どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『悪童狩り』(1)

2022-06-24 00:27:37 | 短編小説
 まもなく十二月に入ろうというのに、日中は汗ばむほどの好天気だった。 井原数馬は、タウン誌から依頼された五枚のエッセイを書き終えて、いつものように散歩に出かける準備をはじめた。 二階の書斎を出て部屋着を脱ぎ、隣室の洋服ダンスに吊るしてあるコーディロイのズボンに履き替えた。 上着は、やや濃い目の茶のブレザーで、統一した色調の中にも微妙に変化をつけたコーディネートを彼は気に入っていた。 夕方になれば、 . . . 本文を読む
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