King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

今月の季節のブレンドは

2017年06月01日 10時55分20秒 | 珈琲
季節のブレンドで一番苦労するのが今月と来月
なのです。

一年の内で一番さわやかで過ごしやすい気持ちのいい季節が
この時季ですが、さわやかという言葉は秋の季語であり、
今のすがすがしい気持ちよさは古来尊ばれてなかったのかと
訝ります。

さて、そんな梅雨前の気持ちの良い五月晴れの時にいつも
用いていたのが今のブレンドの基本となります。

昨年の早夏、一昨年の光芒と皆モカが効いたちょっとない
ブレンドでした。

今年はさらにブルボンの豊穣とした豆との組み合わせで
なんとも豊かな奥行きと味わい深さを持った味となりました。

味のイメージとしては実りの秋を感じさせる豊かさがあり、
穀物とか木の実の感覚もあるのですが全体に受けるなんとも
言えないゆったりとした安心感と最後に残る後を引く感じが
この時季の気持ちよい感じと合うと思います。

六月というと雨と梅雨というマイナスな感じを抱く人も
多く、この時季を雨の季節としてマイナーなイメージから
始める人も多いはずです。

しかし、私にはこの時季というのは特別の思い入れもあり
ないがしろにできないものがあります。

一年で唯一祝日のない月となってしまったのですが、六月は
私の誕生月でもあります。

この時季雲の合間からさす光の筋が心象風景として浮かびます。

ですから一昨年は光芒と名付けましたが、この字面はどうも
ブレンドのイメージとも眼前の風景にもマッチしません。

英語ではエンジェルラダーという詩的な言葉ですが、それも
なんか違う感じです。

そこに来て、今読んでいる『騎士団長殺し』は私にひとつの
インスピレーションを与えてくれました。

この小説はカフカとか1Q84といった奇をてらった部分が少なく
存分に等身大から繰り出されたかつてのパン屋襲撃などの作品
に通じるものを感じとてもいま楽しんでいます。

というわけで今月のブレンドは『光のイデア』です。

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