著作:神永学 イラスト:鈴木康士
これもブログ仲間の小耳書房さくらどんから教えてもらっただ
今のところ、文庫では4巻まで出ているらしい
単行本では、外伝も含め8巻まで出ているそうだ…(笑)
ドラマにもなっているし、漫画にもなっているので知っている人も多いのでは…?
私もこの作品は書店へ行くたびに目には入っていたのだが
なかなか触手が動かなかった作品の一つであった
一度手を出すと、長くなりそうな予感がしておったでの
が、既にもう長く続いておるがな(ハハハハハハ)
主人公は「斉藤八雲」
本の表紙を見ると解るように、左目が赤い
父親は、両目が赤かったそうなので…遺伝だと思われる(笑)
出生の部分に隠された秘密があるらしく、
母親は八雲を殺そうとし、失踪しているし
父親は時々現れては、よからぬ企みしては…どこかへ消えていく
赤い左目は、それを見た人に不快な思いをさせるので…
普段は黒いコンタクトレンズで隠している
しかも、その赤い目で「幽霊」が見え、話が出来るらしい
小説内では赤い目を見た人の殆どが「ギャー」と叫んで怖がっておるが…
そんなに怖いもんだろうか? ちょっと大げさな気もする
先日、会社の河豚部長の左目が真っ赤だったが…満天さんの反応は
「どうした?結膜炎か?病院行ったか?」であった
もし「生まれつきだよ」と言われたとしても
「そうか~珍しいの~。どれ、ちょっと見せてくれ」
で、終わりそうだと思うのだが…ま、主人公の「八雲くん」は
こういった奇異な目で見られるのも嫌いだそうだから
私なんぞは、いの一番に嫌われるタイプかもしれん(笑)
普段の八雲くんは、母に殺されそうになった所を助けた刑事
「後藤」が持ち込んでくる不思議な事件の解決に、しぶしぶかり出されている
誰もが忌み嫌う「赤い左目」をこの後藤刑事と
同じ大学へ通う「小沢晴香」の二人だけが、気にしない。
特に「晴香」は、八雲の左目を「キレイ」と言ったことがキッカケで
八雲の心を開く存在となっている
「珍しいの~」と言って見るのと、「キレイ」と言って見るのとは
紙一重だと思うのだが…前者は嫌われ、後者は好かれるらしい(笑)
トラブルメーカーな晴香だが、若さと可愛さで許されているのかね(ハハハハハ)
が、生い立ちも、見えてるモノも尋常ではない八雲の性格は、少々歪み系で偏屈。
「後藤刑事」の熱血ぶりと、「晴香」の後先考えない真っ直ぐなウザイ性格が
毎回、事件を呼びこみ、単純な事件をより複雑にしている(笑)
この小説内に出てくる人々。「晴香」を筆頭に全体的に皆さん心が幼い(笑)
作者が本編を書いた頃は30歳という若い年齢なので、
大人を書ききれていない感がある。単行本の6巻あたりの他の人の感想を読むと
それぞれの登場人物の「心に成長が見られる」との記述が出てきているので
この本を通して、作者も一緒に成長しているのかもしれん
また、若い作者の特権でもある「テンポよい話の展開」が、
八雲の「欠伸」・後藤の部下の「石井が転んだ」など
筆の遊びが多く、話の腰を折るので、読んでいて引っかかる
八雲くんの欠伸をする回数は実に多い。欠伸ってそんなに出るもんかね?(笑)
作者はこの後、舞台の戯曲なども書いているそうだから
この作品の前に、何度か台本を書いたことがあるのかもしれない
確かに「欠伸」や「転んだ」の表現の仕方が、台本っぽい感じがした
「八雲」という名前から「小泉八雲」をイメージすると思うが
多分、作者もそこから名前を取ったのではないかと思われる
「小泉八雲」=「パトリック・ラフカディオ・ハーン」も
怪我で左目を失明しているからな~
それに…小泉八雲の怪談話は…実に怖い(笑)
でも、この心霊探偵八雲のホラー部分は、そんなに怖いとは思わない
そこに何故幽霊として現れているのかを、八雲が解析していくので
怖いというよりは、悲しく、また哀れを感じる
この本の中でも、作者が八雲の口を借り何度も言っているのだが
「幽霊は亡くなった人の思念であって、それ自体は悪さはしない」
私もそれは思う。生きている人間の方がよっぽど怖い(笑)
それでは…ココで一つ。私が体験したホラー話をしようか?
