磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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蝉時雨

2008年04月06日 | 読書日記など
『蝉時雨』
   生口十朗(いくちじゅうろう)・著/
     近代文藝社1987年

破綻のない小説といってかかと思います。常識的に書かれてありますし、古い小説の方程式を使われていると思います。

本名は川本信幹さんというらしいです。



原爆そのものというよりも、それに影響を受けてしまった人たちの話です。

大きな流れに流されているだけの庶民を描いているのでしょうか?

もっと強い怒りがあるのではないでしようか?

こんなに淡々としてられるのでしようか?

ボクにはわかりません。

詩歌というのは、「花鳥風月」を詠むもので、原爆にはあわないという方もいた。

それを越えるには、それなりの思想をもっていないといけないだろう。

正田篠枝たちの詩歌は「花鳥風月」を詠むなどというものではないようです。

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そこから、より意図的に自覚的に、政治や社会を強く見つめたのが栗原貞子ではないでしょうか。

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今までの小説では描けないと、方程式を無視して書き始め、新しい方程式をうんだのが、大田洋子ではないでしょうか?

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目次

遥かな海   5
蝉時雨  59
姪の子  147


「遥かな海」では原爆小頭症が出てきます。
このことは、妊娠初期に下腹部にレントゲンを受けると出現することも知られていました。

まだ、封建主義であり、家制度が残っている。下「」引用。

「新聞やテレビがうるさいことじゃ。確かに原爆は悪い。悪いのは原爆じゃが、こういうことで浅井の名が、どれだけ世間に広まっても、あまり名誉なこととも思えん。」

二世・三世議員が困るのは、家制度などでなった人は、それが当たり前と思っていることでしようね。

今も封建的な政治家たち……。

「蝉時雨」
八月六日、あんなお祭りに何の意味があるのか? と。 下「」引用。

「革新政党だ、なんとか組合だといったところで、自分たちの縄張りの中でいがみ合っているばかりで、自国の政治の流れをほんの少々変える力さえない。」

八月六日。ここにも格差社会が昔からありますね。
多くの被爆者たちは、あの儀式を批判的な人たちがいることも事実ですね。
栗原貞子の歌は見事に歌い上げています。


「姪の子」、原爆小頭症。下「」引用。

「多摩丘陵の自然に囲まれたその施設には、夕子のような子どもたちが大勢入園しているという。」










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