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新卒の歯科医に捧ぐ

2014-05-01 09:17:47 | Weblog
5月に入り4月から歯科医師として新卒の歯科医や臨床研修を終えた歯科医の多くは
志高く臨床現場にいると思う。

現在私の医院にも卒後研修後の若い歯科医が一人来ている。まだ若輩者で修行中の
私ではあるが、彼には私の知る限りの知識と技術を教えている。といっても初めから
難しい概念やテクニックを教えてもしょうがない。ゆえ、臨床治療においては
臨床家としての基本中の基本の手技と知識を一から勉強してもらっている。
また、私は一人の臨床歯科医というものは歯科技術を学ぶだけでなく、やがて開業して
医院を取りまとめていく立場にある者であるゆえ人を雇いその上に立つとき、
どのようにあるべきかということも私流の考えで教えている。医院内のそうじ、
トイレそうじ、器具の洗浄、滅菌、チェアーの管理清掃などなど、
スタッフが主に行うことであるが、自分が確実に丁寧に清掃・管理できなければ今後、
人を教育指導する立場に立ったときまともに教えれるわけない。
また、自分がちゃんとできないことを人にちゃんとやれと言えるわけもない。
言われて行動するのでなく、率先してスタッフを気遣い手伝うことを駆け出しの時代に
経験するべきである。
歯科医師という立場から
『臨床の勉強を優先するべきだからそんなことやってるヒマがない』 ?
 単なる言い訳である
『自分はそんなことをするポジションではない』 ?
 ただの傲慢である。
これは私の若かりし苦い過去の経験よりきてる事実であり
実際他の医院の従業員がよく愚痴をこばす
『院長は自分ができないことを偉そうに私たちにいう!』という言葉が全てを表している。
今後の自分の将来のためにも若手医師は注意して謙虚に理解してほしい。

知ってのとおり卒後5年でどのような臨床を身につけるかで
その歯科医の臨床哲学というものは決まってしまうといわれている。
目の前にある一つ一つの臨床の事実に懸命に考え取り組む姿勢を身に刻むこと。
歯科医師としてのハクや名誉や賞賛にこだわることは虚しいだけである。
まずは医療人としての美徳を若いうちに培ってくれることを望む。

ちなみに当院では現在、研修医上がりの彼にも治療を積極的にさしているが
どれだけ時間がかかってもよいので、とにかく自分の一生懸命をやりなさいと
いっている。確かに時間はかかって患者には長い時間口を開けるという迷惑をかけて
しまっている事実もあるが、一生懸命の気持ちが十分に伝わる丁寧な処置である。ゆえ、
願わくば患者は”時間をかけて心がこもった治療をしてもらった”と考えてほしい。
私も彼がいる曜日は彼にいろいろ診療手技以外にそうじや洗い物を積極的にやる
手本をしめすため、いろいろやることが更に増えてしまったが、これはこれで
自分の帯を締め直す良い機会であると考える。

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