
「女囚さそり 第41雑居房」
1972年 日本 87分
■監督:
伊藤俊也
■出演:
梶芽衣子
白石加代子
渡辺文雄
室田日出男
小林稔侍
小松方正
阿藤海
●あらすじ
ナミは女囚のボス・大塚たちと隙をついて脱走を企てる。
6人の女囚たちの逃避行と追う看守たち。
やがて女囚たちは観光バスを乗っ取って人質を取り、包囲網を突破しようとするが…。
クールなナミ役は、このシリーズがはまり役の梶芽衣子。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
前作が思わぬヒットをしたため、恐ろしいスピードで制作された続編。
と言っても当時の東映はそんなの当たり前で、二か月もあれば映画一本完成させることが出来ている。
この辺はお隣の香港映画でも似たような状態が起きていたので、やっぱり香港映画と東映は似ていて
娯楽作を作る事を追及すると、結果的に同じ感じになっていくんだなと言うことが良く分かる現象だ。
さてそんな第二作となる本作だが、話の方はほとんで転がらない。
女囚たちが脱走して、看守たちが追いかける。
一言で言えばこれしかない。
ではその間を何で埋めるのかと言うと、何故か”地獄”とか”怨み”みたいな、
おどろおどろしい情念で埋め尽くした、地獄絵図みたいな映像をかなりの割合で混ぜながら進んでいく。
しかも本作では何故か、主人公の梶芽衣子がほとんで喋らず、台詞なんて一言二言レベル。
かわりに凄まじき眼力のみで演技する。
だがこれが恐ろしいくらいに美しい。
でも主人公が喋らないんじゃあ映画は進まない。
代わりに映画を引っ張るのが女囚のボス役である白石加代子で
この人の眼力もまた凄いのだが、驚くのはその表情。
正に”般若”のような顔付きになるのが凄く、よく般若のような形相という例えがあるが
それを実写化したら正にこうなると言える、素晴らしき般若顔をしてくれる!
なので本作では梶芽衣子と白石加代子の演技対決の凄さと迫力は
まるで「キングコング対ゴジラ」並みの凄さはある。
他にも女囚たちをヒドイ目にあわせる男たちが沢山出てくるのだが、彼らが逆襲されて殺された時の
それぞれの殺され方がまた面白いのだが、その点も含めて楽しめる人であれば観てもいいかも。
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