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立原道造(1914-39)「月夜のかげは大きい」:くらさの中に、まつばぼたんの花が、鮮やかだ!詩人は、明るい生に、憧れる! だが不安だ!

2018-02-26 21:35:08 | 日記
 月夜のかげは大きい    
 “A shadow at moonlit night is large.”

月夜のかげは大きい 
僕の尖った肩の辺(アタリ)に 
まつばぼたんが
くらく咲いてゐる

A shadow at moonlit night is large.
Around a shoulder of my shadow, flowers of sun plant are darkly in bloom.

《感想1》
29歳代で夭折した詩人の不安。
月夜は、不思議に明るい。
明るい夜は、矛盾であり、それ自身、不安だ。

《感想2》
尖った肩の僕は、やせている。
布袋のように太っていることは、現世の幸福・幸運の象徴だ。
僕がやせていることは、不幸・不運を象徴する。

《感想3》
不幸・不運の「かげ」の近くに、まつばぼたんが、明るく咲く。
しかも、夜の明るさは、矛盾ゆえに、屈折し、くらい。
「くらさ」の中に、また、やせた「かげ」の近くに、まつばぼたんの花が、鮮やかだ。

《感想4》
一方で、鮮やかな花の色。
他方で、その鮮やかさを取り巻く「くらさ」、不幸・不運の「かげ」。つまり不吉さ。
この不吉さは、死だ。
詩人は、現世を肯定する鮮やかな生と、現世を否定する死に、引き裂かれる。
「月夜のかげは大きい」!
これは死の「かげ」だ。

《感想5》
詩人は、明るい生に、憧れる。
だが彼は、不安だ。
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