磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

原子力読本 高校生の平和学習のために

2007年04月20日 | 読書日記など
『原子力読本 高校生の平和学習のために』
    神奈川県高教組「原子力読本」編集委員会/
        東研出版1985年、1986年6刷

この本は編集の過程で原子力資料情報室の高木仁三郎さんの力があったという……。




この本の目的。

1 核兵器の脅威を知り、広島・長崎の悲劇をくりかえさないために
2 原子力発電のしくみを理解し、その危険性について考えるために
3 基地県の神奈川の現実を知るために
4 一人ひとりの中に平和の砦を築くために

基礎的なことがたくさん書かれていました。
いろいろなことを知らないと、原子力、原子力をとりまく社会のことは理解できないと思います。

原爆産業の誕生ということも書かれてありました。下「」引用。

「原子爆弾製造計画は,非常に広い範囲の産業や技術に関係するものであったから,マンハッタン計画には,化学,金属,電機,自動車,石油,建設など,いろいろな分野の大企業がほとんど参加していた。とくに,デュポン社(プルトニウム生産計画の全体の責任を請け負った),ユニオンカーバイト社(ウラン濃縮工場の運営を請け負った),ケレックス社(ウラン濃縮工場の責任を請け負った)など,化学工業や石油関係の会社が重要な役割を演じた。」



コロンビア大学,シカゴ大学,カリフォルニア大学,アイオワ州立大学などが特に著しい貢献をしたとも書かれてありました。



原子力は一番安いなどと今でも、ウソを書くマスコミがあります。
それには大切な要素を意図的に除いて計算しています。

不経済
1 原子力発電所の稼働率の過大評価
2 発電所建設費用がはいっていない
3 廃物処理の費用がはいっていない


最初から稼働率は50%以下なのに、100%で計算していたという。

また、電気会社の原子力は安全などというキャンペーンなどの費用、揚水発電の費用、事故の賠償金の費用なども、加算されていないとおかしいと思うのですが……。それはどうなっているかは私はかわりません……。

また、オール電化は環境に悪く、システムとして割引されているから利用している人は安く思えるけれど、これも夜中に止められない原発を使っているから、こんな手を使っているだけにすぎないのです。

日本の産業は軍需産業とは関係がないように語られる人がいますが、そんなことはありませんね……。




原爆産業から原発産業は生まれたという。そして日本に原子力が導入される時、軍需産業から原発産業が生まれたことはこの表でも理解できると思われます。


消極的な平和は戦争のない状態。
積極的な平和は構造的暴力のない社会という。

積極的なものを求めていただきたいものです。









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むかえじぞう

2007年04月20日 | 読書日記など
『むかえじぞう』
  吉元直志郎・作/飯原一夫・絵/佼成会1991年

栗原貞子さんが仏教徒の地とかかれていました。この作品もその影響を受けていますね。




安芸の宮島を海をへだてて見詰めているお地蔵さん。下「」引用。

「海のむこうは、宮島じゃ。
安芸の 宮島じゃ。
宮島にゃ、神さまが まつられておってのう。
それで、島のどこにも 墓地は おかんのよ。
そういう きまりじゃった。ならわし じゃった。」


千代という女の子。
宮島、鹿と女の子と男の子の絵。

千代のおばあさんは、千代のおかあさんが死ぬとき、むかえじぞうを見たという。

太平洋戦争がはじまる……。


そして、広島に原爆が投下される前。
たくさんの、たくさんのお地蔵さんが海をわたってきたという……。




宮島にはお寺があったと思うけど、墓はなかったのか?

検索するが書かれてはないようです。

人と神々が共に生きる島~宮島





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011 娘よ!

2007年04月20日 | ライト小説
総理がコジキでコジキがソーリィー

一章、アイムソリー




011 娘よ!


「ソーリィーの娘も生きていたら、この娘さんくらいの年齢じゃないのか?」
と、老人は訊いた。

「いくつだい!」と、若いホームレス。

「女性に年齢のことは訊くなよ」
ソーリィーは紳士である。

「そうよ、失礼よねえー」
「まったく、そうだなあー」

「でも、ソーリィーの娘くらいの年齢だよ」

ソーリィーはもし自分の娘が生きていたら、このくらいの年齢になっているのかと思うと、沙也加がまぶしく見えた。

沙也加も沙也加で、このソフトな感じの人が、父親であったならと思ってしまったほどである。

ソーリィーは今は冬なので、地下道で寝ているが、最初にホームレスになったのは、この公園である。娘の自殺した場所に、いつのまにか吸いよせられるように、この場所にやってきたのである。

首吊り自殺の顔は誰でも、この世を恨めしく思って死んだように思えるものだと慰められても、父であるソーリィーにはそうは思えなかった。

それもそのはず、幸せな思い出とは対照的な顔であった。

仕事ばかりをしていて、自分の娘の面倒もみれなかった自分のことが憎らしくて仕方がないのである。

後悔は先にたたずというが、ソーリィーはこんな結果になるとわかっていたら、きっと娘を第一に思っていたことだろう。

しかし、成績もよく、しっかり者であった娘が自殺なんてするわけがないと思っていたのである。

だが、しっかり者であるからこそ、自分の苦悩を親に打ち明けることもできず、自殺するのであると考えるのが自然のことだと同僚から言われて、打ちのめされた思いをしたことが昨日のことであるかのようであった。








閑話休題

以前、紹介しました本。

夕凪の町 桜の国

その本を原作にした映画の公開日が決ったようです。

広島は7月21日、

全国は7月28日から、ロードショー。

映画「夕凪の街 桜の国」のホームページ


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