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レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

呪われた海の怪物

2025年04月24日 22時57分08秒 | 怪獣/モンスター

「呪われた海の怪物」
原題:Creature from the Haunted Sea
1961年 アメリカ 74分
■監督:
 ロジャー・コーマン
■出演:
 アンソニー・カーボン
 ベティー・ジョーン・モーランド
 エドワード・ウェイン

●あらすじ
革命後のキューバ。
前政府の金塊を強奪、国外逃亡を図るトスタード将軍とその側近達。
これを手引きするマフィアのレンゾとその情婦マリーベル。
レンゾの手下を加えた一行は、カストロ新政権の追っ手を振り切り、脱出用の船でカリブ海へ。
しかしレンゾは、金塊の独り占めを画策していた。
伝説の海の怪物をでっちあげ、襲われたように見せかけながら、
将軍とその部下を次々に殺害していく計画であった。
だが、彼の思惑に反し、その海には本当に怪物が存在していた・・・。
(Amazonより)

★感想など
ロジャー・コーマンがプエルトリコで他の映画を撮影していた時に、
余った時間を使って、同じキャスト、スタッフで6日間で作ったと言われている作品。
それ以外だと有名なのが本作に登場する怪物で、何せ本作自体について突発的に思いついたため
怪物の造形に使う材料も現地調達したらしく、ボディはレインコートにモップを貼り付け、
目玉はテニスボールにピンポン玉を貼り付けたため、完全にポンキッキのムックと言われていて有名である。
だが出来栄えはかなりダメダメで、いつものロジャー・コーマンらしさが感じられないのが残念。
こんな短い上映時間なのに、かなり長く感じてしまいました。

宇宙大怪獣ギララ

2025年04月13日 14時12分39秒 | 怪獣/モンスター

「宇宙大怪獣ギララ」
1967年 日本 88分
■監督:
 二本松嘉瑞
■出演:
 和崎俊也
 ペギー・ニール
 原田糸子
 柳沢真一
 岡田英次
 藤岡弘

●あらすじ
日本宇宙開発局の宇宙船は月から火星に向か途中で事故に遭う。
乗組員は無事救出されるが、宇宙船の主動力となる原子炉のまわりに不思議な発光体が付着していた。
資料として持ち帰られた発光体は、開発局で、巨大怪獣となってしまう。
地球上のあらゆるエネルギーを吸収し、ギララは巨大化し続けていく……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
先日「大巨獣ガッパ」を観たので、ガッパとセットとも言える本作も鑑賞。
実際両作品怪獣ブームの中、制作会社が一作しか作っていない共通点の他公開日も近くて
「宇宙大怪獣ギララ」の公開日は1967年3月25日なのに対し
「大巨獣ガッパ」の公開日は1967年4月22日と、ほぼ変わらないくらいの近さなのだ。
さてそうなると気になるのはまず特撮技術だが、本作で特撮を担当した人も
若い頃に円谷英二に師事したらしい。
こんなところまでガッパと酷似しているとは!
ただ特撮の出来栄えはガッパの方が上だったかなと感じた。
脚本の方もガッパと観比べるとよくわかるんだけど、どちらも会社のカラーが強く出てるなって感じ。
ガッパの方は日活なので、主題歌も含めてどこか若者による無国籍風アクションなテイストなのに対して
ギララの方は松竹だなあって感じ。
まず主題歌が流れるところはガッパと共通しているのだが、こちらは歌っているのが
ボニージャックスと倍賞千恵子だからね。しかも両方とも作詞は永六輔ときたもんだ。
さらにおかしいのが月面基地に到着した一行がまずやる事が、
バスクリンが入った檜風呂につかって、ワインで乾杯なのだ!
さらに月にある基地の中で、普通に煙草を吸っている描写が当たり前なのも、昭和時代の松竹だなあて感じ。
後半、地球に帰ってきたパイロットたちがギララに対する物質は月などの環境じゃないと実験できないと分かるや
上官は軽く「じゃ、月行ってきて」と宇宙から帰ってきたばかりの人たちに
まるでバスでも乗って隣町に行ってきて的な軽いノリで指示したりするのも、昭和な感じで最高に良い。
また前半の話の中心が、何故か恋の三角関係だったりするのだから、対象が子供向けではないのかと思ったりする。
とまあ他にも怪獣映画として見ると、ツッコミ所が山ほど出てくるのだが
だがそれもこれも全て、松竹だからなあと思うと納得してしまうような牧歌さを持った不思議な怪獣映画なのだ。
ところで2008年に突如「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」と言うタイトルの映画が公開された。
ただここ最近の映画はタイトル詐欺が多いから、きっとギララなんて登場しないんだろうと思っていたんだけど
本作を観たついでに予告編を観てみたら、どうもちゃんとギララが出るっぽいね。
そうなるとその内に観てみようかなと思う映画が、また一本増えてしまいました。

