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風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

ちょっと都心の古墳まで-2

2014-05-03 | 東京
その1からの続きです。

○ 田園調布倶楽部 

古墳めぐりをして、当時の人々の暮らしについて学んだら、そろそろお昼時になっておなかが空いてきました。
近くの田園調布倶楽部でランチにします。



ここは、ウエディングパーティもおこなわれるという場所。
雰囲気抜群でした。
頼んだのは、ふわふわオムライス。





ケーキも美味しそうだったので、デザートにいただきます。
るなちゃんは、子供の日風のクマのケーキ、私は母の日風の、バラのケーキ。


バラだから、母の日は関係ないのかも。


ここで彼女に、バレンタインデーのチョコレートのお返しをしました。
ホワイトデー期間に会えなかったため、かなり遅いプレゼントになってしまいました。
のんびりできる、夜も来てみたいお店でした。

○ 丸子川沿いに散策

食後、おなかがいっぱいになったので、また散策を始めました。



先ほどの公園内の赤い虹橋の下を通って、多摩川沿いに出ました。
車道を避けて、多摩川の隣を流れる細い丸子川沿いに散策することにします。
長い石段を登って、田園調布八幡神社をお参りしました。
ここの手水舎は、赤外線サーチで、近づくと龍の口から水が流れます。



この前自転車で通った道をトレースしているので、不安はありません。
程よいところで曲がって、等々力不動に向かいました。
入り口の門には「山笑う」と書かれています。





東京23区内で唯一の渓谷は、もうすっかり新緑の中。大勢の人が散策していました。

○ 等々力渓谷にも古墳あり

暑い日ですが、石段を降りて水際まで行くと、涼しさを感じます。



鬱蒼と生い茂った緑が日光をさえぎっている渓谷では、空気がひんやりしているのです。
みんなが集まるわけですね。
ところどころから湧水が出ているので、遊歩道もしっとりした感じ。
あまり手が入っていない自然に出会えます。



この渓谷にも、都指定史跡の横穴古墳があります。
本当に、このあたりは古墳がたくさん。
ガラス越しに見学できますが、今回は古墳のある逆側に小川を渡ってしまったので、(まあいっか)とパスしました。



玉沢橋のところで環八通りに上がり、今度はUターンをして自由が方面へと戻ります。
帰りは電車にしようかなと思いましたが、二人ともまだ歩けそう。
「この道は、いつも車で通るからわかるわ」とルナちゃん。

○ 九品仏の青髪阿弥陀

環八通りから左に道をそれ、九品仏へと行きました。
ここも緑が深くてきれい。



「五重相伝会開筵」となっています。
なんのことでしょうか?
浄土宗の信徒向けに、念仏の教えを五つの順序にしたがって伝える法会のことだそうです。



3つある阿弥陀堂の1つが開いており、青い髪の鮮やかな阿弥陀如来像を拝見することができました。
ただ、境内は大掛かりな工事中で、あまり写真は撮れませんでした。



ここのお寺では、3年に一度、「お面かぶり」という行事が行われます。
本堂と阿弥陀堂の1つ、上品堂の間に渡された橋を、菩薩の面をかぶった僧侶たちが渡るのです。
ちょうど今年がその3年目。8月に行われるとのこと。
過去2回、暑さに負けて行けずじまいでしたが、一度は見学したいものです。

○ Robeks Juice

九品仏から自由が丘まではすぐ。東横線沿いに戻ってきました。
暑い中、等々力まで行って戻ってきたので、さすがに足もちょっと疲れてきています。
でも、連休の午後のカフェはどこも人でいっぱい。



彼女に連れられて、ロベックスジュースに行ってみました。
このお店に入るのは初めて。
「ここ、前は何のお店だったっけ?」
移り変わりの早い自由が丘、二人で考えても思い出せません。



ここも店内は混んでいましたが、ちょうど席があいたので、ラッキーとばかりに座ります。
アサイーパワーのスムージーを飲みました。
ふう、よく歩いたわー。

○ お菓子の家

自由が丘駅前には、お菓子の家が準備されていました。
本当にお菓子で出来た家です。
スイーツフォレストがあるので、翌日展示されるんでしょう。



「私もお菓子の家、買ったの」とルナちゃん。
へえ~。今では市販で売っているんですね~。
「今度一緒に作ってみる?」
でも私の場合、作りながらつまみ食いをして、材料が足りなくなって完成できなさそうだわ。

たくさん歩いてカフェにも入り、おしゃべりをしたささやかながら満足の一日。
古墳がこんなに身近だったなんて、知りませんでした。
楽しかった一日も、もうすぐ終わり。



帰りの電車が多摩川に差し掛かって視界が開けたときに、大きな夕日が西の空に沈んでいくのが見えました。
古墳時代の人も、同じような夕日を眺めていたんだろうなあと、大昔に思いを馳せました。

ちょっと都心の古墳まで-1

2014-05-03 | 東京
GWの休日に、友人ルナちゃんと会いました。
春は忙しくてなかなか予定を合わせられず、大型連休を待っての、久しぶりの再会です。



田園調布で待ち合わせました。ここの復元駅舎は、いつ見てもサマになります。
駅から西側に伸びる、放射線状の道路といちょう並木。
ここと、東急日吉駅前の道は扇形に広がっていて、すごいなあと思います。
アムステルダムもこんな感じなんですよね、たしか。



○ 田園調布のサイドカー

おしゃべりしながら、閑静な高級住宅地を南西方面へと歩き始めます。
すると、道の向こうから、サイドカーが走ってきました。
「サイドカー貯金をするの」と言っているくらい、無類のサイドカー好きのルナちゃん。
でも、普段なかなか見る機会はありません。
それが急に現れたので、二人とも思わず話を止めて、見守りました。
はっと気がついて、急いでシャッターを切り、目の前を曲がる時に一枚だけ撮れました。



田園調布のサイドカーなんて絵になりすぎですね~。
「近くで見れたね!私も早くマイサイドカーがほしいわ」とルナちゃん。
「サイドカーには誰も乗っていなかったわね」
空席がもったいなーい。ルナちゃんなら大喜びで乗るのに。
そうしたら私は、マッハのスピードでバイクと併走します!

