虹色雑談

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プリキュアキャラソンを振り返る その3

2012-06-24 20:01:26 | プリキュア

 2週間ぶりの「スマイルプリキュア!」、この2週間が本当に実に長く感じました。その分ギャグで突っ走ってくれました。安定したクオリティで人気も上場、スマイルはやはり凄いです。そして今日はピースの強化フォームのエンドカード。新戦士情報もないですし、これはもう新戦士投入なしで強化フォームに進化という流れと見ていいでしょう。梅澤組としては初めてのことかも知れません。

 さて、2006年に放送されたプリキュアシリーズ3年目「ふたりはプリキュアSplash☆Star」のDVD-BOXの1が9月に発売です。1には当時を振り返る豪華ブックレット付、2にはなんと、各地イベントで上映されたもののその後映像ソフト化に恵まれなかった「マジッ☆ドキッ☆3Dシアター」が初収録されています。Splashは前作までと世界観とキャラを完全一新、プリキュアの名前だけを流用するということで当時話題を呼びました。戦隊やライダーでは当たり前のことですが、セーラームーンシリーズやおジャ魔女どれみシリーズなど、女の子向け作品だとキャラと世界観を継続させていく方式がずっと取られていました。そんな中キャラと世界観を一新したことが、当時斬新に見えました。しかし当時としてはあまりに斬新過ぎた一新、さらに当時プリキュアのヒットを受けて女の子向けアニメが激増し、互いに人気を食い合う現象が起きたことで、商業面ではMax Heartの半分になるという残念な結果となったものの、咲と舞、2人の主人公の深い友情描写や家族や友人たちとの触れあい、キリヤやヒカルでもあった「敵ともわかりあえるかも知れない」という要点をさらに掘り下げた満と薫の登場など、シナリオの完成度はシリーズの中でも群を抜いて高く、今なおスタッフ、ファン共に根強い人気があります。
 そんなわけで今回のプリキュアキャラソンを駆け足で振り返る記事は3年目「ふたりはプリキュアSplash☆Star」のキャラソン群です。OP主題歌は無印で挿入歌を担当していたうちやえゆかさんが担当、ED担当となった五條真由美と共にこの年の挿入歌を分担しています(デュエット曲「blessing」は超名曲)。本作が今も根強い人気という証として、うちやえさんをメインに、五條さん、咲役の樹元オリエさん、舞役の榎本温子さんの4人の交流が番組終了後も続いており、定期的に「TEUCHI LIVE」というライブイベントが行われています(開催回数は後の「5」より多く、さらに時折ゲストも来ており、最多で2010年5月のSUPER TEUCHI LIVE)。前置きが長くなりましたが、では3年目の各キャラソンを簡単に振り返りましょう。

