あまり出かけない生活であるが、行ってみたのが豪徳寺である。世田谷区のお寺で、あの井伊家の菩提寺として知られる。伝説によれば、昔は貧しい小さな寺に過ぎなかったのが、ある日、井伊直孝がこの寺の前で「手を上げて直孝を招く」猫に出会い、不思議に思って寺の中に入ってみると、入ったあとに急に雷雨が襲ってきた。雷雨を避けられた直孝は幸運を喜びこの寺を菩提寺にすることに決めた――という。もともと井伊家は静岡県の豪族で、今川家に仕えていたものが直政(直孝の父)の代で徳川家康の配下となり、彦根藩(滋賀県)の藩主に収まったのである。そこから16代にわたって彦根藩をおさめた。幕末に「安政の大獄」を行って有名になった井伊直弼(下から2枚目写真)は第15代藩主である。
上記のエピソードから招き猫発祥の寺とされる(実際にはこれ以外にも「招き猫発祥の伝説」は多数ある)。寺の中には写真のごとく猫の像が多数納められていた。ここの招き猫は「小判を持たない」のが特徴である。縁を生かすも生かさないも本人次第だから――ということらしい。ちなみに滋賀県彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」が猫の形なのも、上記のエピソードによっている。すぐ近くを東急世田谷線が走っているが、そこにも招き猫ラッピングの電車(一番下写真)が走っていた。結構外国人(おそらく欧州系)観光客の姿もみかけた。
忙しい日々が続くので、あまり遠出という訳にもいかないが、たまには日常と違うところに行くのも大事である。
Wikipedia「豪徳寺」
Wikipedia「招き猫」
Wikipedia「ひこにゃん」
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