街路樹のステキな散策路。
でも、日差しが強くて、暑いです。『北風と太陽』のようにスプリングコートを脱ぎ、日傘を広げました。
春から初夏へと移り変わっていく季節です。

○ 宝来公園

歩いていくと、大田区で最も古い宝来公園にさしかかりました。
武蔵野の森といった風情の雑木林を抜け、起伏のある広い公園内を通って、更に歩いていきます。



高台にある教会の前を通りました。
これは、東横線の中から見える、カソリック田園調布教会。
見学もできるそうですが、実際に間近で見て、その大きさに圧倒されたので、そのまま通り過ぎました。



会ってからずっと、途切れなく話が続いています。
数ヶ月会わない間に、伝えたいことがたくさんたまっています。

○ 多摩川台公園

それから、多摩川台公園に着きました。
いつも、電車の窓から見ていますが、実際に訪れたのはこれが初めて。
もう桜は終わっていますが、新緑が目に鮮やかです。



公園内には大勢の人々がめいめいに楽しんでいます。
でも、広い敷地でアップダウンもあるため、混んでいるというイメージはありません。

今回は、ここの古墳目指してやってきました。
特に古墳大好き!!というわけではないのですが、おハイソな田園調布に古墳があるという意外さが前から気になっていたんです。
ただ、いつでも行けると安心して、一度も足を運んだことはありませんでした。



公園内の地図を見ても、話をしながらなのでいまいち位置関係が頭に入ってきません。
まあ、散策しているうちに古墳も見つかるでしょう、と思っていたら、さっそく発見しました。

○ 公園内の古墳チェック



最初から、第1号墳!
うわ~、こふんよこふんー。
でも、<古墳=前方後円墳>のイメージを持っている私たちには、いまいちピンとこなくて、しばし無言になります。
「この、ちょっと盛り上がってる感じの、これが古墳なのかな?」
標識がないと、さっぱりわかりません。
まだまだ古墳リサーチは始まったばかり。気を取り直して、先に進みます。



ほどなくして、第2号墳もありました。ナンバリングされています。
うーん、さっきよりもわかりづらくなっています。
斜面に立った標識。これしか手がかりはなく、だまって見つめる私たち。



細い散策路を歩いていくと、次々に古墳が出てきました。
白い標識を探して周る、まるでオリエンテーリング。



古墳といったら、前方後円墳のほかに、<古墳=奈良の石舞台古墳>のイメージも強いもの。
あそこは広場の中に、巨大な石が組まれていますが、ここは日光を浴びた緑に覆われて、生き生きとしているよう。
薄暗さがなくて、お墓というよりは生命力を感じます。





埋葬された人も、日当たりのいい場所で気持ちよさそう。
ここに寝転がってお昼寝したい気分になります。



思ったよりもたくさん古墳があるので、「いったいいくつあるんだろうね」と言いながら、赤い欄干の虹橋を渡りました。
下は車道ですが、小高い高台にあるこの公園は、自然がいっぱいです。



橋の向こうに、第8号墳がありました。



ここで、散策路は大きくカーブを描き、元来た方面へと道は続いていきます。



反対側の斜面に回りこむと、こちらにも第8号墳の標識を発見。
ロープなどで囲われていないので、古墳がどのくらい大きいものなのか、わかりません。
標識周辺のちんまりしたスペースだと思っていましたが、思ったよりも大きそうです。
ということは、この公園は、古墳でできているようなものでしょうか?



○ 実物大古墳レプリカの中へ

戻って戻って、公園内に入った口よりも更に奥へと行きました。
すると、大田区多摩川台公園古墳展示室がありました。
古墳資料館!もちろん行ってみるでしょう。



建物内には、巨大な古墳の実物大のレプリカが再現されており、古墳にお邪魔した気分で中に入ります。
古墳展示室って珍しいですね~。
前方後円墳の後円部の横穴式石室になったところ。

埴輪と、そのモデルだっただろう当時の人の格好をした人形がありました。
また、土器や装飾品といった出土品も展示されており、プチタイムスリップ気分を味わえました。



○ 古墳展示室でお勉強

先ほど見たのは、8基の古墳群でしたが、公園の端と端には亀甲山(かめのこやま)古墳と宝莱山古墳の古墳があるようです。
この2つはどちらも大型前方後円墳。どちらも豪族の墓といわれています。
宝莱山古墳は4世紀前半のもの。関東地方でも最古の前方後円墳です。

亀甲山古墳はこの辺りの古墳群では最大の大きさで、全長107mもあるとのこと。
名前の由来は亀のような形をしているからですが、大きすぎて古墳とはわからないでしょうね。
芝公園の丸山古墳と並んで、東京都を代表する古墳だそうですが、発掘調査は行われていないそうです。
全部で10個も古墳があるなんて、すごい公園です。



この地域には、多摩川沿いに田園調布を中心とする「田園調布古墳群」と尾山台から野毛にかけて「野毛古墳群」の二つがあると知りました。
数にして50基ほど。古墳が多い地域なんですね。

古墳群は、4世紀前半頃から7世紀前半頃にかけて作られたものだそうです。
ボタンを押した古墳のランプが光るジオラマがありました。
本当に古墳だらけで、ビックリ。
1500年前から人々はこの辺りで生活をしていたということなんですね~。

古墳が作られた3世紀後半から7世紀末は、日本が国家として作られていった時期にあたります。
ただ当時を記した書物などは残されていません。
中国の『魏志倭人伝』(3世紀)くらいでしょうか。
古墳からの出土品が、当時をさぐる貴重な手がかりです。
それもまたロマンですね。

大田区では『古墳ガイドブック』という本も出しているそうです。
ファンにはたまらないでしょうね。

その2へ続きます。

夏の京王沿線・三古刹めぐり

2013-07-28 | 東京
◯ 思い立って高尾山
◯ ケーブルカーかリフト
◯ 薬王院
◯ お寺から神社へ
◯ ゲリラ豪雨
◯ 奥の院と山頂へ
◯ ゴマかけソフトクリーム
◯ 帰りもリフト
◯ 高幡不動
◯ 深大寺
◯ 玉川上水
◯ つけめんとWIRED Cafe
◯ epilogue

