窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

・IAEAの報告は妥当か?・計画避難最終日までの積算被ばく量実績値。

2011-06-03 01:48:43 | Weblog
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・東北関東大地震の被害にあわれた皆様方にお見舞いを申し上げます。・
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・インフルエンザ患者発生の状況です。

・感染状況の経緯と予報                    
 ・第36週(9月 6日~12日) ・2010年のインフルエンザ シーズンの開始    
        ・・・・・       
 ・第 4週( 1月24日~30日)・18の県が警報、29の県が注意報レベル到達。
                    ・全国平均がピークに到達。
        ・・・・・       
 ・第20週( 5月16日~22日)・16県が定点1人未満・沖縄は注意報レベル継続。                                            
 ・第21週( 5月23日~29日)      
 ・第22週( 5月30日~ 5日)       ・・・・今週・・・・
                  ・全国平均が定点1.00人を切り、流行終息。(予報)      
        ・・・・・       
 ・ウイルス サーベイランス状況
  ・占有率(3週移動平均)%
               15週   16週   17週  18週   19週  20週
   A(H1)pdm      0     1     2     2     1     0
   A(H3)         33    35    41    42    32    33
   B             65    64    57    56    67    67

 新型が0%で、A香港型も33%、B型も67%とほぼ横ばいです。

 ・定点状況推移(人)
               15週   16週   17週  18週   19週  20週
  2011年定点データ  6.42  7.56  6.75  3.38  1.97  1.62

 ・定点確定値です。                  
                        定点あたり   定点合計    全国推計
 ・第 4週( 1月24日~30日)    31.88人   157381人    176万人
  (ピーク到達)
        ・・・・・       
 ・第18週( 5月 2日~ 8日)     3.38人    16531人    17万人
 ・第19週( 5月 9日~15日)     1.97人     9675人    10万人
 ・第20週( 5月16日~22日)     1.62人     7931人     7万人

 ・患者報告数の予報です。
  ・第21週( 5月23日~29日)     1.21人     5869人    5.9万人

  ・ 3日                      0.13人               0.62万人
  ・ 4日                      0.12人               0.60万人
  ・第22週( 5月30日~ 5日)     0.93人     4498人    4.5万人

 ・本日終了時点での累積患者数(全国推計値) 1375.0万人   
  (今シーズンの合計です。)      

  内、新型インフルエンザの累積患者数      690.6万人

  新型インフルエンザの累積患者数     
  (2009年第28週以降の合計)
  本日終了時点                   2765.5万人  100人に21.7人

 ・累積患者数の予報。(2010年36週以降)
  ・第22週( 6月 5日)               1376.2万人  

・入院状況(第20週)
 今シーズン
 ・重症化(合計)      458人( 5月22日現在)    重症化率  0.0034%
 ・重症化(新型分)    242人( 5月22日現在)    重症化率  0.0035%

 ・死亡(含む疑い例)   185人( 5月22日現在)     致死率   0.0014%

       今シーズン              先シーズン
 重症化率・・・・0.0034%          0.0075%
 致死率・・・・・・0.0014%          0.00097%

 重症化と致死率が上昇してますが、小数点以下5位がちょうど4と5の間を行ったり
 来たりの影響で数字が上下しています。

 実情はほとんど横ばいですね。

・予報精度経緯
                      予報      確定値     予報誤差
 ・第17週( 4月25日~ 1日)  7.49人    6.75人   +11.1%
 ・第19週( 5月 9日~15日)  3.22人    1.97人   +61.3%
 ・第20週( 5月16日~22日)  1.22人    1.62人   -25.6%

