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レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

縮みゆく人間

2025年05月30日 23時55分55秒 | SF/ファンタジー

「縮みゆく人間」
原題:THE INCREDIBLE SHRINKING MAN
1957年 アメリカ 81分
■監督:
 ジャック・アーノルド
■出演:
 グラント・ウィリアムズ
 ランディ・スチュアート
 エイプリル・ケント
 ポール・ラングトン

●あらすじ
核実験によるスコールと、街中で噴霧された殺虫剤を浴びたスコット・ケアリーは、
それらの相乗効果により、肉体が縮んでいくという恐るべき事態に直面する。
あらゆる治療の甲斐なく1日に1/8インチずつ縮んでいくスコットは世間の好奇の目にさらされ、
その肉体以上に精神的にダメージを受け、献身的に尽くす妻との仲も崩壊していく。
(Wikipediaより)

★感想など
このタイトルも子供の頃に持っていた書籍で紹介されていた作品で
長い間観たいと思っていた映画なんだよねえ。
私が小学生になる前は功夫映画には出会ってなかった事もあり、
その頃の興味は恐竜・怪獣と昆虫であった。
小さな虫たちの世界も、怪獣を見るような目で見ていた私の興味は
もっぱら昆虫たちの戦いにあったと言っても過言ではない。
そしてその頃良く見た夢があって、自分が昆虫サイズに小さくなって、地面から葉っぱ越しに
真っ青な遠い空を見上げて、世界の広さに畏怖するような夢。
あの夢は何度も見たけど、一体何でだったのかはさっぱり不明。
でも今でもあの時の体験は強烈に覚えている。
そんな事もあって、人間がどんどん小さくなっていく本作には興味があった。
人間が小さくなる映画と言えば「ミクロの決死圏」や「インナー・スペース」
それに「ミクロ・キッズ」などが有名だが、どれも娯楽色満載で楽しめた。
一方本作は実に重たい超どシリアスな作風で、80分の上映時間がその倍くらいに感じられるくらいヘビーだ。
主人公の運の無さは致命的なくらいで、やることなすこと次々に裏目になり、どんどん不幸になっていく。
そして、あの救いのないラストは本当に驚愕する。
言っていることが、まるで禅をやりすぎて悟りを開いた人のようであったが、
ある意味魔境に落ちた人かも知れない。
その辺の解釈は、是非ご自身の目で確認して頂きたい。
どんどん小さくなっていく人間を表現するために、周りの家具であったり道具を大きく作って
縮んでいく人間を表現した特撮は、本当に技術が高くて見物なので。

ボルテスV レガシー

2025年03月19日 19時47分48秒 | SF/ファンタジー

「ボルテスV レガシー」
原題:VOLTES V: LEGACY
2024年 フィリピン 97分
■監督:
 マーク・A・レイエス・V
■出演:
 ミゲル・タンフェリックス
 ラドソン・フローレス
 マット・ロザノ
 ラファエル・ランディコ
 イザベル・オルテガ
 アルバート・マルティネス
 ガビー・エイゲンマン
 カーラ・アベラナ

