香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

さよならドビュッシー前奏曲

2012-06-10 20:21:15 | 本のこと
中山七里さんの
 『さよならドビュッシー前奏曲~要介護探偵の事件簿』

 『さよならドビュッシー』の玄太郎おじいちゃんが主人公に
 なって大活躍!脳梗塞で倒れ、「要介護」認定を受けたあと
 も車椅子で精力的に会社を切り盛りする玄太郎。ある日、彼
 の手掛けた物件から、死体が発見される。完全密室での殺人。
 警察が便りにならないと感じた玄太郎は、介護者のみち子を
 巻き込んで犯人探しに乗り出す・・・。「要介護探偵の冒険」
 など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。


以前読んだ『さよならドビュッシー』の前奏曲
玄太郎おじいちゃんは火事で死んじゃっていたので
あまり印象に残っていなかったんだけど
この小説の玄太郎おじいちゃんは、とても魅力的
「障害障害と言うが,何をもって障害と言うのか。案外、それは本人次第では
ないかな。わし自身は障害ではなく単に足腰が弱ったくらいにしか思っておら
んが、世の中には多少指の自由が利かんぐらいで人生を拗ねる者もおる。そう
考えるとなぁ、障害というものは外観よりもその裡で本人がどう捉えているか
によるものではないかな。」
「この国の政治家はやれ無能だやれ幼稚だと言われとるが、それでも代議士で
ございとのうのうとしていられるのは、国民が有能だからじゃよ。普段は無責
任な奴らのラッパに踊らされ、右なら右、左なら左と付和雷同しているようで
も、いざ国難となればリーダーなんぞ不在でも一つになって立ち向かう気概が
ある。それが戦争という曲面で作用してしまう不幸もあるが、たかが政治の動
きに一喜一憂する必要はない。」
ってね、なんか元気になるおじいちゃん
短編なので、するすると一気に読めました