香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

エンドロール

2014-07-03 21:52:21 | 本のこと
鏑木蓮さんの
『エンドロール』



老人から青年へ継承される想いを描いた、温かな奇跡の物語。

映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、
アパート管理のバイトをしていた。
ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、
遺品の8ミリフィルムを発見する。
映っていたのは重いリヤカーを引きながらも、
笑顔をたやさない行商の女性だった。
門川は、映像を撮った帯屋に惹かれ彼の人生を辿り、
孤独にみえた老人の波瀾の人生を知る。
偶然の縁がもたらした温かな奇跡。
(『しらない町』改題文庫化)。2011年さわべス受賞作


面白くて、一気に読んでしまいました
一人で生まれ、
 多くの方と縁を作り、
  そして一人で旅立つ。

自分の人生を人のせいにして
毎日を過ごしていた若い門川が
帯屋の死に関わったことで
知らない間に変わっていく
それは、自分だけが変わるのではなく
関わっている周りの人たちとの関係も変わる
そんな様子や
戦争での記憶を背負って生きている
老人たちの苦しみや後悔
色々なことがギッシリと、
でもゆるやかに映し出されている
映画のような小説でした

以前、大原麗子さんが亡くなった時に
こぞって孤独死と報道され語られましたが
大原麗子さんの記憶に残る女優生活と人生を
どんな人間にも否定できることじゃないし
死んでしまった瞬間よりも
その人がどうやって生きてきたか
笑って、泣いて、一生懸命生きていた
その事実を無視して、死に方だけが大事みたいな
そんな風潮に、すごく上から目線を感じたし
嫌悪してやまなかったことを思い出しました


この頃、よく聴いているのが
中山うりさんのNewアルバム『鰻』

1. 時々ドキドキ
2. 寝ても覚めても
3. 月曜日の夜に
4. 蒼いアジサイが泣いている
5. ガパオNo.5
6. るるるるる
7. 哀しきサングラス
8. 8月のコラール
9. トロントさん
10. 石神井川であいましょう


程よく気が抜けて、心地好いアルバム
今年は札幌でライブのあるうりさん
初めて、お会い出来ます