
「獣人雪男」
1955年 日本 95分
■監督:
本多猪四郎
■出演:
宝田明
河内桃子
笠原健司
中村伸郎
小杉善男
根岸明美
高堂国典
●あらすじ
冬の日本アルプスでスキーを楽しんでいた東亜大学の一行が悪天候に見舞われ、
山小屋にいた武野と梶が消息を絶った。
武野の妹・道子と飯島、中田の3人が警察の捜索隊と共に山小屋に向かうが、
そこには何者かに殺された梶と小屋の主人の遺体、そして巨大な動物の足跡が残されていた。
春の雪解けを待って再び山に登り、行方不明の武野を探す飯島たち。
やがて、地図にも載っていない谷の奥深く、隠れ里で暮らす娘チカや
村人たちが恐れている山の主の存在が明らかになる。
それは獣人雪男として知られる未知の類人生物なのか。
そこへ雪男を捕獲して見世物にしようと企む、悪徳興行師・大場の一味が現れた……!
(映画監督 本多猪四郎公式サイトより)
★感想など
「ゴジラの逆襲」と同年に制作された、東宝怪獣系特撮映画としては割と初期の頃の作品。
タイトルにもある獣人雪男をキング・コングのような怪獣として描かず
人間のような知性や感情を併せ持つ、まさに”獣人”としての描写が斬新だ。
代わりにいかにもモンスター然として描かれているのが人間の方で
悪徳興行師の連中などは正に悪の権化のように描かれているし
村の長老がチカへの当たり方などの描写も、割とキツメな描写であった。
素材と言うかアイデアは良かったと思うのだが、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」と比べると
演出、音楽、脚本、特撮など全てが中途半端と言うか、こなれてない感じを受けてしまう。
これは東宝の特撮映画の完成度からすると、非常に珍しいことだと言える。
ただこういった作品も踏まえて、後の東宝帝国が出来たと言えるであろうし
そういった意味でも歴史的価値が十分にある作品だ。
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