大巨獣ガッパ

2025年04月07日 19時38分44秒 | 怪獣/モンスター

「大巨獣ガッパ」
1967年 日本 84分
■監督:
 野口晴康
■出演:
 川地民夫
 山本陽子
 桂小かん
 小高雄二
 藤竜也

●あらすじ
南洋のオベリスク島にやってきた探検隊は、その地でガッパという怪獣の子供を発見した。
彼らは研究のため、子ガッパを日本に連れ帰る。
そして子供を奪われた親ガッパたちが、子供のテレパシーをたどり日本に上陸してくる。
防衛軍はただちにこれを迎撃するが、ガッパは熱線を吐いて街を壊滅状態に追い込んでいく……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
昭和の怪獣ブーム全盛の時、ブームをけん引していたのはゴジラの東宝。
続いてガメラ・大魔神の大映であった。
そんな中、他の映画会社も怪獣ブームに乗って怪獣映画を一本だけ制作した会社がある。
それが「大巨獣ガッパ」を制作した日活と、「宇宙大怪獣ギララ」を制作した松竹だ。
単発物と言うのもあるが、いつかは観ようと思いながらも今まで観てこなかった両作品。
まずは本作から観てみたが、これが中々の出来栄えだった。
まず特撮についてだが、東宝の初期作のような、広い街のセットをいくつも作っていたのに驚いてしまった。
街のセットって作るの大変だから、用意してもせいぜい2~3個くらいかと思いきや、
本作では10パターンくらいはあったような気がするぞ。
まあどれも出来栄えは東宝や大映よりかは劣るが、どれも割とそこまで気にしなく良いレベルだと思った。
特撮に縁が無さそうな日活が何でと思ったが、本作の特撮を担当した人は若い頃に円谷英二に師事したらしい。
そう聞くとどうりでと思えるくらい、立派な特撮シーンであった。
また主題歌もかなり特徴的で、ガッパを連呼する歌はガメラを想起させるが
こちらは何だか日活的な感じがするのが、会社の特徴が出ていて面白い。
あと良く指摘されるのがストーリー面で、最初に子供の怪獣が出てきて、後から親の怪獣が出てくるのは
1961年のイギリス映画「怪獣ゴルゴ」を参考にしていると言われているが、
両作を観ると、テイストが全然違うと感じた。
まず「怪獣ゴルゴ」の方は、最初に子供の怪獣が出てくるが別に子供とは謳っておらず、普通の怪獣として扱っている。
だがそこまで圧倒的に強くはなく、人間側が何とかゴルゴを撃退寸前まで追い詰めて高揚していたら
そこにもっと大きくて圧倒的に強い親のゴルゴが登場してきて、人類が絶望するような展開だった。
一方本作の方は最初から子供と分かっていて、それを親が追いかけてくる展開である。
まあそこから特に何のヒネリも無いのが、玉に瑕だが。
週刊誌の会社がレジャー施設を作って儲けようとするところに怪獣発見。それを目玉にしよう!
と言った展開が「キングコング対ゴジラ」を思い出すけど、スケール感がまるで違ったのは寂しいところだね。
でも十分に楽しめたのは間違いなかった。
あとは近いうちに「宇宙大怪獣ギララ」を観る事としよう。