☆「ずっと、ずっと…ね」(歌:咲、舞、フラッピ、チョッピ)
 ボーカルアルバム1(~Yes!プリキュアスマイル♪~)で最初に出てくるキャラソンは、プリキュアとそのパートナー精霊4人での歌。運命的な再会をした咲と舞、彼女らと運命的な出会いをしたフラッピとチョッピ、そんな4人の絆を楽しく唄った一曲です。歌の間に入るフラッピとチョッピの「ラピラピ!」「チョピチョピ!」の合いの手がとてもリズム間があって聞き心地が良いです。明るく楽しいポップ調でありながら、「失くしたパズルのピース」「これ以上ないキャスティング」極めつけは「守られてるのは私の方!? みたいな!」という、4人がそれぞれのことを思い合っているのがひしひしと伝わってくる歌詞が秀逸です。
☆「海が見えたら」(歌:日向 咲)
 優しいギターの音色が印象的な、咲(CV:樹元オリエ)のキャラソンです。樹元さんは咲が初の主役キャラで、初々しくも力強さを感じさせる演技を見せてくれたように、この歌も透き通るような初々しい声が咲の歌声を見事に再現して、とても素敵なカンジに仕上がってます。海の見える街が舞台なだけに、海の広大さをテーマにした歌で、自分のドジや小ささをめげながらも、海の広さを見て深呼吸、また頑張るぞ、という決意が順序よく歌詞に盛り込まれています。歌詞や唄い方などにナチュラルで真っ直ぐな咲のイメージがよく表わされていて、咲の歌としてファンから非常に人気のある曲です。
☆「謎の行方」(歌:美翔 舞)
 舞(CV:榎本温子)のキャラソンです。自分が生きる謎に満ちたこの世界、その中で最も身近な謎である「あなた」。ここで言う「あなた」「大事な人」は間違いなく咲のことですね。咲が泣きたい時、悲しい時、自分は何も出来ない、頼りない、でも側にいることは出来る、咲のことを心の底から大切に思っている舞らしい思いやりが溢れる優しい歌です。咲の「海が~」でもあったように、2番の方にはこの生命溢れる世界を守りたいという強い意思が表現されています。1番は「宇宙」や「望遠鏡」という彼女の家のイメージから、2番が「絵」という彼女の得意な絵画のイメージからという風に、各コーラスの出だし部分で「謎」の表現を変えながらも舞の人物像をきちんと理解した歌詞が上手いです。
☆「Yes!プリキュアスマイル♪~夢に向かって~」(歌:咲、舞、うちやえゆか)
 咲と舞、そしてうちやえゆかさんによるトリオ曲。曲名から次作「Yes!プリキュア5」や「スマイルプリキュア」のイメージソングだと勘違いしないで下さいよ(笑)!?無印の「プリキュア登場~」同様、「デュアルスピリチュアルパワー!!」のかけ声の後、歌に入り、プリキュアの名乗り決め台詞、変身途中の「花開け大地に」「羽ばたけ大空へ」の台詞、敵への宣戦布告台詞(「聖なる泉を~」「あこぎな真似は~」の部分)、必殺技のプロセスまでを歌詞に盛り込むという、同コンセプトでありながら、あちらがエレキギター主体に対し、こちらはブラス(トランペットとトロンボーン)を主体にしたメロディラインにして、サビ以外は2人の強い思いを綴った歌詞にする(リピート部分のサビにも適用)など、全く異なるイメージに仕上がっています。曲名はボーカルアルバムの副題にもなっています。
☆「バイセコー」(歌:咲、舞)
 ボーカルアルバム2(~奇跡の雫~)で最初に登場するキャラソンで、純粋に咲と舞のデュエット曲であり、2人の日常、絆を唄った名曲中の名曲です。曲名にもなってる「バイセコー」は「Bicycle(自転車)」の本来に近い発音であり、曲名通り「自転車」がテーマになってます。「2つの車輪(ペダル)があるから進める」という歌詞は、そのまま2人の関係にも表れています。歌詞の中には、プリキュアのモチーフとなった「花鳥風月」が取り入れられ、1番で舞が「風」(追い風)、2番で咲が「月」に関する部分を唄っています。互いに協力しあって前進する2人と自転車を見事にリンクさせた秀逸な歌と言えます。
☆「Pa!っとハレバレじゃん♪」(歌:咲、舞、うちやえゆか、五條真由美)
 後期ED「ガンバランスdeダンス」のシングルカップリングが初出の、「TEUCHI LIVE」の基本メンバー4人による、明るくハイテンポのポップビート曲です。「ドキドキしちゃって~」のラップ部分(?)が非常に耳に残り、「問いかけて(テレパシー)」等の歌詞部分、かけ声、合いの手など、4人で唄うことを最大限に活かすような曲構成になっており、ライブでもとにかく盛り上がる歌です。全体的に前向きで元気の沸いてくる歌詞とメロディラインを持っており、合いの手部分では聞いている自分も思わず合いの手を入れたくなるほどパワフルな曲です。
☆「A message of wind」(歌:美翔 舞)
 舞の2番目のキャラソンで、キュアウインディの力である「風」、そして「生命」をテーマにした、超名曲です。風を生命の息吹に例えている歌詞、地球が生命そのもの、多くの生命の仲間が住まう大きな家と例える歌詞がとても印象的で心に響きます。サビ部分の「LAN~LALALA~」の部分は、ライブだと榎本さんは上げた手を左右にゆっくり振る(リピート部分は少し速い)ので、聞いていると思わず手や首を振ってしまうだけでなく、歌詞にある「あなたがいて私がいる、ただそれだけなのに満たされてしまう」(「あなた」はやはり咲でしょう)という、当たり前のことが尊く思えるのがとても素敵です。日頃、心地よい風が吹くと、自然とこの歌を口ずさんでしまうほどこの曲が好きです。
☆「海に月、心に光、キラキラと。」(歌:日向 咲)
 咲の2番目のキャラソンで、キュアブライトの力である「月」、そして「優しさ」をテーマにした、勇ましくも優しいメロディラインを持つ名曲です。樹元さんの唄い方も、「海が見えたら」以上にかなり力が入って凛々しいカンジになってます。どんなに暗い道で転んだとしても、満月が希望の光が優しく照らしてくれる、月の優しい光が挫けそうな心を包み込んでくれる、という聞く者に勇気を与える歌詞構成とても秀逸です。1番に「このままでもいいの?」、2番に「あれでも良かったの?」と、不安や怖れを抱く自分に問いかける歌詞があり、挫けた時立ち上がる勇気だけでなく、弱い自分に向き合う勇気をも呼びかけています。もし心が折れそうな時、不安な時はこの歌を聞くことをお勧めします。
☆「Girl's Work」(歌:咲、舞、うちやえゆか、五條真由美)
 「Pa!っと~」と同じく、TEUCHIメンバー4人による、エレキギターが絶妙なリズムを刻む歌です。やはり4人で唄うことを活かすようなかけ声、合いの手が曲を盛り上げてくれるので、ライブにうってつけの逸曲。「何度も、やり直す」等、「Pa!っと~」とは別ベクトルに前向きで元気に沸いてくる歌詞ですが、それ以上に合いの手の「Hey!」が頻繁に出てくるので、そちらの方がむしろ耳に残るので、一緒に手と声をあげてしまいそうです。
☆「ガンバランスdeダンス~咲&舞 version~」(歌:咲、舞 with フラッピ&チョッピーズ)
 言わずと知れた後期EDですが、映画版では咲と舞が唄うバージョンがありました。映画の劇中で2人がカラオケ大会に出場する流れで、そのEDとして見事に組み込んだバージョンです。2人が唄うバージョンということで注目されてものの、ボーカルアルバム2では未収録でした。その後、毎年番組終了後に発売されるボーカルベストで待望のフルサイズが初収録されました。そしてご存じの通り「ガンバランス~」は「5GoGo」までの3年間、歌詞とアレンジを変えながら後期EDとして君臨、鷲尾組の代表曲の1つになると共に、その後の梅澤組では恒例となったEDダンスの礎ともなりました。

 以上、3年目「ふたりはプリキュアSplash☆Star」のキャラソンも駆け足ながら振り返ってみました(今回はちょっと長かったか…)。挿入歌もそうですが、様々な曲調ながらも癒やしのメロディラインを持つ歌が揃っているのが3年目の特徴です。次回はシリーズ転換期とも言うべき4年目「Yes!プリキュア5」のキャラソンを振り返ろうと思います。

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