風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

高崎だるまと観音さま 1

2017-09-08 | 北関東(茨城・栃木・群馬)
● prologue

8月に入りました。
世の中夏休みシーズンだし、私もどこかでリゾート気分を味わおうかな。
と思いながら、またもやお寺巡りに行くことに。

この夏は、集中的にお寺を訪れています。
数年間かけて挑戦中の、百観音巡礼のコンプリートまで、あともうちょっとになってきたからです。
ゴールが見えてきたので、謎の元気が出て、ラストスパートをかけ始めたところ。

今回の目的は、坂東三十三箇所の水澤観音と白岩観音。
坂東巡り仲間のミカンさんと一緒に向かいました。

● 東京越えに一苦労群馬に

高崎駅までなら電車でも行けますが、目的地はそこからさらに距離があるため、車で行きます。
学校は夏休みですが、この日は平日なので、うっかり朝の通勤ラッシュにはまってしまいました。
箱根や伊豆方面に行く時には影響をうけませんが、東京を越えていく時は道路がなかなか動きません。
用賀を越えても渋滞は続きます。高井戸を越えてから、ようやく動き始めました。



● 上里SA

上里SAでいったん休憩。
お土産エリアには、関東近辺のさまざまな食べ物が並んでいます。
見ているうちに、今どこにいるのかわからなくなってきました。



「あれ、ここって何県だっけ?」
「上里=上田の里」のイメージで、長野かと思ったら、埼玉なんですね。
埼玉と言うのは意外でしたが、県境近くにあり、車を走らせるとすぐに群馬に入りました。

● スマートIC初体験

ところで最近は、スマートICという高速の出口があるんですね。
高速を降りる時に知りました。
SAの中にあるようで、SAの奥まで回り込んでみると、本当に建物の裏側にひっそりと出口がありました。



そこを出るとすぐに一般道。
わあ、便利。バリアフリーみたい。(違うけど)
もちろん入り口にもなっています。
運転して高速に入るのがコワい私にとっては、入りやすそうです。

群馬に入ると、山が多いなあと感じます。
見慣れない、ゴツゴツした形の山。
ひとつの山に起伏があるというよりも、たくさんの山が重なり合って見えているんでしょう。



● 五徳山 水澤寺(No.16)

水澤観音と白岩観音、どちらを先に廻ろうかと考えます。
どちらもきれいな名前のイメージ。
「ランチに水澤うどんを食べたいね」というのが決め手になって、先に水澤寺に行くことになりました。



坂東巡り16番目のお寺、水澤寺。
参拝者の鳴らす鐘の音が境内に響きます。



以前榛名山に行く途中にここをお参りし、すでに御朱印もいただいているので、今回は参拝のみ。



古めかしく重々しい雰囲気がよく、また訪れたいお寺でした。



人がすっぽりと入るほど大きな提灯が下がっています。
天井には龍。その両脇には天女。迦陵頻伽(かりょうびんが)かも。



うどんが有名なように、水がとても豊か。
みずみずしい気持ちになります。



以前訪れた時は参拝客でごった返しており、六角経堂の経蔵を回したいなと思っても、長い行列ができていたので、あきらめました。
今回は人が少なかったので、心ゆくまで回すことができました。



● 名物水澤うどん

お寺を参拝した後は、お待ちかねのうどん。
門前町のように数々の水澤うどん店が立ち並んでいる中から、前にミカンさんが入ったという田丸屋に入りました。



1582年創業の老舗。入り口には金屏風のようにあつらえた靴入れがあります。
大きなお店で、中は広々としています。
『千と千尋の神隠し』の湯屋のような贅沢感。


胡麻と醤油の二色つゆの布袋様福膳


私はばらのりうどんを注文。
うどんとは思えないくらいの細麺でした。
しっかりコシがあり、味わっていただきました。
うどんつゆではない、塩味の薄味つゆがシンプルで、麺のおいしさが引き立ちました。


ばらのりうどん


群馬では、ソウルフードの「おっきりこみ」や、「ひもかわ」という薄くてとても太い麺を食べてみたいと思っていましたが、やっぱり水澤まで来たら水澤うどんですね。
「帰りのSAで買えるんじゃない?」
そう、お土産に売っているものよりも、その場所で食べるべきものを優先しましょう。

水澤うどん、本当においしいです。
久しぶりに大きく感激したうどんでした。

● 白岩山 長谷寺(No.15)

ゆっくりしていたら、もう午後になりましたが、まだ一つしかお寺を訪れていません。
「じゃあ、次は白岩観音ね」
連日の猛暑が一段落した、曇りの動きやすい日でしたが、車に乗っている間も雨がポツポツと降ったり止んだりしています。

渋川から高崎方面に戻りましたが、その間にほかの車と一台もすれ違わず、スイスイと次のお寺へ到着しました。
ここが坂東巡り15番目のお寺、長谷寺(ちょうこくじ)。



それほど大きな境内ではありませんが、ちょっと独特な形の赤い仁王門がありました。
横に小窓がついており、開けられるようになっています。
なんのため?撮影用?

全体的に網がかかっているので、うまく撮れないという撮影者の気持ちを汲んで作ってくれたのかもしれません。
そんなわけで、ドアを開けて迫力のある赤い仁王さまをパチリ。



仁王門の先には、こちらも赤い観音堂がありました。
全体的に赤く、どこか異国情緒の漂うお寺です。



● 江戸期の狛犬

ここはお寺ですが、狛犬が護っていました。
しかも古い型だったので、喜んでじっくり観察。
江戸時代に作られたもので、ところどころ補強されていました。
(白くなっている部分です)





御朱印をいただきながら住職に狛犬のことを伺うと、「あれは新しいですよ。百五十年くらい前のもののようですから」と言われました。
それで新しいなんて、時代の流れが悠久だわ~。

● うすさま明王



このお寺にはトイレとシモの神さま、烏枢沙摩(うすさま)明王像もあり、御影とお守りも配布しています。
歌だと「それはそれはきれいな女神さま~」なんですが、お寺でときどき出会ううすさまは、こわい顔をした男の明王。
う~ん、何かが違うわ。
ところが、境内のトイレはシャッターが下りて、使えないようになっていました。
実際のうすさま明王はシャッターの奥に閉じ込められてる~。
おそらく普段は閉まっていて、お寺の祭りのときなどにのみ、開けられるのでしょう。

ちなみにこのお寺には、脳天龍王も祀られています。
こちらは、うすさまとは逆に、首から上を司る神様です。

湿気が上がって、とても蒸し暑くなってきました。
参拝を終えて車に戻り、走り出すと、じきにザーッとスコールのような雨が降り出しました。

その2に続きます。



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