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◯ 思い立って高尾山

暑くなってくると、だんだん出不精になってきます。
それでもどこかに出かけたい気持ちもあります。
うーん、そんなジレンマを抱えながら週末になり、当日駅でJunとおちあって、「じゃあ、レッツゴー高尾山!」ということになりました。

たた、高尾山?
もう暑いし、登山はないだろうとたかをくくって、裏がつるつるの革サンダルにしてきてしまった私は慌てます。
でも欧米人は、夏になるとハーフパンツにビーサンで、山登りまでしてしまうことを思い出して、私も欧米人の気合を出すことにしました。

「高尾山は秋の紅葉を見たかったんだけどな~」
とブツブツ言う私を華麗にスルーするJunと、京王線に乗り込みます。
天狗伝説のある山ということで、大山や大雄山、そして鞍馬と比べてしまいますが、それよりずっとアクセス至便で、新宿から一本で高尾山口に到着しました。
近いのねー。

◯ ケーブルカーかリフト

少し歩いてケーブルカー口へと向かいます。
周りは、本格的な登山スタイルの人ばかり。
それを見て、また内心慌てます。
日傘をさしてみたけれど、なんだか場違いの気がしてたたんでみたり。

高尾山は初めての私。
ムササビのかわいいオブジェがありました。
あれ、右上の人はどんな格好をしているのかしら?



一度行ったことがあるというJunに「ケーブルカーにする?リフトにする?それともア・タ・シ?」と聞かれました。
「じゃあJunで!おぶって登って!」
じゃなくって、ケーブルカーとリフト、両方あるんですか!
選択肢があるっていいですね。三峯も愛宕も、かつてあったロープウェイが廃止になっているから。
最近、大山とか高野山とか、ケーブルカーに乗る機会が多かったので、リフトにしました。

スキー場のリフトそのままですが、下がベルトコンベア式に動く床になっていました。
おもしろーい。Junに「転ばないで」と注意されながら(どれだけ信用がないんだろう、危なかったけど)、無事に乗り込みます。
リフト大好き。しばらくご無沙汰しているスキーをしたくなりました。



12分かけて、結構な高さまで登っていきます。
気持ちいい風を受けながら、森林の上を通って行きました。

山麓から山上に着き、そこからは歩いていきます。
すでに参道なのでしょう。小さな祠や石像、石碑が両脇にあり、飽きません。
上に行くごとに、自販機の値段が10円ずつ高くなっていくようです。



◯ 薬王院

そのうちに、薬王院に着きました。
あれっ、ここですか?もう着いたの?
大山、大雄山、鞍馬への大変さを思い浮かべていただけに、想像していたよりもはるかにあっさり到着したことに驚きました。





大本堂前には、狛犬もいましたが、狛天狗が両脇に構えています。
ここは天狗の里。天狗づくしです。









◯ お寺から神社へ



旧階段を登っていったところには、本社(神社)がありました。
ここも、飯縄大権現が祀られています。神仏習合の名残ですね。
権現に詳しいJunに解説してもらおうとしましたが、「飯縄はよくわからないー」とするりと逃げられました。
狛犬が寛政期のもので、テンションがあがります。





立派な朱塗りの本殿。



これは、何組の寄進?



いろいろな寄進物があり、見ていて飽きません。
「懺悔懺悔 六根清浄」と書かれたマニ車があり、懺悔をしながら回して来ました。

◯ ゲリラ豪雨

そのうちに、ポツポツと雨が降って来ました。
前日も、ゲリラ豪雨に襲われたのに、また今日も降るのかしら。
そう思っていたら、やはりビンゴで、ザーッと大雨が降って来ました。
私は晴雨兼用の傘を持っていますが、Junは持っていません。
Junは奥の院と山頂まで行っていますが、私は行っていません。
ということで、Junが雨宿りをしている間、私は奥の院まで行ってくることにしました。



奥の院という看板はなく、扉が閉められた不動院がありました。
その裏にも祠がありましたが、数名の人がなにか作業中のようで、中には入りませんでした。
これが奥の院なのかしら?
よくわからないまま、他の人がどんどん歩いて行く道を自分も付いて行きましたが、行けども行けどももう何もありません。
先ほどのが、奥の院だったようです。

◯ 奥の院と山頂へ

みんな、山頂に向かう人々のよう。
でももうかなりの距離を来てしまったので、そのまま山頂まで行きました。



ミシュランに乗ったため、外国人の姿もちらほら見かけます。

かつては十三州を見下ろせたという見晴らし台。富士山もよく見えるそうです。



山頂には、大勢の登山者たちが座り込んで休憩をとっていましたが、人を待たせているため、きびすを返してすぐに今きた道を戻ります。
それでも、山頂に至る道は何本もあって、帰り道を間違えそうになりました。
急いで帰った時にはもう雨はすっかり上がり、日が照っていました。

◯ ゴマかけソフトクリーム

帰り道、途中の茶屋でソフトクリームを食べました。
八王子牧場のミルクだそうです。



ゴマをふりかけるそうで、4種類のゴマが置いてありました。
ミルキーでおいしく、食べている人は大勢いました。
冷やしキュウリも売っていて、(夏だわ~)と季節を感じました。



座って食べながら、行き来する登山客を眺めていたら、短パンにビーサン姿の外国人グループがいました。やっぱり~。
それを見ていたJunが「ああいう人達を見ると、日本って戦争で勝てないって思うよね」と言いました。
確かに。力比べてはかないません。
そもそも、指の皮がむけてしまうため、素足でビーチサンダルなんて履けません。
日本は繊細さを売りにしないとね。