 今回の定点合計報告数は7931人で、当ブログ予報は5902人でした。

 今回予報誤差はー25.6%になり、予報誤差範囲を外れました。

 ちなみに、09年の第34週から今までの平均予報誤差は±21.0%です。

・コメント

 感染力を持っている、いわゆる「ホット」な患者数は5万人程です。、

 新型は0%、A香港型は67%、B型は33%の占有率です。


 新型インフルの2009年の流行からの累積患者数は2765.5万人で、
 これまでに100人に21.7人が感染したことになります。

 そのうち未成年者は1873万人で、100人に77.0人が感染したことになります。

 成人は891万人で、100人に8.6人が感染したことになります。

PS

・・福島原発事故関係情報・・

・・6月2日状況・・

IAEAの調査報告詳細

IAEAの報告ですが、やはりシビア・アクシデントと呼ばれる事故への対応計画が
甘いとの指摘です。

ほとんど準備ができていませんでしたものね。

水素爆発させたのも失点でした。

特に初動対応時、3つも4つもの組織が存在し、情報共有できず混乱したのも
マイナス点です。

ただ、そのような準備の悪い状況下でしたが、現場での初動対応はまあそれなり
という評価でした。

吉田所長のがんばりを評価してもらえたようです。


IAEAのスタンスは「安全な原子力利用の推進」ですから、脱原発とは違います。

それでも総合点で50点の評価でしょうか。

日本への遠慮もあるでしょうから、50点ではまあ「不可」ということでしょう。

落第ですね、日本の原子力村の出来は。

あれだけの事故を起こしたのですから、当然といえば当然でしょうか。


他方、住民の避難については「おおむね良好」としている。

これは明らかに事実を認識できていないということですね、IAEAさん。


それともこれも政治的配慮の一環ですか、IAEAさん。

前回は「飯舘村は避難したほうがいい」と言ったらずいぶん日本の専門家の皆さん
、反発してましたものねえ。

それに懲りたので、今回はそっとしておこうと、、、。

・・放射線状況

・・・原発北西20km超え地点での推移(官房長官及び文科省発表)

15日PM8時40分・・・330μ・Sv/H(車外)   北西20Km地点
            ・・・300μ・Sv/H(車内)   

16日~23日の単純合計・・・(1549.8μ・Sv/H)     
24日~4月12日の単純合計・・・1296.6μ・Sv/H     
13日~ 15日の単純合計 ・・・(131.6μ・Sv/H)     
16日~5月2日の単純合計 ・・・726.2μ・Sv/H     
 3日~ 12日の単純合計 ・・・449.4μ・Sv/H     
13日~ 22日の単純合計 ・・・405.8μ・Sv/H     

23日・・・39.0μ・Sv/H      24日・・・39.0μ・Sv/H
25日・・・40.0μ・Sv/H      26日・・・40.4μ・Sv/H
27日・・・38.2μ・Sv/H      28日・・・38.8μ・Sv/H
29日・・・38.4μ・Sv/H      30日・・・32.0μ・Sv/H
                     以上( )内数値は実測値からの推定値です。

30日予測値・・38.5μ・Sv/H  実測32.0μ・Sv/H  予測誤差+20.3%
31日予測値・・38.1μ・Sv/H  実測39.9μ・Sv/H  予測誤差 -4.5%
 1日予測値・・31.8μ・Sv/H  実測37.2μ・Sv/H  予測誤差-14.5%
 2日予測値・・39.6μ・Sv/H
 3日予測値・・36.9μ・Sv/H

 ・・・15日15時からの推定積算放射線量

本日終了時点     推定値・・・128878μ・Sv (128.9m・Sv)

到達予報
126m・Sv・・・5月31日(計画避難最終日)
152m・Sv・・・6月30日
345m・Sv・・・爆発から1年後

政府予報  ・・・但し5月16日政府発表の数値を終日屋外にいた場合に修正
376m・Sv・・・来年3月11日(地震から1年後)

3月20日終了時点で被ばく量が計画避難基準の20m・Svを超えてます。

4月19日終了時点で被ばく量が避難基準の50m・Svを超えてます。

    但し避難の日にちの推定には安全委員会係数0.6を使用
    (安全委員会係数0.6については4月20日、21日記事を参照願います。)

・・・原発北西30km超え地点での推移(官房長官及び文科省発表)
   以下、すべて北西30km超え地点

15日PM・・・(147μ・Sv/H)   

16日~4月 4日の単純合計・・・1414.5μ・Sv/H     
 5日~  24日の単純合計・・・503.7μ・Sv/H     
25日~5月14日の単純合計・・・404.0μ・Sv/H     
15日~  24日の単純合計・・・188.1μ・Sv/H     