●あらすじ
1977年のTVアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』をフィリピンで実写化。
ボアザン帝国が地球に侵攻を開始。
地球の前線基地・ビッグファルコンに集められた5人の若者たちは、
巨大な人型ロボット・ボルテスVに乗り込み、ボアザン星人と戦うことに。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
確か「ボルテスV」は、元々フィリピンで人気あったんだっけ?
「ボルテスV」と「グレンダイザー」が海外の方が人気があると言う話は、どこかで聞いたことはある。
だから実写劇場版なのかと思いきや、本作はフィリピンで全90話のTVシリーズだったらしい。
それを編集して劇場版にしたのが本作なのだと。
これって、1970年代に日本が良くやっていたよね。
TV版を編集した劇場版って「仮面ライダー」に「ウルトラマン」
他には「ゴレンジャー」などの戦隊物なども、いくつか存在していたはず。
最初は劇場版にしてはCG安いなあと思っていたけど、だがこれがTV版だと思うと、逆にクオリティ高いかも。
全体的にはアニメ版の再現度は高いんだと思う。
ただのコスプレ大会に見えないのは、みんな大真面目なのもあるけど、
この荒唐無稽な設定をきちんと作りこんでいるだろうから、そこまで違和感は感じなかった。
例えるなら「スターウォーズ」を観て、コスプレ映画と思う人がほとんど居ないのと同じことだ。
ちと言い過ぎかもしれないが。
主役であるボルテスVも、今の時代にあわせたデザインになっている。
でもどうしても本作のボルテスVを見て禁じ得ない思いなのが、昔のプラモデルを今風に作りました。
と言うガンプラ投稿はネットに多いが、そんな風に見えてしまうんだよね。
プラ版を細かくカットして貼ったり、スジ彫りやスミ入れを頑張っているなあ。
みたいな目線で見てしまうのは、まあしょうがないよね。
だが難点もいくつかあって、まず基地の司令官が色々と問題アリ。
まず見た目が日ハム監督の新庄剛志に、異常なほど似ている。
しかし常にニヤニヤ顔。これが軽くムカついてくる。
何せ話のほとんどが、地球の危機な状況だからね。
そして司令官のくせに、言わなくていいことしか言わない。
ボルテスVを操縦している五人のうち、三人は同じ兄弟。そして母親は研究者。
ボルテスVが敵のロボットと戦って苦戦している最中に、「君たちの母親が重症だ」
それ戦ってる最中に言う必要あるか?
兄弟の中には小学生とかもいるんだから(それはそれで問題だと思うが)
戦闘の最中にそんなこと聞かされたら、動揺させるだけだろうよ。
さらに基地をバリアが守っているが、母親はバリアの外にいるから助けられないとか、追加でさらに余計なことを。
もうこうなったら3兄弟のうち、弟二人は戦闘なんて辞めて一刻も早く母親を助けようとなる。
それを食い止める長兄。
司令官が言わなくていい事を言ったせいで案の定、ボルテスVチームは内部分裂しそうに。
ちなみのこの時家族ではない残りの二人は、一切無言で空気のような存在になっていた。
そのうち敵ロボットの鎖につかまり、全く身動きが取れなくなるボルテスV。
だがそれを見ているだけで何の手助けもしない司令官。
それを見ていた母親が、戦闘機を勝手に操縦して子供たちを助けに行ってしまう。
内臓破裂しているのに!
最早自分たちではどうにもならなくなっていたボルテスVも、たった一機とは言え戦闘機が助けにきてくれて喜ぶ。
ここでまた司令官が言わなくてよい一言を炸裂。
「その戦闘機を操縦しているのは、きみたちのお母さんだ」
これでまた大きな動揺が広がるボルテスV。
そして動けなくなったボルテスVを助けるために、敵ロボットに特攻をかますお母さん。
それをだまって見るしかない兄弟たち。
最早誰が最大の敵なのか分からなくなってきた辺りで、映画は終わりを迎える。
まあオリジナルのアニメがそうだからなのかは、観た記憶がほとんど無いので知らないが
家族を全面に押し出し過ぎて面白くない。
そんな感じだった。
でもまあ前にも「鉄人28号」の時にも思ったが、やっぱりこういった巨大ロボット物を実写化するのは燃えるね。
オリジナルのTVシリーズ全90話を観たいとは到底思わないが、これはこれで面白かったよ。

キャプテンアメリカ 卍帝国の野望

2025年02月08日 15時42分17秒 | SF/ファンタジー

「キャプテンアメリカ 卍帝国の野望」
原題:CAPTAIN AMERICA
1990年 アメリカ 98分
■監督:
 アルバート・ピュン
■出演:
 マット・サリンジャー
 キム・ギリンガム
 ロニー・コックス
 ネッド・ビーティ

●あらすじ
その昔スティーブ・ロジャースは第二次世界大戦中、
科学者が作り出した悪と戦うための勇敢なアメリカンヒーローであったが
レッドスカルとの勝負に敗れ、氷の墓に葬られた。
数十年が経ち、彼は氷の墓から救い出され再度レッドクロスに立ち向かう。
アメリカ大統領を救うために!!!
(videomarketより)

★感想など
駄作製造機として有名な、アルバート・ピュン監督作によるマーベル映画。
この頃は日本ではマーベルヒーローなんて全然有名じゃなかったから、只のSF映画枠だったね。
結構長い間気になっていた本作の感想は、やっぱり面白くないね。アルバート・ピュン監督作は。
何が面白くないのかと考えたら、彼の監督作は一言で言うと『退屈』なんだよね。
盛り上がりがなく、脚本にも演出にもドラマチックさが無い。
それでいて音楽はちぐはぐだった。
全く明るくないダークな雰囲気の演出なのに、BGMは何故か陽気なポップ系だし。
ストーリーも良く分からなくて、これマーベル版の「キャプテンアメリカ」を先に観ていたから
キャプテンアメリカについて分かっていたから付いていけたものの、最初に本作を観ていたら
きっとストーリーが良く分からないまま終わったと思う。
それくらい何か不親切だった。
おまけにほとんどキャプテンアメリカの恰好はしないし
したらしたで顔のアップは、ほとんどメキシコのプロレスラーの覆面にしか見えないし。
だけど映画として破綻はしていないので、ツッコミ所も弱く、それはそれで逆にダメかも。
ダメ映画愛好家みたいな人達からするとね。
まあでも昔のマーベル映画はこうだったと言うのを知るために、観てもいいかもね。

遊星よりの物体X

2025年01月13日 16時09分26秒 | SF/ファンタジー

「遊星よりの物体X」
原題:THE THING
1951年 アメリカ 87分
■監督:
 クリスチャン・ネイビー
■出演:
 ケネス・トビー
 マーガレット・シェリダン
 ロバート・コーンスウェイト
 ダグラス・スペンサー
 ジェームズ・アーネス
 ジェームズ・R・ヤング

