レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

決断の3時10分

2011年05月09日 23時22分06秒 | 西部劇

「決断の3時10分」
原題:3:10 TO YUMA
1957年 米 92分
■監督:
 デルマー・デイヴィス
■出演:
 グレン・フォード
 ヴァン・ヘフリン
 フェリシア・ファー
 レオラ・ダナ
 ヘンリー・ジョーンズ

●あらすじ
アリゾナのしがない牧場主のダンは、強盗一味が駅馬車を襲撃する様子を目の当たりにするが、
相手が悪名高いベンの一味であるだけに、彼らが悠然とその場を立ち去るのをなす術もなく見守るはめに。
しかし、その後ベンは町の酒場にいるところを保安官に逮捕され、
その手下たちがボスを奪還しようと虎視眈々、機会を窺うなか、
干ばつに苦しんでいたダンは金欲しさのため、
ベンの護送役という命がけの危険な仕事を引き受けるのだが…。
(WOWOWより)

★感想など
オリジナルVSリメイク・シリーズ。
このオリジナル作は、大変面白かった。
心理劇の傑作と言っていい、秀逸な内容であった。
基本は二人の男による心理劇なのだが、どちらのキャラクター、及び演じる役者の魅力は凄まじいものがある。
まずは強盗団のボスである、ベン・ウェイド。
立場的には悪なんだろうが、通り一遍の悪役ではなく、一言で言うとかなりのダンディぶりである。
女性を虜にする魅力を持ち、無駄に威張る事もなく、態度は常に余裕に満ちている。
捕まる時も、護送されている時も常に余裕に満ちており、その状況を楽しんでいるかのように映る。
これは演じたグレン・フォードの魅力による所、大であろうか。
顔も表情もジョン・トラボルタに似ていたので、リメイク版では是非トラボルタに演じて欲しかった。
一方、もう一人の主役であるダンは、徹底的に小市民である。
貧しいながらも毎日頑張って生きているが、当然生活は苦しく、心が揺らぐ事もしばしば。
そういった心の隙間を付こうと、ベン・ウェイドが心理戦を仕掛けるのだが
その問いかけにも素直に応じてしまったりして、人の心の弱さも存分に見せてくれるし
心の迷いも、演じるヴァン・ヘフリンが実に上手に演じて見せてくれた。
彼も実に凄い役者だと感じる。
最初見た時、正直怪物みたいな顔だと思って済まなかった!
この映画も最初観ていた時はストーリーがいまいち掴めず、どうなんだろうと思っていたけど
二人がホテルにこもってからは抜群に面白くなってきた。
脚本の出来が物凄く素晴らしく、最後に追いかけてきた妻に語るダンの心のこもった台詞と表情は感動ものだし
ラストの二人のやり取りは洒落ていて小粋な上に、奇跡とも言える雨が降って終わるエンディングは素晴らしい。
久々に爽快なラスト・シーンを見せてもらった感じ。
西部劇ではあるが、良質なドラマが観たい人には絶対のオススメである!

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