久しぶりにちょっと観光と呼べるものをした。と言っても行ってきたのは東京駅であり、遠出をしたわけではない。東京駅のすぐ近くにある「JPタワー」の中にある小さな博物館、「インターメディアテク」に行ってきたのである。東京大学と共同で作られた博物館で、東京大学に所蔵されていた文物を展示する博物館である。しかも入場無料なのでお得である。JPタワーというより、飲食店などが入る「KITTE丸の内」の方がピンとくる方も多いかも知れぬ。2階と3階に博物館がある。聞くと撮影OKとのこと(フラッシュは禁)なので、撮影してみた。
Wikipedia「JPタワー」
入るといろいろな動物の骨格標本が出迎えてくれる。その奥にあったのが大きな地球儀。800万分の1の縮尺で、1937年以前の作、ベルギー製であるという。なかなかの大きさである。
生物標本のひとつ。これはタカアシガニの標本である。世界最大のカニであり、しかも世界最大の節足動物なのである。足を広げると3.5mに達する。
Wikipedia「タカアシガニ」
昔の東大の建物の模型である。これは東京帝国大学理科大学動物学・地質学・鉱物学教室。1910年建造。
昔の注射器のセットである。フランスのルエール社が作成したとある。針が太くてこれで刺されたら痛そうだ。
東大安田講堂で使われていた時計の針と文字盤(文字盤はレプリカ)。針の方は本物である。1925年の初代の針は木製だったが、1956年からアルミニウム製にかわったのだとか。
Wikipedia「安田講堂」
東大の医学部で教鞭をとったドイツ人教授たち。日本の医学は当初ドイツから学ぶことが多く、21世紀の現代でも日本の医師は診療録を「カルテ」、患者が死亡することを「ステルベン」(あるいは略して「ステる」)と呼ぶ。上写真の中央、下写真が有名なベルツ(Erwin von Bälz)である。蒙古斑を発見した業績も名高いが、何よりも日本を深く愛し、多くの助言を日本に与えた。在日29年間に及んだ。また日本の温泉地を発展させるように助言した人物でもあり、現在温泉地の人気投票でしばしばNo1にも輝く群馬県の草津温泉の整備は、彼の貢献によるところが大なのである(現在でも草津温泉には「ベルツ通り」が存在する)。
Wikipedia「エルヴィン・フォン・ベルツ」
Wikipedia「草津温泉」
東京駅のすぐ近くなので「旅行」というのも変であるが、楽しかったのは確かである。無料であるにもかかわらず、展示の質は高い。皆様にもお勧めである。