窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

新型インフルエンザ・ワクチン問題の本質

2010-02-04 02:20:11 | Weblog
授業料が1000億円というのは少し高いとは思いますが、今回得た教訓を生かせない
としたら、それこそ「1000億円をドブにすてる。」ようなものです。


まず最初に指摘しなくてはいけないのは、新型インフルエンザ対応ワクチンの
生産開始の遅さです。

ワクチンメーカーと国の関係がどうなっているのかよく分かりませんが、今回は
すでに作り始めていた「季節性インフルエンザ用ワクチン」の生産を優先しました。

その結果、「新型インフルエンザ用ワクチン」はようやく11月になってから出荷になり
その時にはすでに北海道、東京をはじめとして流行のピークエリアに日本全国が
突入していました。

いつもの季節性インフルエンザの流行タイミングならぎりぎり間に合ったかも
しれませんが、真夏の流行開始宣言の「新型インフル」には全くの手おくれです。

季節性インフル用ワクチンの生産を優先させた判断が「その時点では」最良だったのか
よくよく検証する必要がありますね、長妻さん。

それに「季節性インフルエンザ」はどこかへ行ってしまって、姿形もありませんし。


さて、今回のウイルス君の「日本上陸」は4月下旬ごろと推定されます。

そこから感染倍率1.3倍程度でずうっと11月まで感染者数が増加してきました。

上陸から6か月で流行のピークに到達した訳です。

逆にいいますと、国内での感染者発生から6か月しか「時間」がありません。

ピーク到達時には免疫を持つようにする為にはその1か月前には「接種」をしている
必要があります。

くわえて流行が本格的に始まる前に免疫を持たせるためには、さらに1か月の
前倒しが必要です。

そうすると、国内での患者発生が確認されてからワクチン製造に許される時間は
「4か月」となります。


現状のワクチンのつくり方や設備規模からいって、4か月で必要なワクチン量を
確保するのは、ほとんど「絶望的」でしょう。

ワクチン製造について「最良の判断」ができていたとしても「パンデミック・インフル
エンザ用ワクチン」は流行には間に合いません。

これが「日本の今の現実」でしょうか。

どうしても「ワクチン接種の優先順位付け」が必要になりますし、ワクチンなしで
どうやって「戦う」のかも十分に考えておく必要があります。

あるいは「パンデミック・ワクチンを4か月で国民全員分揃えるようにする。」のか。

どういう「政治的判断」をするのでしょうね、鳩山さん。


今回、「機内検疫」がほとんど「ザル」であったこともよく分かりましたし、沖縄のように
「米軍基地からの感染拡大」がありうるという事もよくわかりました。

長妻さん、課題は山積みですがくれぐれも「本質をつかんだ」見直しをよろしく
お願いします。

次にくる「新型インフルエンザ」が今回のように「やさしいインフルエンザ」であるとは
限りませんので。


・新型インフルエンザ患者発生の状況です。

・流行の終息状況         
 ・第52週(12月21日~27日)    ・北海道が警報解除
 ・第53週(12月28日~3日)     ・沖縄(3回目ピーク)     
 ・第 1週(1月 4日~10日)                 
 ・第 2週(1月11日~17日)     ・北海道がほぼ終息         
                        ・33都道府県が定点10人未満        
 ・第 3週(1月19日~24日)     ・青森がほぼ終息
                        ・28都道府県が定点10人未満        
 ・第 4週(1月25日~31日)           
 ・第 5週(2月 1日~ 7日)     ・・・・・・・今週・・・・・・・       

 ・流行終息度      79.0%

 ・感染倍率        0.95倍 

 ・定点あたり報告数の順位(トップ10)

 ・定点確定値です。                  
                        定点あたり   定点合計    全国推計
 ・第48週(11月23日~29日)   39.63人    190801人    189万人
 (第48週がピーク)
    ・・・・
 ・第 1週( 1月 4日~10日)    9.18人     43759人    59万人
 ・第 2週( 1月11日~17日)    8.13人     39053人    48万人
 ・第 3週( 1月18日~24日)    9.03人     43436人    48万人

 ・患者報告数の予報です。
  ・第 4週( 1月25日~31日)     7.81人    37519人    41.5万人

  ・ 4日                       1.05人               5.6万人
  ・ 5日                       1.04人               5.5万人
  ・第 5週( 2月 1日~ 7日)     7.32人    35175人    38.9万人

 ・本日終了時点での累積患者数(全国推計値) 2035.7万人   100人中16.0人
  (第28週以降の合計です。)      

 ・累積患者数の予報。
  ・第 5週( 2月 7日)               2052.0万人  100人中16.1人
  ・第 6週( 2月14日)               2088.3万人  100人中16.4人

・入院状況
 ・入院         16570人( 1月26日現在)     入院率   0.084%
 ・重症化         1413人( 1月26日現在)    重症化率  0.0071%
 ・死亡(含む疑い例)   184人(2月 1日現在)      致死率   0.00091%

・予報精度経緯
                      予報      確定値     予報誤差

 ・第 1週( 1月 4日~10日) 10.42人    9.18人   +14.3%    
 ・第 2週( 1月11日~17日)  7.72人    8.13人    -5.8%    
 ・第 3週( 1月18日~24日)  7.29人    9.03人   -19.4%    

 今回の定点合計報告数は43436人で、当ブログ予報は35005人でした。

 今回予報誤差はー19.4%になります。

 第34週から今までの平均予報誤差は±18.0%です。

・コメント

 入院患者数は本日累積で17100人になります。(平均予報誤差は±2.6%です。.)

 感染力を持っている、いわゆる「ホット」な患者数は40万人程です。


 累積患者数2035.7万人で、全人口の100人に16.0人が感染しました。

 そのうち未成年者は1506万人で、100人に61.9人が感染したことになります。

 成人は529万人で、100人に5.1人が感染したことになります。

 累積患者数の平均予報誤差は±3.4%です。



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