田舎。方言丸出しのそよは中学2年生。小学校と会わせても6人の学校に転校生がやってくる。そよと同じ学年の男子、東京からやってきた大沢広海。誰にでもやさしく世話好きなそよ、少し意地悪な広海。登校も下校も、広海も入れていつも7人。海にでかけた7人だが、線路で倒れたそよを助けた広海。知り合いが自殺した橋で花を手向ける広海。二人は少しずつ近づいていく。
修学旅行はそよの希望が叶って東京に決まった。東京駅で途方に暮れるそよ。くたびれ果て、眠るそよ。でも、いつしかビルの谷間に山の響きを感じた。新しい1年生を迎えぬまま、中学校を卒業してしまう。いつかこの校舎も人がいなくなってしまうのか。そよは地元の高校を受験する。広海は・・・
山と田んぼがあるだけで
なんでじゃろう。山や田んぼや海や空や・・・自然がそこにあるとわかっただけで、生きることに喜びを感じる。次から次にほしいものが目の前に現れ、いつも何か物を求めている現代。だからいつも心が欲している。でも、ここはちがう。欲してはいるけど、満ち足りている。東京にはそのほしいものはいっぱいあるけど、どこか心が虚ろで人の波に流されていく。その地方の方言をそのまま話せるその場が一番落ち着く。道を歩いている場面を見るだけで、心が和んでくる。神社があって祭りがあって。まるで兄弟姉妹のような家族のような子どもたち。そよが早知子の世話をする。海からの帰り、つい自分のことを優先して早知子の言うことを聞かなかったことを後悔し、病気になった早知子を見舞うそよ。部屋に入った瞬間、そよにしがみつく早知子。そよをしげさんと二人きりにさせようと置いて帰ろうとしたとき、泣き出したそよを温かく囲む仲間。いじめなんてないんだろうな。人を大事にすることが当たり前の世界はきっと心地よい青春を作り出してくれる。ついつい言い過ぎてしまう自分を反省するそよ、そのことを責めない仲間。わかりあってるんだなと思う。つい映画の世界に素直に入っていってしまう。島根の浜田に行ってみたくなる。きっと高校生になったそよと広海はやっぱり仲良くやっていると思う。
公式サイト「天然コケッコー」