私が使っている、このテンプレートには猫が二匹いる
左側の猫が、以前に飼っていた「五右衛門」という猫にソックリだったので
懐かしく思い使っている
この猫。名前は「五右衛門」だが、メスである
シャム猫の世界チャンピオンだった母猫が、
フラ~と外へ出て虎猫と逢瀬をし、生まれてしまった猫であった
母親にも相手にされず、飼い主からも疎まれて生まれてきたゴエは
縁あって手乗り状態の時に、私の所へ来た
チャンピオンの母の血を引き、気位が高く
野良猫の父の血を引き、少々下品であった(ハハハハハハ)
ゴエを引き取って2年が経ったころ、私は引越しをすることになった
猫を飼ってよいアパートで、キレイなところってのは、なかなかない。
なかなか無かったのだが…ある日、不動産屋が「掘り出しモノ物件」を持って来た
とりあえず、猫は家に付く動物なので
ゴエを連れて一緒に見にいくことにした
2階建て木造モルタルのアパート。外装は古い感じがするのに
1階角部屋の「その部屋」は、内装に手を入れたのか、とてもキレイだった
もともと今住んでいたアパートから近かったので
不動産屋とは、見に行ったアパートの前で待ち合わせをしていた
その部屋のドアの前に立った時から、ゴエに異変が起こる
「フ~~~」と唸り声をあげ、毛を逆立てるのである
室内に入って、床にゴエを置いたのだが、彼女は一歩も動かない
昼の2時頃に見に行ったので、角部屋ということもあり
室内には燦燦と日が入り、明るく清潔な感じがし、とても良い部屋に見えた
とても良い部屋に見えたのだが…猫のゴエが玄関から一歩も中に入らない
しかも、彼女が見つめる先には小さな流し台があり
そこに向って一心不乱に「フ~~」っと毛を逆立てながら唸っているのである
その流しのところには、丁度私と同じくこの部屋を見に来たのか
一人の女性が立って窓の外を眺めていた
あまりの傍若無人なゴエの態度に、一緒に行った不動産屋に詫びをいれ
早々に退却することにした私は、ゴエを抱きしめ部屋をあとにした
ところが一緒に同行した不動産屋さんも、私と一緒に部屋を出て
アパートの部屋にカギを掛けようとしだしたのである
「もう一人のお客さんは、よいのですか?」と私が言うと
「お客さん、変なこと言わないで下さい!」と不動産屋が急に怒り出した
今日、ココを見に来たのは…私とゴエ、それに不動産屋の3人であると言うのだ
勘違いにしてもハッキリ見えたので…もう一度、不動産屋にお願いし
中を覗かせてもらったのだが…確かに、誰も居なかった
翌日、友達と連れ立って問題のアパートの近所で聞き込みをしたところ
半年くらい前に、あの部屋でガス爆発がおこり女性が一人亡くなっていたらしい
さて、私が見たあの女性は、ガス爆発で亡くなった女性だったのだろうか?
もし、私が猫を飼っていなかったとし
コノ部屋を気に入って敷金・礼金を支払って入居したとする
夜な夜な女の幽霊に悩まされ、たまたま友人に霊感の強い友を持つ晴美が居て
彼女にお願いをし八雲と会う…
実は…単なる事故として処理されていたガス爆発が、殺人事件だったら…
というようなお話が、この「心霊探偵八雲」である(笑)
面白いので、一度読んでみるとよい
ざっくりした文章なので、読みやすいと思う
私の思い出話を読んで
「ヒドイ不動産屋も居たもんだねぇ~」と、感じた方も多いかと思うが
一番怖い思いをしたのは、かの不動産屋だと思う
なにせ、ココで何が起こったのかを知っていたわけで
猫は唸るは、飼い主は「人が居た」とか言うし…さぞ、怖かっただろうと思う(笑
その後、半年ほどその部屋は空きやであったが、後に誰か入居したようである
無事に生活できただろうか?
私と猫のせいで怖い思いをした不動産屋が、部屋をお祓いしてくれていれば良いが
そうでなければ…(笑)