●あらすじ
北極に謎の飛行物体が墜落!!
短編小説「影が行く」を巨匠ハワード・ホークスが製作に携わり映画化されて古典SFホラー映画の代表作。
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
ジョン・カーペンターのリメイク版が有名だけど、こちらはそのオリジナル版。
監督はクリスチャン・ネイビーとなっているが、実質は制作のハワード・ホークスがほとんど演出したらしい。
あらすじとはほとんど知らなかったんだけど、勝手に本作に出てくるモンスターは有効的なのかと思っていた。
ところが本作に出てくるモンスターは結構攻撃的で、しかも知的ときたもんだ。
モンスターは生物と言うより植物の性質でできているが、姿形は人間と同じ二足歩行だ。
このモンスターが容赦なく人間たちを襲うが、人間たちの方もそれぞれの理由により対立しているのが面白い。
単純に戦って殺そうとする軍人に、研究して生かしておきたい研究者が対立。
そこに自分の会社で報道したい新聞記者の三つ巴ですったもんだする。
古い映画だし、特撮技術や予算もそこまでではないんだろうけど
脚本と演出がしっかりしているので、退屈することなく最後まで一気に進む。
シンプルゆえに純粋に面白い。
そういった作品だが、リメイク版の方は色々と足されているようだし、そちらの方も楽しみ。
何せ監督がジョン・カーペンターだしね。

メイズ・ランナー:最期の迷宮

2025年01月03日 16時57分52秒 | SF/ファンタジー

「メイズ・ランナー:最期の迷宮」
原題:THE MAZE RUNNER: THE DEATH CURE
2018年 アメリカ 142分
■監督:
 ウェス・ボール
■出演:
 ディラン・オブライエン
 カヤ・スコデラーリオ
 トーマス・ブローディ・サングスター
 キー・ホン・リー
 デクスター・ダーデン
 アレクサンダー・フローレス
 ジェイコブ・ロフランド
 ローサ・サラザール
 ジャンカルロ・エスポジート
 パトリシア・クラークソン
 エイダン・ギレン
 ウィル・ポールター

●あらすじ
シリーズ興収1,000億円を超える大ヒットSFサバイバル・アクション、遂に完結!
最期の迷路(メイズ)を攻略せよ!
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
まず最初に思ったのは、主人公のディラン・オブライエンが少し老けてしまった事だ。
まあこれはパート1から制作年度が遅れてしまっているからしょうがない事なんだが。
ブレンダ役のローサ・サラザールも、前作では超ショートだった髪型が、本作ではかなり伸びている。
まあ代わりに随分可愛くなっていたので、これはこれで良し。
さて前2作を観て大いに期待した完結編となるパート3ではあったが、ちょっと期待外れだったかな。
まずストーリーの方はやってる事が2と大差ないと言った印象を受けた。
1と2ではストーリーの広がり方も展開の仕方もガラっと変わった感じを受けたが
3はほぼ2の続きと言うか、2の話を無理矢理3に引き延ばしたような感じを受けた。
そして最後まで観ていて思ったのは、この話では終始秘密組織“WCKD”が悪者として描かれているが、果たしてそうなのかと?
この作品世界では太陽によってウイルスが蔓延し、多くの人間が死んでいる。
そんな中ウイルスに対して抗体を持っている若者たちから血清を作ろうとしている組織がWCKDだ。
まあやり方についてはちょっと問題があるが、目的は悪くはない。
一方WCKDに立ち向かう主人公たちだが、まず彼らは人類を助けようだとか、同じ境遇にある若者たちを助けようなどと言う考えはない。
どんな事になっても助けるのは自分たちの仲間だけ。他は知らないと言った行動を取るのだ。
今まではあまり気にならなかったが、本作ではその部分がヒドイ。
冒頭WCKDに囚われ貨物列車で輸送される若者たち。
若者たちは5両の貨物列車に分散して運ばれていたのだが、主人公たちが助けるのは仲間のミンホが居る車両だけ。
残りの4両は放置して逃げているので、残った彼らはそのままWCKDに連れていかれるのだろう。
そして持ってきた車両にミンホがいないと分かるや、敵の本拠地に乗り込んでミンホを助けようと提案するが
一人を救うために大勢の仲間を犠牲にできないとレジスタンスのリーダーから正論で諭されると
その日の夜に一人で脱走。ミンホを助けに暴走する。
とこういった描写がずっと続くので、観ていて段々感情移入できなくなってきて、最後には主人公の事はどうでも良くなるくらい
全編を通して彼の行動は身勝手だった。
まあご察しのとおり、タイトルにあっても本作にも迷宮なんてビタ一文でてこないが、
SF描写は中々のものだったので、そういったのが好きな方には良いかも。
でも本作はパート1だけで十分だったかもな。
まあ1を観たら続きも観たくなってしまうけどね。