満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

マッチになった金魚

2008-05-21 | 昔話のハチャメチャ
昨日の「犬話」で色々な思い出が蘇ったので、今日は始めて飼った生き物の話をしよう

私の記憶の中で「飼ったゾ」ってな思い出で一番古いのは
3歳頃にお祭りの夜店でもらった金魚である

(フリーイラスト使用)

両親にお祭りの夜店に連れて行ってもらい生まれて初めての「金魚すくい」をした
「ポイ」(金魚すくい)を使ってバシャバシャやったが
赤子に等しいガキに百戦錬磨の金魚が捕まるはずが~ない(笑)
そこで、我が親父殿が…あろうことか「ポイ」で捕まえた金魚を入れる御椀を使い
金魚屋のオヤジがよそ見をしているスキに一匹の金魚をゲットしたのである

「ズル」は決して子供の見ている前でやってはいけない
赤子に等しいとは言え、多少毛が生えた人間になっておった子供は
少々気恥ずかしい気持ちで一杯になりながら金魚を手にしたからである

家に帰りタライに水道の水を張り「レモン汁」と「塩を少々まぶして」から
金魚を水の入った袋ごと投入した

袋ごと投入するのは、袋の中の水温とタライの水温を同じにするためであり
ビタミンCを入れ時間を置くことで水道のカルキを抜き
水に塩をまぶすことで、金魚についている虫を殺すらしいが…
なにせあのテキトーが服を着ておるような親父殿が言ったこと…
本当に正しいのかどうかは解らん
っと言うのも、それから一週間ほどで金魚は死んでしまったからである

私とバー様がタライの金魚を見ていると
金魚が水面に顔を出し口をパクパクとしておるので
「バー様、なんで金魚は口をパクパクしておるんか?」っと私が聞くと
「空気が少ないんで苦しいんじゃろうね~」っとバー様が答えた
「そうなのか~」っとその時はミョ~に納得して終わった

赤子同然とはいえ、人間としては多少の毛も生えて来ておったが
脳みそにシワが一本生まれたかどうかのお年頃の私は
な~んとなく金魚の横を一人で通りかかった時に「ハッ」っと閃いてしまった
たまたま数日前に連れて行ってもらったプールで
水に潜ると苦しかったことを思い出し
「水の中におったら、そりゃ~苦しいじゃろう」っと金魚と自分を一緒に考え
ほいで、金魚を外に出してあげたのである

ほどなくして家族がワイワイと金魚の側に集まっておった
どうかしたのかの?っと思い覗いてみると、金魚が死んでおる
私以外の家族の推理によると
「金魚がタライから自分で外へ飛び出した」ってな結論に達しておった

「死ぬ」って事がいまいち「ピン」っとこなかった私は
金魚がマッチ箱に入れられ庭の一角に埋められるのをジーっと見ておった

そばにおったバー様に「金魚は死んだらどうなるんだ?」っと聞くと
テキトーが服を着て歩いているような親父殿を生み育てたバー様は
「マッチになる」っと言いはなった
「テキトーなウソ」を子供に決して言ってはならない
それからしばらく、満天少女は家族一同に
「じゃ~猫が死んだらどうなる?」「犬は?」「鳥は?」っと聞きまくった

おかげで「自分が殺したかも?」ってな思いは何処かに飛んでしまったが
も少し大きくなった時に「フッ」っとこの出来事を思い出して
自分の犯した罪にビミョウ~な落ち込みを経験した

しかし…金魚が死ぬと「マッチ」になり
犬が死ぬと「団扇」になって
猫が死ぬと「茶碗」になり
鳥が死ぬと「ラーメン」になると
聞かれた時に目の前にあったモノの名前を言いつらねた我が家族一同
それを友達に自慢げに言いふらした自分も含め
テキト~ってのは遺伝するのかの~~~(笑)

お詫び:「マッチ」で「近藤さん」っと勘違い検索されて来た方々
    誠に申し訳ない~~

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