風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

2012-5 五浦・天心の六角堂2

2012-05-27 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
その1からの続きです。

入り江の向こうの公園は、近く見えるのに「徒歩では行けない」と係の人に言われたその意味がわかりました。
この辺りはリアス式海岸なので、土地も隆起がはげしいのです。
海沿いはアップダウンのきつい、くねくねした急坂になり、「これは歩けないね」と私たちも納得しました。
小高い丘の上に、五浦岬公園はあり、そこから望む太平洋は格別でした。
広い大海原が、遠くまで見渡せます。





少し離れた場所から見る五大堂は、やはり格別でした。
ようやく全景がつかめます。この辺りの海岸線は、クネクネ、ゴツゴツしていて本当に特徴的。
海に突き出した岬に立つその草堂の心もとなさが、よくわかりました。



ここまでは、観光バスも一般車も、そう来ないらしく、ようやくすいた場所から景色をじっくり味わうことができました。
海の向こうに、コンビナートのような工業都市が見えます。
azさんが「あの辺り、鹿島じゃないかな」と言いました。
おお、懐かしの鹿島。ということは、鹿島からも五浦が見えるということなんですね。





遠くを見ている分にはいいのですが、すぐ下を見下ろすと、結構な断崖絶壁。
私たちが捕まっている金網柵も、なんだか緩んでいます。
誰もが体重をかけて見晴らしを楽しんでいたら、いつか誰かが柵ごと落ちてしまいそう。
写真だと良く伝わりませんが、結構な高台になっています。
でも、海は底が見えるほどきれいなので、まあいいかな!?



特攻隊長azさんと撤退隊長の私は、公園を外れて、草の生い茂った、崖ぞいの道なき道に分け入ってみました。
五大堂の眺望は美しく、堪能できましたが、そこに打ち棄てられた無人の教会を見つけました。
「ホープチャペル五浦」と書かれています。
入口の柱が浮き上がり、隣の納屋は完全に傾いて破壊寸前。
向かいには、「忠犬ジョン之碑」と書かれた大きな石碑がありましたが、上の台座から、犬の像が下に転げ落ちたままになっていました。
(手を合わせましたが、ちょっとこわくて、撮影はできませんでした。でもみんなに愛された忠犬だから、大丈夫なはず・・・)



この教会が打ち棄てられ、廃墟となったのは、震災が原因でしょうか。
今なお、屋根にブルーシートがかぶせられている家や、なんとなく入口ファサードが歪んでいる家があるなど、やはりここも震災の被害を直接受けた地域なんだとわかりました。
それにしても、不思議すぎる謎空間です。そして場所は、太平洋の荒波がうちつける断崖絶壁。気をつけなくっちゃ~!

これだけ書くと、かなりミステリースポット的ですが、うっそうとした林の中でも、木漏れ日が明るい光を降り注ぎ、鳥たちの幸せそうなさえずり声がずっと聞こえていたので、恐怖で叫び出すこともなく、道に戻ることができました。



駐車場の隣には、白い大津岬灯台がありました。
防波堤や岬に立っているわけではなく、六角堂よりもはるかに安全な場所にある灯台。
六角堂の石灯籠の方が、灯台の役割を果たしていそうです。
そうした立地が幸いして、震災の被害は受けなかったようです。



それから、海岸沿いの「大浜丸 魚力」で、食事にしました。
お店のブログを読むと、高台にあるこの場所は、津波こそはかぶらなかったものの、建物が倒壊して、再開に1年ほどかかったようです。
ウッディな店内からは、まっすぐ海が見え、眺望ばっちりです。
巨大なあんこうの剥製が飾られていました。



さしみ定食の特上を頼んだら、船盛りの御膳が来て、驚きました。
てっきり一つで二人分かと思ったら、これで一人前。。。
さらに岩がきも頼んだので、おなかいっぱいになりました。
牡蠣もクリーミィで、おいしかった~。
この辺りは、磯の恵みの地ですね。





すっかりおなかがいっぱいになったところで、帰途に着きます。
のんびりしていたら、3時半になっていました。
帰りも混雑もなく快適ですが、西日が横から差し込んできて、なんだかとっても眠くなってしまい、何度も眠りの国に引き込まれそうになりました。

都内に入り、azさんのリクエストで、この前オープンしたダイバーシティに行ってみました。
フジテレビの向かいにできた複合施設で、外から見るとさほど大きく見えませんが、中に入るととても広くてうろうろします。
休日なので、押すな押すなの人混み。北茨城帰りの身には慣れておらずにあっぷあっぷしてしまいます。



屋上庭園があるというので、見に行ってみました。
もうこの日の営業は終わっていましたが、ちゃんと畑を整備している人もおり、本格的でした。



それから、等身大ガンダムを見ました。
ガンオタでもないし、特に気になるわけではありませんでしたが、実際に見てみると、めちゃくちゃ格好良くて、azさんと(うわあ!)とテンションが上がりました。











足が長ーい!頭より足が大きーい!
時々ポーズを変えてくれるのかしら。
ASIMOみたいに踊ってくれたら楽しいですね。
ガンダムの隣の特設ステージでは、2PMのメンバーが公開イベントをしており、キャーキャーと黄色い歓声を挙げる女性ファンの熱気が半端なかったです。



天から刺さった金の矢のような、細長いオブジェもありました。
再び車に乗りこみ、川崎の工場夜景を見ながら帰ります。







この辺りは、夜になると、昼間の工業地帯からは想像できないような、キラキラした夢のようなスポットになります。
この道路も、前にも後ろにも車はなく、貸し切り状態で気持ちよくドライブできました。



リアス式海岸といったら三陸を連想しますが、茨城でも遜色ない、大迫力の複雑隆起海岸が見られることを知りました。
そして天心と周囲の人々の複雑な人間関係も。
名声を捨て、都会を離れて荒々しい自然を日々見つめながら暮らした天心の激しい人生が、少しだけわかったような気がしました。


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