◯ 帰りもリフト

雨が上がったので、帰りもまたリフトにしました。
だって、あまり乗る機会がないんですもの。
上りより下りの方が、のめりそうで少し怖さを感じました。

◯ 高幡不動



次に向かったのは高幡不動。
私は以前訪れたことがありますが、Junは初めてです。
以前、たまたまに参加した護摩焚きがとても印象的でしたが、Junは特に興味が無い様子。
時間も合わなかったので、今回は護摩焚きはナシでした。
その代わり、本堂に上がって、読経しました。



以前は、多摩動物園にも行ったし、新撰組ファンの子と一緒だったので、土方歳三のお墓参りもしましたが、Junの反応は「だってテロリストでしょう?」
気になるポイントは人それぞれです。
私は、多摩動物園にあったカンカン・ランランの剥製に一番心惹かれました。

下界に降りて暑さに負けそうになっていたこともあり、初めて訪れた時ほど念入りに境内をめぐることなく、駅に戻ります。
次に向かったのは、深大寺でした。

◯ 深大寺

今、京王では、「京王沿線・三古刹めぐり」と称して三寺巡りのスタンプラリーをやっているため、(せっかくだし、周ってみよう)ということになったのです。
あとは「調布駅が、地下になったので、行ってみたーい」というJunの希望もありました。
ホームの柱には、天狗が描かれていました。高尾方面のホームだからだそうです。



母はよく神代植物園に行っているようですが、私は初めて。
江戸情緒が残る境内は趣がありました。



浴衣姿の女の子がいたり、中国語を話すグループがいたり、参拝客はさまざま。
町の人々に愛されているお寺だというのが、よく伝わって来ました。



みずみずしい土地。高尾ではほぼ水を見ることがなかったため、なんだか気持ちがうるおいます。



深大寺といえばそば。お腹が減っていなかったので食べませんでしたが、近くには蕎麦の花が咲いていました。



水木しげるの第二の故郷ということで、鬼太郎グッズがたくさん売られていました。



行きは調布駅からバス、そして帰りはバスで三鷹に出ました。

◯ 玉川上水

三鷹駅に着き、「さあ、どこに行こう」と地図を見たら、玉川上水が流れていることに気が付きました。
先日、玉川上水駅で太宰の入水場所を探しましたが、実際の場所は三鷹の方だったことを思い出します。
じゃあこの辺ね。
川沿いの道は「風の散歩道」という名前がついており、川風で涼しげ。
散策していくと、太宰入水の碑がありました。
ここで金木の文士は沈んでいったんですね。
玉川上水駅よりもずっと都会でした。



道なりに歩いていたら、井の頭公園に行きあたり、ほどなくして吉祥寺に着きました。
気がついたらお昼抜きだったこの日。
ソフトクリームでお腹がいっぱいになっていましたが、(そろそろ涼みたいね)と、食事処に入ることに。

◯ つけめんとWIRED Cafe

北海海鮮屋に入ったつもりが、入口を間違えてラーメン屋に入りました。
生まれて初めて、つけめんを食べました。
女性に人気だそうですね~。(ヒトゴト?)



昼はソフトクリームしか食べていないのに、なんだかお腹がいっぱいの私たち。
なぜかしら?
「いつもより歩いてないからじゃない?」とJun。
でも、万歩計は2万5千歩を越えていました。
山ガールでもなく、むしろ海派なのに、気がつけばここのところ山ばっかり登っているから、体質が改造されているのかしら・・・?

でも大丈夫、甘い物は別腹です。
そのあとにWIRED Cafeでお茶をして、帰りました。



◯ epilogue

思ったよりも気軽に行ける高尾山、そして高幡不動。
最近、思い立って突発的に向かう山岳神社が多いのですが、三峯や大山といったハードな場所と違って、気軽にふらりと訪れることができる、いい日帰りルートだと思いました。

玉川・多摩湖・国分寺(小平・狭山)

2013-07-04 | 東京
● prologue
● 小平霊園は実は公園
● 玉川上水といえば
● 涼を求めてひと山越えて
● 山口観音のブレイクベル
● お寺にクジャク
● 狭山不動寺
● 西武球場
● 国分寺ウォーク
● にしこくんの町
● epilogue

西武新宿(西武)→小平【小平霊園】【ランチ】(西武)→玉川上水(多摩都市モノレール)→上北台(walk)→【多摩湖】【山口観音・不動寺】西武球場前(レオライナー)→西武遊園地(多摩湖線)→国分寺(walk)→西国分寺(南武線)【にしこくん】

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● prologue

先月、友人のルーツを訪ねる旅に出てから、ルーツや先祖が気になるようになった今日このごろ。
「いつか尊敬する人のお墓に行きたいと思いながら、なかなか腰を上げられずにいたけれど、このタイミングでなら行けそう」と言う友人と、お墓参りにでかけました。

プチ墓マイラーの私。
かつて指揮者のカラヤンが亡くなった時に、教会を調べて、オーストリアにお墓参りに行きました。
翌年、一周忌だからと再訪したら、墓守のおじいさんが私のことを覚えていてくれました。

広い墓地を散策しながら有名人のお墓巡りをしたことはありませんが、今回訪れる小平霊園には、著名な方々が大勢眠っているそうです。

● 小平霊園は実は公園

西武新宿駅で純と待ち合わせ、小平に向かいました。
5月に川越に行った時にもこの駅で集合しました。もうしばらくは乗らないだろうと思って沿線なんですがー。



駅を降りるとすぐに小平霊園がありました。
駅チカ!というより、駅前!
というより、霊園があるから、ここに駅が作られたような感じです。



花屋さんも何軒も軒を連ねていました。
みんな横並びの同一料金で、協定を結んでいるようでした。
「自転車貸します」と書かれた張り紙を見て、霊園の広さが予想されます。

足を踏み入れると、確かに広大な墓地でした。
これではとてもわからないと、まずは管理事務所に寄って、場所を聞きました。
ここは、東京都公園協会が管理しており、公園の扱いになるようです。

有名人のお墓マップをいただきました。
知っている名前がずらりと並んでいます。
純の目的のお墓参りをしたあとで、気になるお墓を探してみました。

『二十四の瞳』の壺井栄や『七つの子』の野口雨情も気になりましたが、訪れたのは柳宗悦と小川未明の眠る場所。
どちらの作品も好きです。
こちらは柳宗悦のお墓。シンプルで前を通りすぎてしまい、番号を確かめながら戻りました。



