レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

病院坂の首縊りの家

2024年06月12日 20時52分40秒 | ミステリー/犯罪

「病院坂の首縊りの家」
1979年 日本 139分
■監督:
 市川崑
■出演:
 石坂浩二
 佐久間良子
 桜田淳子
 入江たか子
 あおい輝彦
 加藤武
 大滝秀治
 岡本信人
 草刈正雄

●あらすじ
石坂浩二が金田一耕助に扮した怪奇ミステリーシリーズ最終作。
写真館で出会った娘に指定された“病院坂の首縊りの家”に赴いた
金田一と写真館の主人が殺人事件に巻き込まれる。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
横溝正史本人も映画に出演する、横溝正史晩年の傑作の映画化。
分厚い上下巻の本持ってたなあ。読んでないけど。
何でもこの映画版は、原作とは展開が違うらしいね。
原作版は過去に起きた事件が迷宮入りとなり、現代になって新たな事件が起きる構造になっているらしい。
石坂金田一も第五弾ともなると落ち着いた感もあるが、作りが全体的に過去4作と比べて
何か大人しいと言うか盛り上がりがイマイチに感じるのは、
監督の市川崑が一旦は前作の「女王蜂」でシリーズ終了を宣言して、本作もやる気がなかったのに
結局監督する事になったので、そのせいか情熱が薄かったのかなと思ってしまう。
とは言っても、極度の緊張する癖を持つ横溝正史が長台詞にチャレンジしていたり
桜田淳子の顔と髪型が、Girls²の原田都愛にソックリでビックリしたとか色々と見所があるのだが
特筆すべきでもないんだけど、過去作と違ってきているのが等々力警部役の加藤武。
彼の役柄は当初は素っ頓狂な事を言う駄目警部だったのが、シリーズを追うごとに段々と無能じゃなくなってきている。
だけど「よし、わかった!」のキメ台詞や、粉薬を大量に口からむせるシーンお馴染みのシーンは健在。
そう言えば先日観た「ある閉ざされた雪の山荘で」で興味を持った東野圭吾。
小説をどれか読んでみようかなと思って探してみたら、「名探偵の掟」と言う本が面白そうだと感じ早速買ってみた。
何でも作者が何書いても売れないので、ヤケクソになって書いたという逸話があるらしいのと
内容的にも推理小説の基本をことごとく壊したとかずらしたとか?
そういう手法は基本をしっかりと押さえていないと出来ない技法なので、
この作者の推理小説愛がどれくらいか分かるなと思って、まずは読み始めたけど
超面白い、この本!
まだ1章しか読んでないけど、推理小説読んで笑ったの初めてだよ!
情報とか何も調べてないけど、この「名探偵の掟」の設定って、この映画版金田一耕助に思えてしょうがない。
まあ探偵の名前もそれに似せてるしね。
但し主人公は金田一耕助ではなくて、等々力警部。
しかもこの映画版の加藤武をイメージしているとしか思えないようなふしもある。
なので小説を読んでいると、加藤武の顔が浮かんできてしょうがない。
それくらいテーマがしっかりと伝わってきて、かなり面白い作品だ!
テレビドラマにもなっているようだが、とりあえずは小説だけでいいかなと思っている。
こりゃその内東野圭吾の映画も沢山観始めるかもね。
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ある閉ざされた雪の山荘で

2024年06月05日 18時50分03秒 | ミステリー/犯罪

「ある閉ざされた雪の山荘で」
2024年 日本 109分
■監督:
 飯塚健
■出演:
 重岡大毅
 間宮祥太朗
 中条あやみ
 岡山天音
 西野七瀬
 堀田真由
 戸塚純貴
 森川葵

