『創作こども文学3 風のみた街』
竹田まゆみ・作/司真美・絵/ポプラ社1985年
風が語ります……。でも、この風は風らしくないような気がします。とても真面目で気がやさしい、竹田まゆみさん、そのままの感じです。風はそんなわけがないような気がボクにはします。
風には年齢があるのでしようか?
竹田まゆみさんの風は、何万年生きていたという……。
リアリズムというよりも、ファンタジー作品。
空想の自由の羽をひろげて、風はとんでいって欲しい!
しかし、この風は一人の少年を……。
風のふくままに……、一人の少年を……。
はじめて会ったのは、駄菓子屋の前で、洪介を。
虫歯のおおい少年、ばあちゃん子といわれる……。
風は少年をとりまく人をも見つめます……。
風は広島に原爆が投下されたときも……。
洪介の親友が原爆症でなくなっていきます……。
そして20年すぎ、父になった少年……。
そして60歳になった洪介……。
自然にかえる年齢になった少年は風と語ります……。
人を愛する洪介、悲しいドラマが……。
でも、風と作者は……。
洪介は命を尊ぶ素晴らしい人生をいきたんだよと--。
うたってくれているようです。
風は今もみていることでしょう。
生きていてよかったね。
命を大切に思って生きられた人たち……。
そう何万年も生きた風だよ!
ほとんどの人間は死んでいく……。
いいえ、すべての人間がこの世に生命をうけたかぎりは死んでいく……。
それを見つづけてきた風なのです。
生きていてよかったね。
命を大切に、勇気をもって生きられた人!
合掌。
もくじ
竹田まゆみ・作/司真美・絵/ポプラ社1985年
風が語ります……。でも、この風は風らしくないような気がします。とても真面目で気がやさしい、竹田まゆみさん、そのままの感じです。風はそんなわけがないような気がボクにはします。
風には年齢があるのでしようか?
竹田まゆみさんの風は、何万年生きていたという……。
リアリズムというよりも、ファンタジー作品。
空想の自由の羽をひろげて、風はとんでいって欲しい!
しかし、この風は一人の少年を……。
風のふくままに……、一人の少年を……。
はじめて会ったのは、駄菓子屋の前で、洪介を。
虫歯のおおい少年、ばあちゃん子といわれる……。
風は少年をとりまく人をも見つめます……。
風は広島に原爆が投下されたときも……。
洪介の親友が原爆症でなくなっていきます……。
そして20年すぎ、父になった少年……。
そして60歳になった洪介……。
自然にかえる年齢になった少年は風と語ります……。
人を愛する洪介、悲しいドラマが……。
でも、風と作者は……。
洪介は命を尊ぶ素晴らしい人生をいきたんだよと--。
うたってくれているようです。
風は今もみていることでしょう。
生きていてよかったね。
命を大切に思って生きられた人たち……。
そう何万年も生きた風だよ!
ほとんどの人間は死んでいく……。
いいえ、すべての人間がこの世に生命をうけたかぎりは死んでいく……。
それを見つづけてきた風なのです。
生きていてよかったね。
命を大切に、勇気をもって生きられた人!
合掌。
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