純も柳宗悦は好きだそうですが、小川未明のことを知らなかったため、『赤い蝋燭と人魚』のあらすじを話していたら、なんだかホラーじみて、寒くなってしまいました。
暑い夏にピッタリ(!?) いえ、哀しいお話です。
こちらは未明のお墓。



ちょうどミネラルウォーターを持っていたため、それをお参りした墓石にかけてきました。

車も入れる広い舗装道が続き、よく手入れされているお墓がほとんど。、じめっとした暗いイメージは全くありませんでした。
木立の下を、マラソンをしている人もいました。

マンホールのデザインが気になって、パチリ。
てっきり小平のものだと思ったら、東村山市のものでした。
広大な小平霊園は、小平市・東村山市・東久留米市に渡っており、公園事務所があるのは東村山市なんだそうです。



お昼にしようと小平駅前に戻りましたが、駅前には何もありません。
駅前商店街も見当たらいため、小金井の友人にランチの場所がないかメールで聞きました。
友人からは「小平と小金井は違うよ!」とツッコミの返事をもらいました。隣じゃな~い。
「小平霊園に来たって、もう墓地買うの?」という反応。
そうそう、今のうちに買っておこうかと思って・・・ってちがーう!
ケンタに入ろうとしたら「今日は食べ放題の人優先です」と言われ、「無理だね」とあきらめてミスドに入りました。

● 玉川上水といえば

さて、これからどうしようということになります。
路線図を見ると、玉川上水駅がありました。
玉川上水といえば、思い出すのは太宰の入水事件!そして玉川兄弟の像!

かつて、いつも着流しにゲタの書生姿で現れ、なにかというと「玉川上水に飛び込んでやる!」が口癖の友人がいたことを思い出しました。
彼は元気かしら。口だけで、まだ飛び込んでいなければいいけれど。
意外と、過去を綺麗さっぱり忘れて、バリバリのビジネスマンとして働いていそうな気もします。

ということで、玉川上水駅に行きました。
ええと、多摩川はどこかしら。
ありました。ありましたが、銅像らしきものはありません。
よく見る写真では、兄弟像の周りは視界が開けて明るい場所になっていますが、川の周りは木々が生い茂ってうっそうとしています。
太宰ゆかりの説明文なども、一切ありません。
地図さえもないので(おかしいな)と、駅の地図を見ようとしたら、ネットチェックした純が言いづらそうに「この辺じゃないみたい・・・」とつぶやきました。

「え?だってここ、玉川上水じゃない」
「太宰が入水したのは、三鷹の方だって」
「えー!玉川上水ってここじゃないの?」
落ち着いて考えると(おバカでゴメーン)な発言ですが、純は「流域全部を指すから、該当範囲は広いよ」と、きちんと教えてくれました。(ありがたいわ~)

「じゃあ、玉川兄弟の像は?」
「それは、羽村堰にあるみたい。最寄りは羽村駅。」
玉川上水駅と羽村駅は、路線も違うしかなり距離があります。

ここでは太宰も飛び込んでいないし、兄弟の像もない。
なんにもないじゃない~。ああがっくり。
「じゃあ、せめて散策しよう」と言ったら、「蚊に刺されそうだからやめとこ」と言われて、結局傍に行っただけで終わりました。



私、玉川上水とは、多摩川上流にある、堰のようなポイントだと思っていたんです。
水路だったんですね~。。。

まあ、いくら「太宰の玉川上水入水」が有名でも、人が事件を起こした場所に行きたいわけではありません。
とりわけ、お墓参りのあとに訪れる場所ではないですね。
それに私、別に太宰が好きなわけではないんだったわ。
でも、金木の「斜陽館」は訪れたことがあります。
蒸し暑さで、考えがまとまりません。頭がモウロウとしています。

● 涼を求めてひと山越えて

暑い日だったので、なんだかとっても水辺に行きたい気分。
玉川上水にフラれてしまったので、「じゃあ湖の方に行こう」ということになりました。
地図を見ると、多摩湖に橋がかかっています。
大きな湖を越えられるなんて、ロマンチックだわ。

モノレールに乗り、終点で降りました。一山超えれば、多摩湖です。
地図上では、道をまっすぐ進んでいくと、湖にあたりますが、寺社をみるとついフラフラと立ち寄ってしまう私たち。
いつの間に、こんなにシブい路線になってしまったのかしら。
あちこち寄り道をしながら向かいました。
ワクワクする橋もあります。
暑い暑いと言いながら、登って降りて、ひと山超えたら、そこに湖が広がりました。
広いわー。凪いでいるわー。

途中、木立の中から赤い橋が見えてきます。なんだかすてき。



名前は鹿島橋。名前の確認に気を取られていましたが、このレリーフ、さっきどこかで見たような気が・・・。
小平霊園で見かけたマンホールの柄と一緒でしたが、この時には赤い橋に浮かれて、全く気づいていませんでした。



湖の真ん中を突っ切って行く道がありますが、そこは車両専用で、歩行者は車道の斜め下にある散策路を通ります。
見晴らしはいいのですが、片側だけで、もう反対側は、車道の土手で見えません。

こちらが右側。湖がきれいですねー。


こちらが左側。地図では橋のようすが、実際には完全に土手になっています。
橋好きとしてはウーム、なにかが違う・・・。


でも、さわやかな気持ちになりました。
うまく見えませんでしたが、多摩湖の取水塔前を通りました。
「橋があるのに渡れないー」とブツクサいう私に「あれは橋じゃないから」と訂正を入れる純。
あれは多摩湖の取水塔。あとにして思えば、あの小平霊園で見かけたマンホールの柄だったんですが、その時には暑さにめげそうになっていて、全く思い当たりませんでした。



多摩湖は東村山市にあるんですね。ちなみにお隣の狭山湖は、所沢市になるそうです。
2つの湖の間に、東京と埼玉の境があったとは。

● 山口観音のブレイクベル

さらに歩いて行ったところで、純が「あれ・・・」と、ためらいがちに指差します。
それは、山口観音の標識でした。
観音巡り真っ最中の私たち。「聞いたことないけれど、行ってみよっか」と二人で向かいます。

門の前には弁天池。古めかしい山門は迫力いっぱいです。
古刹という名前がピッタリの、重々しい雰囲気のお寺でした。



武蔵野観音霊場第13番札所。
新田義貞の鎌倉攻め祈願のお寺だそうで、彼の愛馬のレプリカもありました。



お堂の周りには、マニ車があったので、もちろん回してみます。
ここではマニ車ではなく「ブレイクベル」という名前になっていたので、(あれっ?)と驚いて一瞬手を止めました。
何を破るんでしょう?沈黙?そしてマニ車は、ベルなんでしょうか?



