1967年の新生ムーディー・ブルース誕生から5年経った1972年に7枚目のアルバム、Seventh Sojournが出て、その後行われたライブ・ツアーの後一連のバンド活動を停止し、メンバー各人がソロ活動をスタート。
更に時は流れ、バンド・メンバーが再集結しアルバム制作の機運が高まるも、初代ムーディー・ブルースのメンバーの一人で中心的な存在であったメロトロンマンのマイク・ピンダーは彼のカリフォルニア移住によって価値観が変わったのか、その動きには消極的だったらしい。
バンド・メンバーが彼の元に立ち寄り説得を重ね、プロジェクトはスタート。
ただレコーディング・セッションにおけるマイクと他のメンバーとの対立からマイクはセッションから離脱、また長年プロデューサーを務めてきたトニー・クラークもそれが原因で離脱と散々な再結成となった。
マイク離脱の穴はエンジニアによるストリングスのダビングで埋められた。
そして出来上がったアルバムは、それまでのアルバムの一連の続編としてOctave(第8音)のタイトルで1978年発売に至る。
(あれっ? マイクがいない!)
(ジョン・ロッジの後ろ姿に隠れていたからだったが、何となく彼の存在感が薄くもうメンバーじゃ無いって感じのジャケ・デザインかな?)
個人的な印象としては、それぞれの曲の出来は良いのだけれど、それ迄のムーディーズの売りだった英国プログレ伝統の重厚で翳りのある味わいが消えて、アメリカンナイズされたライトでポップな味付け(特にストリングス、サックスやホーンのアレンジ)に聴こえる。
それもそのはず、多分マイクにレコーディング参加してもらうための配慮があったためだったのか、それ迄のイギリス録音ではなくマイクの移住先のロス・アンジェルスのレコード・プラントでの録音だった。
やっぱりアメリカでの録音じゃ英国的プログレの良さは出し切れないって事ですかね?