●あらすじ
劇団に所属する役者7人に届いた、4日間の合宿で行われる最終オーディションへの招待状。
新作舞台の主演を争う最終選考で彼らが“演じる”シナリオは、
【大雪で閉ざされた山荘】という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件。
出口のない密室で一人、また一人と消えていくメンバーたち。
果たしてこれは、フィクションか?
それとも本当の連続殺人か?
彼らを待ち受ける衝撃の結末とは――
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
元々は去年、西野七瀬が出演する劇場映画として認識はしていた。
去年の段階では観ようかなと思っていたけど、女優西野七瀬に興味を無くした時から、関心は無くなっていた。
しかし流れる予告編を何となく観ていたら、ミステリーとして普通に面白そうだと思ったので
例え西野七瀬が大根だとしても我慢しようと思っていたら、彼女の演技はナチュラルで気にならなかったよ!
まあ上手いわけではないけど、今までのような棒読み全開って感じではなかったので、普通だった。
これなら、これからの西野七瀬には、マイナス・スタートと思って観なくてもいいかも。
で、肝心要の映画の内容の方だけど、スマホとか色々なものが普及した現代で
【大雪で閉ざされた山荘】という、ミステリーの王道展開を実現するためのこの設定には、素直に関心した。
そして予告から気になってたのが、全員役者と言うキーワード。
この言葉を信じると、閉じ込められた山荘における連続殺人事件と言う展開に、
何か従来とは違う一捻りがあるのではないかと、大いに期待しながら視聴していた。
まあそのワクワク感が一体どうなったのかは、是非皆さん自身で確認して欲しい。
それにしても東野圭吾の小説は今まで一冊も読んだ事が無く、映像化作品はいくつか観た事あるのかな?
篠原涼子の人魚のやつって、東野圭吾だっけ?
そんな程度しか知識がないから、なんかミステリーにあんま興味とか無い人なのかなとか思ってたんだけど
昨日ちょっと調べてみたら、思いっきり本格ミステリー大好きっぽいね!
さらにSFとかホラー映画とが、ブルース・リーとかと言ったキーワードが出てきて、凄い興奮したんだけど!
もっと驚いたのが、綾辻行人とかの新本格が流行した頃には、もう小説書いてたんだね。
なんか作風が違ってそうだったから、てっきり新本格の後かと思ったら、そうではなさそう。
そこで勝手に想像したのが、東野圭吾って新本格を土台にして、さらに上に別の見え方と言うか
視点を層のようにコーティングして、別物に見せているのか?
だとしたら、より一層その考え大好きだし、この妄想があっているのかどうか、本当に何か小説を読みたくなってしまった。
多分初期作の方が、本人の趣味とか思想とかが色濃く出てそうだから、
割と初期の頃の作品で面白そうなの、これから探してみるつもりです。
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多羅尾伴内シリーズ 復讐の七仮面

2024年03月26日 19時12分13秒 | ミステリー/犯罪

「多羅尾伴内シリーズ 復讐の七仮面」
1955年 日本 100分
■監督:
 松田定次
■出演:
 片岡千恵蔵
 三浦光子
 中原ひとみ
 宇佐美諄
 山村聡

●あらすじ
片岡千恵蔵の十八番!
クライマックスの名台詞「ある時は…、またある時は…、しかしてその実体は…!」でお馴染みの多羅尾伴内シリーズ。
第8作目となる本作は、大都会に巣喰う秘密結社「白龍会」の非情極まる凶悪犯罪に対し、
敢然正義の闘いを挑んだ多羅尾伴内が、謎を解き、次々と起こる事件を解決して「白龍会」の実体を暴き出す!
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
大映時代の多羅尾伴内シリーズを観たら、東映時代のシリーズも観たくなったので鑑賞。
シリーズも後半なせいか、脚本がシンプルになっていて観易くなってきた感じかと。
今回の七変化のうち、気が狂った元軍人の役を片岡千恵蔵が楽しそうに演じているのが特徴的だった。
ただしそのキャラクターに引っ張られ過ぎな感も強いけど、小林少年のような少年助手も登場するなど
どんどんと娯楽要素が増えていっているのが嬉しいところ。
どこまで江戸川乱歩みたいになっていくか、この後のシリーズ作も楽しみだね。
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ワンナイト イン モンコック 旺角黒夜

2024年03月20日 13時08分26秒 | ミステリー/犯罪

「ワンナイト イン モンコック 旺角黒夜」
原題:旺角黒夜/ONE NIGHT IN MONGKOK
2004年 香港 110分
■監督:
 爾冬陞(イー・トンシン)
■出演:
 吳彥祖(ダニエル・ウー)
 張柏芝(セシリア・チャン)
 方中信(アレックス・フォン)
 錢嘉樂(チン・ガーロ)
 林雪(ラム・シュー)