お砂踏み洞窟があったかと思うと、塀に竜がうねっており、中国・ビルマ・タイ・チベット、いろいろな仏教国のエッセンスがギュっと詰まった、荘厳だけではない、摩訶不思議なお寺でした。



● お寺にクジャク

境内に鳥小屋があり、中に2羽の孔雀を発見。
先日訪れた鷲宮神社といい、なぜ寺社にインドクジャクがいるの・・・?
しかもこの孔雀、私たちを見て羽を広げてくれました。
ワー、シャッターチャンス!



喜んで、何枚もバシバシ撮影しましたが、ひとしきり撮り終えても、孔雀は全く羽を閉じる気配もありません。
「もういいよ・・・」と言っても、はりきって、時々羽を揺らして見せてくれたりします。
もしかして、私たちに求愛しているのかしら?
少し角度を変えると、きちんと向きを合わせてくれる、理想的なモデルです。
しばらく見ていましたが、全く閉じる気配がないため、根負けして、羽を広げたままの彼にバイバイしてその場を離れました。
私がクジャクだったら、小屋の中に入っていったんですけどねー。

● 狭山不動寺

このお寺の隣の敷地には、不動寺があります。
観音様と不動様は、やっぱりタッグを組んでいるんでしょうか。
こちらも参拝しました。



埼玉西武ライオンズの必勝祈願ポスターが貼られていました。
巨大な石灯籠があって、歴史の古さがしのばれます。



神妙にお参りして来ましたが、あとで知ったところによると、ここは西武グループがプリンスホテル開発にあたり、各地の文化財を集め、天台宗別格本山として建立したお寺で、たかだか40年弱の歴史なんだそうです。
「創建:昭和50年 開基:堤義明」とのこと。驚きました!
マネーパワーですね・・・。

自然豊かな境内で、小道でばったりタヌキと会いました。
ええ、あれはタヌキでした。
先に歩く純と、数秒間見つめ合ったあと、タヌキはダッと茂みの中に逃げ込んでしまい、カメラを構えるヒマもありませんでした。

● 西武球場

すっかり暑くなっています。
道路の向こうには巨大な西武球場。
「西武球場といったら、夏のミサトだよね!」と口を揃える、完全に野球オンチの私たち。



試合のない日は、ガランとした西武球場前駅。
小さい時に、親にユネスコ村に連れてきてもらったことがあります。
その時に、素敵なヨーロッパ風の池があったのですが、よく思い出せません。

駅員さんに聞いても「はて?」という感じなので、母に電話をかけて聞き、狭山湖(山口貯水池)だとわかりました。
今回寄ったのは、おとなりの多摩湖(村山貯水池)の方でした。
当時はわかっていませんでしたが、子供の頃にステキだと思ったヨーロッパ風のものとは、狭山湖の取水塔だったようです。
多摩湖にも狭山湖にも、すてきな取水塔があるんですね。



ここからレオライナーに乗ります。ゴムタイヤで静かに走る、なんだか不思議な電車です。
純がかぶりつきの席に座って、ウキウキしていました。



電車は、西武遊園地へと向かって行きました。
このライナー自体が、プレイランドのアトラクションのよう。
じゃあ遊園地で遊んじゃおっか?
でも、この日は平日のため、遊園地はやっていませんでした。
休園日の遊園地ってさびしいわ。



そのまま、反対ホームに停まっていた多摩湖線に乗り換えました。
白いフォームがすてき。
そして国分寺駅へ向かいます。

● 国分寺ウォーク

「じゃあ国分寺(寺)を参拝しよう」と地図を見たら、駅から意外と距離があり、むしろ西国分寺のほうが近そうでした。
うむむ。
「じゃあ、南武線で帰りやすいから、隣の西国分寺までひと駅歩こう」ということになりました。
またきちんと来る時があるでしょうから、国分寺(寺)には寄らないことにします。



たちあおいがきれい。

● にしこくんの町

西国分寺の駅前は、台湾風というか、ロシア風というか、なんだか無国籍な雰囲気がしました。



ここで柱に貼られたポスターにふと目をやり、驚きます。
あ、あなたはもしや(一部で)有名な、にしこくん!?



すっかり忘れていましたが、「なにやらすごいゆるキャラがいる」と教えてもらったものです。
改めて見てみると、圧倒的なインパクトですね・・・バランスがとれているのかいないのか、このあやうさが魅力でしょうか。
美脚??のポンデライオンのようでもあります。



この町で夕食にしました。
暑さと空腹から開放されて、元気になりました。
にしこくんの画像検索をして、二人でのけぞりましたが、もう涼しい場所だったので、倒れこまずに済みました。
にしこくんに追いかけられたら・・・コワイ!

