レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

ワンナイト イン モンコック 旺角黒夜

2024年03月20日 13時08分26秒 | ミステリー/犯罪

「ワンナイト イン モンコック 旺角黒夜」
原題:旺角黒夜/ONE NIGHT IN MONGKOK
2004年 香港 110分
■監督:
 爾冬陞(イー・トンシン)
■出演:
 吳彥祖(ダニエル・ウー)
 張柏芝(セシリア・チャン)
 方中信(アレックス・フォン)
 錢嘉樂(チン・ガーロ)
 林雪(ラム・シュー)

●あらすじ
人々の欲望と暴力が渦巻く街、旺角(モンコック)。
この街で続いていた2大犯罪組織の対立は、一方のボス、ティムの息子が殺されたことで頂点に達する。
ティムは敵対する組織のボスを抹殺するため、大陸から殺し屋を呼び寄せる。
湖南省から出稼ぎに来ていた売春婦のタンタンはチンピラにからまれていたところを、
偶然居合わせた青年フーに助けられる。
彼こそ、ティムが呼び寄せた殺し屋だった。
一方、警察の仕事に熱意を持てなくなったミウ警部は、殺し屋が雇われたとの情報を得て、
抗争終結のための大がかりな掃討作戦を開始する…。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
まずあらすじ等から、てっきり香港マフィア達が主役の香港ノワールだと思ってたんだけど、実際は全然違ってた。
序盤こそマフィア同士の抗争から始まるが、林雪(ラム・シュー)が大陸から殺し屋を呼び寄せた辺りから
最初に出ていたマフィア達がすっかり出てこなくなって、ずっと殺し屋である吳彥祖(ダニエル・ウー)と
ひょんなことから行動を共にする、情婦の張柏芝(セシリア・チャン)の話になってしまう。
だがここで問題なのは、ダニエル・ウーが非情な殺し屋には全然見えなくて、
むしろ田舎出身の朴訥で真面目な好青年に見えてしまうのだ。
さらに実は同郷の田舎出身で、香港で情婦をしているセシリア・チャンは美し過ぎて、とても田舎出身には見えない。
この辺り若干ミスマッチな感じはあるが、二人の演技力が高いので、物語としては問題なく最後まで引っ張っていける。
そして最初からもう一つの話として並行して描かれるのが警察官たちの話なのだが、これがまた問題で
殺し屋もマフィアも出てくるこの映画で、刑事たちが一番小悪党に描写されているのが笑える。
情報屋にイジメレベルの事を毎回行って、いつも何かにキレてる刑事とか
銃を持ったらとにかく犯人を射殺してしまい、さらに人を殺した事に何も感じない若い刑事とか、もう沢山って感じ。
まあドラマ部分は割と弱いのだが、この映画は撮影がとにかく素晴らしくて、とにかく香港が魅力的に撮影されている。
夜の旺角(モンコック)を撮影したシーンなんて、どこのアート作品かと思うくらい綺麗だった。
旺角と言うのは、香港映画で良く出てくる街と言う紹介があったが、正にそんな感じで、いつかどこかで観た事あるような街並みが嬉しい。
さらに劇中でセシリア・チャンが、「なぜ香港は“香る港”なの?」と聞くシーンは、秀逸な台詞だなあと思った。
そう言えばそんな事考えた事なかったなって。
そしてなぜ香港は“香る港”なのかの答えを、映画の中で回答しているのも素晴らしかった。
全体的にストレートな作りと言うよりかは、一捻りされている作りなので、ハマらない人も多いかも知れないが
舞台となるモンコックと同じように、どこか不思議な魅力を持つ作品である事は、間違いないと言えます。

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