25日・・・ 18.7μ・Sv/H      26日・・・15.3μ・Sv/H)
27日・・・ 17.3μ・Sv/H      28日・・・19.6μ・Sv/H)
29日・・・ 22.8μ・Sv/H      30日・・・16.5μ・Sv/H)
                     以上( )内数値は実測値からの推定値です。

30日予測値・・19.3μ・Sv/H  実測16.5μ・Sv/H  予測誤差+17.0%
31日予測値・・22.5μ・Sv/H  実測17.5μ・Sv/H  予測誤差+28.6%
 1日予測値・・16.3μ・Sv/H  実測17.1μ・Sv/H  予測誤差 +4.7%
 2日予測値・・17.3μ・Sv/H
 3日予測値・・16.9μ・Sv/H

 ・・・15日15時からの推定積算放射線量

本日終了時点   最大推定値・・・65955μ・Sv (66.0m・Sv)

到達予報
65m・Sv・・・5月31日(計画避難最終日)
77m・Sv・・・6月30日
180m・Sv・・爆発から1年後

政府予報  ・・・但し5月16日政府発表の数値を終日屋外にいた場合に修正
208m・Sv・・来年3月11日(地震から1年後)

4月2日終了時点で被ばく量がすでに計画避難基準の20m・Svを超えてます。
            (但し避難の日にちの推定には安全委員会係数0.6を使用)

・・福島市の状況(原発から北西65km地点)

データは福島市役所の値と文科省データ、新聞データを使用。

15日・・・24μ・Sv/H  

16日~4月 5日の単純合計・・・127.25μ・Sv/H     
 6日~  25日の単純合計・・・39.14μ・Sv/H     
26日~5月14日の単純合計・・・32.6μ・Sv/H     
15日~  24日の単純合計・・・16.2μ・Sv/H     

25日・・・1.60μ・Sv/H      26日・・・1.60μ・Sv/H     
27日・・・1.60μ・Sv/H      28日・・・1.60μ・Sv/H     
29日・・・1.60μ・Sv/H      30日・・・1.60μ・Sv/H     

30日予測値・・1.59μ・Sv/H  実測1.60μ・Sv/H  予測誤差 ー0.6%
31日予測値・・1.59μ・Sv/H  実測1.60μ・Sv/H  予測誤差 ー0.6%
 1日予測値・・1.59μ・Sv/H  実測1.60μ・Sv/H  予測誤差 ー0.6%
 2日予測値・・1.59μ・Sv/H  
 3日予測値・・1.60μ・Sv/H  

・・・15日17時からの推定積算放射線量

本日終了時点   積算最大推定値・・・6124μ・Sv (6.12m・Sv)

到達予報
6.1m・Sv・・・6月 2日
7.1m・Sv・・・7月 2日
16.0m・Sv・・爆発から1年後

政府予報  ・・・但し5月16日政府発表の数値を終日屋外にいた場合に修正
25.0m・Sv・・来年3月11日(地震から1年後)

福島市を含めて、郡山、本宮、二本松、伊達など65km圏内は残念ですが場所に
よっては十分に安全とは言い切れずグレーゾーンの模様です。


以上より一般人の年間許容量と現状をまとめます。

一般住民、原発の一般職員で1m・Sv(日本の法律での取り決め。)
原発作業員(女性、妊娠中)は年間で1m・Svが上限。

・・4月18日より福島入りの原安委の先生方の本日終了時被ばく量1.335m・Sv

・・日本在住の米国民(80km避難)の被ばく量は本日終了時点で2.24m・Sv

自然界からの年間放射線量は世界平均で2.4m・Sv(日本平均は1.5m・Sv)
原発作業員(女性)は3か月で5m・Svが上限。

・・福島市(北西65km)の本日終了時点での被ばく量は6.12m・Sv

アメリカ国民は10m・Sまで。
原子力安全委員会ルールでは10m・Sv~は屋内退避が必要。

ドイツの原発作業員は20m・Svまで。
放射線作業従事者(病院など)は20m・Sv
自衛隊員で20m・Sv
計画避難基準は建前上20m・Svに設定。(ICRP勧告を採用)
保安院と原安委の本音は「一般人でも48.5m・Svを我慢しろ」というもの。
           (この件、詳細は4月15日の記事を参照願います。)