● epilogue

今回は、かなり行き当たりばったり感が強かったのですが、まあそれでも、大回りできて楽しかったです。
忘却の彼方にあったユネスコ村のことを思い出して、懐かしい気持ちになりました。
ハウステンボスや東武ワールドスクエアのはしりのような、海外の建物がたくさん立ち並ぶ、楽しい場所でした。

また、最初の小平で見かけたマンホールの柄と、鹿島橋のレリーフにあった場所、多摩湖の取水塔に、気づかぬまま訪れていました。
多摩湖の取水塔は「日本で一番美しい取水塔」なんだそうです。
訪れた場所がかすかな線でつながった、ふしぎな気持ちです。
取水塔、これからチェックしようかしら。

いつか国分寺を参拝するときには、怖いもの見たさで、隣町のにしこくんにも会いたいものです。
それまで、にしこくんが消えてしまっていませんように。
逆にパワーアップしていたら、受け止めきれなさそう・・・(笑)。

世田谷線きっぷでミニ散策

2013-05-05 | 東京
○ prologue
○ 目青不動尊
○ 世田谷線散策きっぷ
○ 松陰神社
○ 豪徳寺
○ 公園内稲荷社
○ 公園内弁天堂
○ 公園内ボート
○ 碑文谷公園
○ epilogue
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○ prologue

ぽかぽか日よりのゴールデンウィーク。
陽気に誘われて、サキとどこか散策しようという話になりました。
ただ連休中は、どこも混んでいるため、大きな目的を持つと、こなすのが大変。
ゆるく「世田谷線に乗ろう」という話になりました。

世田谷線に乗ったことがない私。
この前、五色不動を巡っていた時に目にして、すっかり乗りたくなっていました。
まずは三軒茶屋へと向かいます。

天気がいいためか、猫も日かげに陣取って、のーんびり。


○ 目青不動尊

すぐに世田谷線には乗らず、近くの目青不動尊を参拝しました。
この前、五色不動尊巡りで訪れた場所です。
サキも「目的がないと、なかなかこういったお寺には来れないねえ」と、珍しそうに堂内に目を凝らしていました。
この日は巡礼日ではないので、ただお参りしただけです。またそのうちに数珠持ってきます~。



○ 世田谷線散策きっぷ



ここで「世田谷線散策きっぷ」を購入しました。320円というお安さで乗り放題!
浮かれていたら「でもそんなに使いこなせないよー」とさらっというサキ。
一緒にもらった散策ガイドを見ると、たしかにそう長くない路線です。
そしてこの散策ガイド、途中までしか地図紹介がされておらず、終点の下高井戸まで載っていません。



まあ、やってきた電車に乗り込みます。
検札がない、ヨーロッパスタイルの乗車です。

○ 松陰神社

まずは松陰神社で降りました。
サキが「以前ここに鰻を食べに来たことがある」と言うので、そのお店、一二三本店の前を通っていきました。
いちげんさんお断り風の敷居が高そうなお店でした。

松陰神社といったら、古めかしい萩の町。
そんな連想をして行ったら、大鳥居がピカーッと新しくて、想像していた感じと違いました。
前に来たことがあるというサキも「新しくなってる」と驚いています。
平成23年秋に建て替えしたそうです。



実は、2日に狛犬の本を読み、そこからすっかり狛犬ファンになった私。
3日、4日も、神社に行っては狛犬チェックをしていました。
この日も、もちろん狛犬に会えるはずと、期待で胸をふくらませています。
が!
この神社には、狛犬はいませんでした。うそ~。
なぜか、トーテムポールは立っていました。
えっ??
現人神(あらひとがみ)を祀る神社は、ほかとは違うのかしら?

入り口でテンションがだだ下がりですが、気を取り直して参拝をします。
従来の神社とは造りが違う、シックな雰囲気の本殿。
男性参拝客が多いなと感じます。



若かりし松陰先生の像がありました。
『龍馬伝』で彼を演じた生瀬勝久氏とは、かなり感じが違いました。
萩では神様のように崇められているという吉田松陰ですが、東京でも神様になっています。
敷地内には松陰塾の屋敷が再現されていますが、(でもこれ、山口にあるものでしょ?)と互いに話しました。



ただ、墓地にある彼のお墓は本物。萩の人たちは、分骨したいとは思わないのでしょうか。
絵馬は学問の成就祈願がほとんどで、ほかの神社よりも真面目な抱負が語られているように思いました。



彼は、菅原道真公とかなり役割がかぶっているなあと思います。
そもそも、松陰さんはどうやって神様になったんだろうと、少し不思議に思いました。
塾生が彼の死を惜しんで、墓地を整えたのがはじまりだそうですが。

帰りがけに、鳥居横のトーテムポールの謎を解こうとそばまで行ってみてみたら、ボーイスカウト名が記載されていました。
神社とは直接の関係はなさそうですが、敷地内に建てられているのが、やっぱり謎です。



さらに謎だったのが、神社の通り向かいにあったパーマ屋さん。
女性用と男性用に分かれているようですが、まずその色分けされた比率の違いがなんだか気になります。



そして「パンチパーマ」「ニグロ」という文字を久しぶりに見ました。
「ニグロって、どういうのいうの?」「パンチパーマのこと?」と二人でひそひそ話しましたが、よくわかりませんでした。
勝手に、アース、ウィンド&ファイアーな感じだろうと思っていますが。
見ている間に、パーマかけたてのアイパー/ニグロなおじさんがお店から出てこないかと期待しましたが、そんなベストタイミングは訪れませんでした。

(「それはアフロですよ」という親切なコメントをいただきました…)

○ 豪徳寺

それから駅に戻り、今度は宮の坂で降りました。
ぐるっとお寺の周りを周って、豪徳寺へ。
近くには、ジブリの世界に出てきそうな、こんなすてきなお屋敷がありました。



このお寺も、来るのは初めて。
と、ここで思わぬラッキーが。
参道前に、狛犬がいたんです。
お寺なので、期待していませんでしたが、ときどきお寺にもいるもの。
さっき、松陰神社で見られなかったので、これでプラマイゼロ!
嬉しくて、狛犬踊りをしました。(どんな?)