極地からの怪物 大カマキリの脅威

2025年03月28日 14時07分05秒 | 怪獣/モンスター

「極地からの怪物 大カマキリの脅威」
原題:THE DEADLY MANTIS
1957年 アメリカ 79分
■監督:
 ネイザン・ジュラン
■出演:
 クレイグ・スティーヴンス
 ウィリアム・ホッパー
 アリックス・タルトン
 ドナルド・ランドルフ

●あらすじ
1957年アメリカ公開作品、当時の特撮技術の粋を集めたSFモンスター映画の傑作。
しかしながら、配給元の関係で日本では未公開、未ソフト化のままマニアのみに知られた幻の作品。
「宇宙水爆戦」「大アマゾンの半魚人」「モグラ人間の叛乱」のウィリアム・アランドが製作、
監督は「地球へ2千万マイル」「H.G.ウェルズのS.F.月世界探険」のネイサン・ジュランと、
当時のSF映画の大御所が携わった事でも有名。
巨大カマキリの造形と効果音が出色の出来の、怪獣ファンにお薦めの特撮映画。
(Amazonより)

★感想など
随分と仰々しい邦題が付けられているが、マニアには原題の”THE DEADLY MANTIS”の方が馴染み深いかな。
1950年代の映画ながら、これが中々怪獣映画していて非常に楽しい。
何せいくらカマキリを大きくしたと言っても、精々数メートルくらいのものを想像するが
何と本作のカマキリは61メートルの設定だからね!
これって東宝のカマキラスとどっちが大きいかクラスのレベルだぞ。
おまけに怪獣みたいな謎の咆哮までしてくれるのだから、これは完全に怪獣映画だ。
肝心要のカマキリの造形も素晴らしく、まさに怪獣映画を観ている幸せな気分に浸れる作品。
怪獣・特撮映画好きなら絶対にオススメの一作だ。

獣人雪男

2025年03月24日 20時54分05秒 | 怪獣/モンスター

「獣人雪男」
1955年 日本 95分
■監督:
 本多猪四郎
■出演:
 宝田明
 河内桃子
 笠原健司
 中村伸郎
 小杉善男
 根岸明美
 高堂国典

●あらすじ
冬の日本アルプスでスキーを楽しんでいた東亜大学の一行が悪天候に見舞われ、
山小屋にいた武野と梶が消息を絶った。
武野の妹・道子と飯島、中田の3人が警察の捜索隊と共に山小屋に向かうが、
そこには何者かに殺された梶と小屋の主人の遺体、そして巨大な動物の足跡が残されていた。
春の雪解けを待って再び山に登り、行方不明の武野を探す飯島たち。
やがて、地図にも載っていない谷の奥深く、隠れ里で暮らす娘チカや
村人たちが恐れている山の主の存在が明らかになる。
それは獣人雪男として知られる未知の類人生物なのか。
そこへ雪男を捕獲して見世物にしようと企む、悪徳興行師・大場の一味が現れた……!
(映画監督 本多猪四郎公式サイトより)

★感想など
「ゴジラの逆襲」と同年に制作された、東宝怪獣系特撮映画としては割と初期の頃の作品。
タイトルにもある獣人雪男をキング・コングのような怪獣として描かず
人間のような知性や感情を併せ持つ、まさに”獣人”としての描写が斬新だ。
代わりにいかにもモンスター然として描かれているのが人間の方で
悪徳興行師の連中などは正に悪の権化のように描かれているし
村の長老がチカへの当たり方などの描写も、割とキツメな描写であった。
素材と言うかアイデアは良かったと思うのだが、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」と比べると
演出、音楽、脚本、特撮など全てが中途半端と言うか、こなれてない感じを受けてしまう。
これは東宝の特撮映画の完成度からすると、非常に珍しいことだと言える。
ただこういった作品も踏まえて、後の東宝帝国が出来たと言えるであろうし
そういった意味でも歴史的価値が十分にある作品だ。