消防署員は30m・Sv・・(今回ハイパー レスキュー隊員最大被ばく量27m・Sv)

原発作業員は通常は1年間の最大値が50m・Svまで。(日本、アメリカ)
原子力安全委員会ルールでは50m・Sv~は避難が必要。

・・本日終了時点での北西30km超え地点の累積放射線量66.0m・Sv

宇宙ステーション滞在の若田さんは72m・Sv、結構厳しい仕事です。
TVにご出演の数名の先生方の意見では「100m・Svまでいいよ。」と。
           (この件、詳細は4月15日の記事を参照願います。)
100m・Sv・・・後日の健康被害の発生が心配される値でもあります。
       (がんによる死亡率が0.5%ほど増加するという情報あり。)

・・本日終了時点での北西20km超え地点の累積放射線量128.9m・Sv

200m・Sv・・・数種のがんによる過剰死亡率の有意な上昇が認められる。
         (国連委員会UN94A406参照、放射線と健康・岩波新書より)

コメント

・・計画避難最終日(5月31日)での被ばく結果まとめ(実績値)

・・4月18日より福島入りの原安委の先生方の被ばく量1.253m・Sv
・・日本在住の米国民(80km避難)の被ばく量2.20m・Sv
・・福島市(北西65km)の被ばく量6.01m・Sv
・・北西30km超え地点の被ばく量64.7m・Sv
・・北西20km超え地点の被ばく量126.2m・Sv

・安全委員会係数0.6を考慮するとこうなります。(政府計算方式)

・・4月18日より福島入りの原安委の先生方の被ばく量0.752m・Sv
・・日本在住の米国民(80km避難)の被ばく量1.32m・Sv
・・福島市(北西65km)の被ばく量3.61m・Sv
・・北西30km超え地点の被ばく量38.8m・Sv
・・北西20km超え地点の被ばく量75.7m・Sv
  
  (政府・文科省発表資料と整合しない理由は4月27日記事を参照願います。)


政府計算方式ですと、原安委の先生方とアメリカ国籍の方はそれぞれの国の法律を
ちゃんと守っておられるようです。

残念ですが、福島市を含んでそれより内側の方がたは全て法律違反になります。

違反させながら知らんぷりしているのは日本政府ですね。

・・注意情報 ・・31日で皆さん避難したとは思うのですが・・・。

窓際日記の最大推定と政府想定方法による本日終了時点で緊急避難、避難
及び計画避難、屋内退避の北西方向の対象範囲です。

但し政府の想定方法は安全委員会係数0.6が前提です。
    (安全委員会係数0.6については4月20日、21日記事を参照願います。)

                窓際日記推定   政府想定方式   政府発令指示
緊急避難(100m・Sv以上)・・25km以内   (・・・18Km以内)

 避難  (50m・Sv以上)・・・34Km以内   ・・・28Km以内   20km以内

計画避難(20m・Sv以上)・・・49km以内   ・・・41Km以内   45km以内    

屋内退避(10m・Sv以上)・・・59km以内   ・・・51Km以内   (30km以内)

法律遵守(1m・Sv以下) ・・・92km以遠   (・・・85Km以遠)

現時点での窓際計算では25km以内は緊急避難エリアに突入です。(レッドゾーン)

28km以内では政府想定方法ですでに避難限界に到達しているのがわかります。

年間で政府想定方法での20m・Svに放射線量を抑えるなら、41km以内の方は
即座に避難する必要がありそうです。


計画避難が5月31日で完了しているはずなのですが、本当に終了しているのか
確認できていません。

あまりマスコミの皆さん、避難終了確認は熱心ではないようです。


窓際日記推定は原発爆発以後の終日屋外での積算放射線量になります。

政府の計算は平均値狙いで、窓際日記の計算は最大値を求めるようにしています。

窓際計算の心は「住民サイドに立った計算」ということですね。

以上、御参考にしていただければと思います。
コメント
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