ただこの狛犬、台座がやたらと高く、見上げることしかできませんでした。
撫でたかったけれど、遠いわ。ジャンプしても届かない…



参道を抜けたところにある、古めかしい大きな門が印象的。
古刹なんですね。
サキは、都内のお寺でここが一番お気に入りなんだとか。
確かに緑が多い、おちつける境内です。

ここは招き猫伝説のあるお寺。
奉納された招き猫がずらりと並んでいます。
サイズが各種揃えられていて、親切―。
招き猫の絵馬がかわいいなあと目を向けていたら、「Lisa、あなたに遭えて幸せだった」というようなメッセージをよく目にしました。
ん?普通の内容となんだか違うわ。外国人が書いたのかしら?
と思って、ハタと気がつきました。
これはネコへのサンクスメッセージなんですね。猫の寺だけに。なるほど~。
豆太とかなすびとか、およそ絵馬に書かれそうにない名前が多々記されていることにも、これで納得です。



正面の立派な三重塔の彫刻装飾を、目を凝らしてよーく見てみると、蟇股(かえるまた)にはやっぱり猫がいました!



先ほどの松陰神社は男性の姿が目立ちましたが、ここ豪徳寺は、圧倒的に女性の方が多いです。
寺務所には大勢の女性がいて、御朱印待ちしており、受付の奥では二人のお坊さんがせっせと筆を動かしていました。
やっぱり最近は、御朱印ブームなんですね。

でも、かわいい猫寺というだけの場所ではありません。
歴史的に由緒がある場所だというのは、墓地を訪れてすぐにわかりました。
現在の墓地ではなく、昔の要人たちを埋葬しているところは、お墓一つ一つの間隔がゆったりととられていて、とても広々としています。
墓地区画分譲なんて言葉、以前は無縁だったんですねー。



奥には井伊直弼のお墓がありました。
この前、浜松で井伊家の菩提寺を訪れたばかり。
最近井伊さんにご縁があるわーと、拝んできました。



出たところには、男性専用の茶道教室と「観音接骨院」の看板がありました。
なぜ観音様なんでしょう。サキの「なんだか観音様が骨折して駆け込むって感じがするね」というセリフに、想像して笑っちゃいました。

○ 井の頭公園

そして下高井戸へ向かいました。
ここでこの日の世田谷線乗車はおしまい。
結局、3回しか乗りませんでしたが、それでも元はとりました。
宮の坂駅のホームから眺める世田谷線線路。若草がふさふさと生い茂り、風にたなびいていて、ここが都心だということを忘れてしまいそうになります。



ここから電車を乗り換えて、井の頭公園へと行きました。
なんだか休日といったら、行きたくなるのが井の頭公園。
それは多分みんな、同じなんでしょうね。
覚悟はしていましたが、恐ろしく混んでいました。
こんなに激混みなのはかつて見たことがないほど。

駅前の「麺屋海神」であら炊き塩ラーメンを頼み、腹ごしらえをして、いざ公園に出陣です。
私の好きな魚介スープでした。



吉祥寺は本当にものすごい混雑で、デモ行進の中にいるような気分で少しずつ進んでいきます。
公園内も、もちろん混み混みでした。
でもまあ、誰もがのびのびとしているので、特にストレスはたまりません。
ぐるっと散策する途中、地図に稲荷社を見つけて、「ここに行きたい」とリクエストしました。

○ 公園内稲荷社

実は数日前、ここの稲荷社が不審火で全焼したとニュースで知り、気になっていたのです。
小さなお社が丸焦げになっていて、まだ煙のにおいが漂っている感じ。



かろうじてお堂の外枠は残っているものの、祭壇が焼け落ちてしまっており、悲しくなりました。



でも、お稲荷さんは、きっと白狐に乗って避難したはず。
通りがかる人たちも、「うわ」と絶句していました。
はやく再建しますように。

○ 公園内弁天堂

稲荷社は、池のふちにあります。
池の向こうには、赤い大きなお堂が見えます。
あれは弁天堂。
ここは12年に1度、巳年に御開帳すると聞いていたので、(今年だわ)と思っていたら、一年中ではなく、1日2日のみの御開帳で、先月終わってしまっていたことを知ったばかり。
残念すぎます~。1年間見せて~。
諦めきれずに、そばまで行ってみました。
御開帳どころか、もう閉門時間で、中には入れませんでした。



ところが、門の内側に見える像、あれは宇賀神像ではないですか。
秘仏は、別のものなんですね。
私の今年の目的は、御開帳よりも宇賀神像を見つけることなので、すっかり満足しました。

○ 公園内ボート

池のボートに乗る人たちが、行列を作って並んでいました。
当然、池もボートだらけ。
もしかすると、この日世界一混雑していた池かもしれません。



手漕ぎに足漕ぎ、スワンと、いろいろな種類のボートが、湖上でたゆたっています。
まっすぐ進めやしません(笑)。
それでもみんな楽しそうです。連休ってしあわせ。

ワイワイ言いながら一生懸命漕いでいるボート群の中から一艘、スマートに飛び出てきたものがありました。
乗っているのは外国人のカップルで、男性がオールを握っていました。
すごい握力と腕力で、傍から見ていてもかっこよかったです。
ボートはすいすい進み、そこだけ映画のワンシーンのようでした。

○ 碑文谷公園

井の頭公園を抜けて、ひと息つきます。
もう5時の鐘が鳴りましたが「もうひとつくらいどこか周りたいね」ということで、碑文谷公園に行ってみました。
ここは、東横線からいつも眺めてはいますが、実際に訪れたことはありません。

学芸大学から降りて向かってみると、そこは無人の公園でした。
井の頭とのあまりのギャップにくらくらします。
ここにも弁天堂があったので、お参りしました。



池には大きな鯉のぼりが渡されていました。そういえばこの日は子供の日。
ひとつ、あるはずの場所になかったので(あそこの鯉は池に落ちちゃったのかな?)と気になりました。



ぐるっと一周しても、それほど大きくない敷地ですが、池あり木立ありで、公園としてまとまっています。
閑静な住宅街に囲まれているためか、お上品で安全な雰囲気が漂っていました。

○ epilogue

身近な辺りでも、まだ行ったことがない、知らない場所ってあるものですね。
この日はさほど移動に時間がかからない近場を巡りましたが、井の頭公園以外は初めてづくしで、どこも楽しく過ごせました。
「家のドアを開けたら旅が始まる!」をモットーに、これからもご近所散策をしていきたいです。