60年代末から70年代中頃にかけて全盛時代を謳歌したプログレ・ロックもネタが尽きたのか、聴き手の方に飽きが来たのか次第にその人気に翳りが出始めた。
イエスは1978年にアルバム、Tormatoを出した後は完全に方向性を見失い、新たなバンドとしてやり直すという動きもあったし、ELPなんかは3人のソロ・アルバムを一つにまとめたやっつけ仕事の様なアルバム、Worksを制作し、もうバンドの体を成していなかったような。ジェネシスに至っては、プログレ・バンドとしてのピーター・ガブリエル脱退の穴は埋め難く、苦慮しフィル・コリンズなどはソロ活動を開始し、ファンキーなサウンドを取り入れたりしてポップ色を盛り込んだ芸風に舵を切り出した。
80年代になってもうプログレは死滅したのか?
と思いきや、イギリスからマリリオンなるバンドが登場。彼らはネオ・プログレ・ロックと称されかってのプログレの様式美やストーリー性を持ったコンセプト・アルバムを出してきた。
1985年のアルバム、Misplaced Childhood(過ち色の記憶)は全英1位と大ヒット。内容はバンドのボーカルだったFishの少年時代の原体験を基にしたコンセプト・アルバムらしい。
個人的には結構聴き易いと部類だ思うけれど、突出した個性、例えばそれまでのプログレ・バンドの十八番とも言えるぶっ飛んだ演奏テクとか印象深いボーカルが見当たらない。
即ち演奏面以外でこのアルバムをよく理解するには歌詞をよく分かっていないとね。ストーリーに入っていけず、アルバムの良さが半減ってことになってしまう。
そんなこんなで、日本では当時それほど話題にはならなかった様な...
じゃあ、何でこのアルバム買ったの?
へへ~ ジャケ買いです。
アルバムのジャケに描かれている少年が何かを訴えているようで、つい買ってしまった。
それに、1曲目のタイトルがPseudo Silk Kimono(偽りの絹の着物)って日本人として何かそそられるものが...
まあ何回かじっくりと聴き返していけば何でこのアルバムが全英1位に輝いたのかそのうち理解できるかも。