ringoのつぶやき

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DJ-【コラム】中国の人民元操作が危うくなっている理由

2017年01月09日 13時26分21秒 | 為替

 

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 中国政府は依然として、通貨をほんのわずかに制御できなくなることさえ現実として受け止められないようだ
。この1年間、中国は通貨管理プロセスに関して市場の理解を得ようとしてきたが、結局、自らが一番よく知る
「締め付け」という手段を取っている。この戦いは厳しくなる一方だ。

 中国は、自国市場における世界の金融市場の影響が大きくなり、以前よりも制御するのが難しいと感じている
。オフショアで自由に取引されていた中国の人民元は先週、不意に急騰し、その借り入れコストは60%以上も上
昇した。ちょうど1年前には借り入れコストが同様の水準まで上がり、元は急落した。デジャビュ(既視感)の
ようだが、値動きは逆になっている。元の秩序ある下落という中国政府の思惑は打ち砕かれた。

 この数カ月間、中国は国内市場で元安を誘導してきたが、それでパニックが起きるということはなかった。投
資家は元安の許容限度を試すかのようにオフショア元の価値をどんどん下げていった。元安が許容限度を超えた
ところで政府は介入した。米連邦準備制度理事会(FRB)が直近の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録
で投資家の不意を突くと、ドルは値を下げ、元は急騰した。つまり、再び危うい領域に入ってしまったのだ。

 見た目を取り繕うための中国の取り組みは無駄に終わるかもしれない。中国人民銀行(中央銀行)が採用して
いる通貨バスケットを例にとろう。概ね恣意(しい)的だが貿易加重を行ったように見えるバスケットだ。中国
は世界の通貨の値動きの影響を弱めるため、最も影響が大きくボラティリティが高い主要通貨の構成比を引き下
げた。問題はこの数日間、中国がそのバスケットを無視してきたように見えることだ。

 中国が自国市場の開放を試みようとするなか、世界の市場圧力に対処するのはこれまでよりずっと難しくなっ
ている。米国の金融引き締めやユーロ安・円安のせいで、元を通貨バスケットに対して安定させるという約束が
守りづらくなった。主要貿易相手国の通貨の価値の急落は経済成長の障害となる。十分に立証されているように
、ドル高は中国から数十億ドルの資金を流出させ、外貨資産の蓄積を促してきた。このため中国の金融政策は経
済成長の維持よりもリスク管理が目的となっており、政府が人民元の急落を食い止める能力はさらに低下してい
る。

 投資家は元安の反転が続くと誤解すべきではない。これは小休止にすぎない。米国の利上げが中国の債券市場
の低迷を悪化させたように、ドル高は中国の通貨を安定させる戦いの痛みを倍化させるだけである。
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