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烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

“裸鰯”を喰らう

2008-05-09 23:34:23 | 烏合庵の食卓
GW帰省中の静岡,ある日の朝食.

前日所用で郊外に行ったおり,近くの大型鮮魚店で
喰ったことのない干物を見かけ,思わず買い求めた.
この地で高校卒業までを過ごし,五目釣りと漁港市場での
雑魚漁りに現をぬかしたが,後に学んだ大学の研究室
でフォルマリン漬けと対面するまで,こいつには終ぞ
お目に掛かったことがなかった.


ハダカイワシ.帰省先まで図鑑は携行しておらず,
種まで詳しく同定する術はないが,鱗の禿げた,奇ッ怪な
容貌,食い物として何れ初見参であることは間違いない.
下手物好きの血が騒ぐ.


焼き網に乗せた姿は,背黒鰯(カタクチイワシ)をやや太めにした
感じだが,鋭い歯や鱗の落ちた肌に点々と散らばる発光器などが
いかにも深海魚然とした雰囲気を感じさせる.
滴る油の焦げるにおいに,エビなどを殻ごと焼いたときのような
香りが僅かに混じる.はじけた腹の中に赤いものが見えるから,
餌として食った甲殻類プランクトンによるものか?

焼き上がって皿にのせれば,頭が異様に黒くは見えるが,
身のほうはそれなりにウマそうな見栄えではある.
とりあえず頭だけ外し,目刺しの要領でかぶりつく.


面構えと裏腹,身は思っていたよりも緻密かつ繊細な感じ.
しっとりと乗った脂には,甘味と旨味があり,小さな魚ながら
どこか,より大きなギンダラなどと通じる風味を感じる.
骨は目刺しよりやや硬いが,なかなか旨い魚だ.結局,頭まで食
べてしまった。身近で手に入るなら,たまには食べたい魚である.

帰札して,ぼうずコンニャクさんのサイトを開いてみると,
三重県辺りではハダカイワシの干物は比較的ポピュラーで
あるらしい.そういえば,今回求めたものは,三河湾をはさんだ
愛知県産であった.下手物呼ばわりの浅学にはご容赦あれ.

でも,札幌あたりまでは,なかなか入って来ないだろうなぁ.

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