木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

中国進出業者

2008-04-25 17:53:57 | 仕事
その製材屋まで材木屋のおやじさんが来てくれた
いつも積み終わると喫茶店に誘ってくれてよもやま話が始まる
ややもすると同じ話の繰り返しだが・・
その日は彼の上得意だった楽器屋の話
ここらあたりには全国的にも知る人ぞ知るヴァイオリンメーカーがある
そこの品物は一部権利を持った人しか仕入れることができない
で、直接買えない楽器屋(ここがくだんの材木屋のお得意さん)は近年おとなりの中国で生産を始めた
勿論完全自前生産は許してくれない国なので工場と提携して生産を委託 すべてを買い取る形だったようだ
ほかにギターなんかも
はじめのうちは全く思い通りの品物が出来ずにこっちの職人を派遣していろいろ指導をした
それでも時々不良が出る
こっちで検品していくつかの品物は名古屋の職人さんが手直しして市場に出す
そのSヴァイオリンメーカーの最安値のものが3万くらいなのを1万ちょいくらいで売りさばき
大メーカーの牙城を崩し始めた
相変わらず不良品が多いのでまた職人(Sに努めてた人)が中国に渡り指導指導指導
そうこうするうちにいくらなんでも向こうも上手になってくる
楽器作りのノウハウを身につけて段々と不良品がかげを潜めるようになった
こっちの直し職人さんの仕事が減る 輸入業者の思い通りになり始めた
と、今度は楽器の売れ行き自体が鈍り始める
向こうで作れる数は順調に伸びてゆくがそれを捌く業者でなくなってきた
輸入業者はまた輸出業者でもあった
製品を輸入して一部は日本で売るが手直しをした品物を輸出もしていた
だんだんと需要と供給のバランスが崩れてゆく
中国の業者はどうするか
直接外国に売り始める
もう技術は一級に近くなってる
最高級のものはできないけど そこそこのものは出来る
世界に売り始めると言うことはもう教えた業者を飛び越えてゆく
結局技術だけ提供して最初は利益を得るけれど 大きな利益は全部中国に持って行かれる
こういう現象があったとさ
義理と人情の国・日本の業者ではないからね
中国へ進出した業者が失敗した例も多いようです
気をつけてください
でもこの業者さんは今でもそれなりに頑張っています
中国進出が悪いと言うことはできません
日本でだけではもう出来なくなってしまってますから
うまくバランスをとりながら生きてゆくしかないですね

コメント
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