●あらすじ
人々の欲望と暴力が渦巻く街、旺角(モンコック)。
この街で続いていた2大犯罪組織の対立は、一方のボス、ティムの息子が殺されたことで頂点に達する。
ティムは敵対する組織のボスを抹殺するため、大陸から殺し屋を呼び寄せる。
湖南省から出稼ぎに来ていた売春婦のタンタンはチンピラにからまれていたところを、
偶然居合わせた青年フーに助けられる。
彼こそ、ティムが呼び寄せた殺し屋だった。
一方、警察の仕事に熱意を持てなくなったミウ警部は、殺し屋が雇われたとの情報を得て、
抗争終結のための大がかりな掃討作戦を開始する…。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
まずあらすじ等から、てっきり香港マフィア達が主役の香港ノワールだと思ってたんだけど、実際は全然違ってた。
序盤こそマフィア同士の抗争から始まるが、林雪(ラム・シュー)が大陸から殺し屋を呼び寄せた辺りから
最初に出ていたマフィア達がすっかり出てこなくなって、ずっと殺し屋である吳彥祖(ダニエル・ウー)と
ひょんなことから行動を共にする、情婦の張柏芝(セシリア・チャン)の話になってしまう。
だがここで問題なのは、ダニエル・ウーが非情な殺し屋には全然見えなくて、
むしろ田舎出身の朴訥で真面目な好青年に見えてしまうのだ。
さらに実は同郷の田舎出身で、香港で情婦をしているセシリア・チャンは美し過ぎて、とても田舎出身には見えない。
この辺り若干ミスマッチな感じはあるが、二人の演技力が高いので、物語としては問題なく最後まで引っ張っていける。
そして最初からもう一つの話として並行して描かれるのが警察官たちの話なのだが、これがまた問題で
殺し屋もマフィアも出てくるこの映画で、刑事たちが一番小悪党に描写されているのが笑える。
情報屋にイジメレベルの事を毎回行って、いつも何かにキレてる刑事とか
銃を持ったらとにかく犯人を射殺してしまい、さらに人を殺した事に何も感じない若い刑事とか、もう沢山って感じ。
まあドラマ部分は割と弱いのだが、この映画は撮影がとにかく素晴らしくて、とにかく香港が魅力的に撮影されている。
夜の旺角(モンコック)を撮影したシーンなんて、どこのアート作品かと思うくらい綺麗だった。
旺角と言うのは、香港映画で良く出てくる街と言う紹介があったが、正にそんな感じで、いつかどこかで観た事あるような街並みが嬉しい。
さらに劇中でセシリア・チャンが、「なぜ香港は“香る港”なの?」と聞くシーンは、秀逸な台詞だなあと思った。
そう言えばそんな事考えた事なかったなって。
そしてなぜ香港は“香る港”なのかの答えを、映画の中で回答しているのも素晴らしかった。
全体的にストレートな作りと言うよりかは、一捻りされている作りなので、ハマらない人も多いかも知れないが
舞台となるモンコックと同じように、どこか不思議な魅力を持つ作品である事は、間違いないと言えます。
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女王蜂

2024年03月06日 20時25分08秒 | ミステリー/犯罪

「女王蜂」
1978年 日本 140分
■監督:
 市川崑
■出演:
 石坂浩二
 中井貴恵
 高峰三枝子
 司葉子
 岸恵子
 仲代達矢
 萩尾みどり
 沖雅也
 加藤武
 大滝秀治
 小林昭二
 伴淳三郎
 三木のり平
 草笛光子
 坂口良子
 佐々木剛
 佐々木勝彦

●あらすじ
石坂浩二が金田一耕助に扮した怪奇ミステリーシリーズ。
大道寺家の娘・智子の求婚者が執に凄惨な方法で殺される連続殺人事件が発生。
金田一が謎に包まれた事件の真相を追う。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
石坂浩二の金田一耕助シリーズ第4弾。
これは原作を読んだ事ないので、ストーリーも犯人も全然知らない状態で観てみた。
ただ舞台となるのが伊豆にある「月琴島」と言う島だったくらいは知っていたが、
映画版では島ではなく、伊豆山中にある「月琴の里」に変更されていた。
理由は分からないけど、多分この一個前が「獄門島」だったから、島が続くのを避けたのかもしれない。
さて原作を知らないので違いは分からないのだが、まず今までの3作と比べて、脚本がスッキリしているなと感じた。
今までは割と寄り道も多かったような印象だが、本作は一本道とは言わないけど、寄り道が少なく最後まで観易かった。
さらに過去3作でそれぞれ犯人役を演じた人たちが大集結した、豪華俳優陣。
他にも今までと作りが違うなと感じたのは、まず石坂浩二にアクション・シーンを増やしていた。
二回程坂から転げ落ちるシーンを追加していたけど、無理させないでと思っていた。
あと毎回ダメ警部を演じる加藤武だけど、本作の役名が等々力警部なせいか、いつものダメ警部ではなく
どちらかと言うと割と優秀な風に描かれていたね。
いつもの名台詞である「よし! 分かった」も、あながち的を外してなかったし、
何よりあのラストシーンは、完全に名警部だったよ。
さて石坂金田一のシリーズも残るは1作。
これまた原作未読作品なんだけど、近い内観てみるかな。
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